1・私というもの
昔、この日本で
かつて武士が競い合った剣術。
生と死の狭間でゆれる――――
今も、その剣の道に生きる少女が1人―――――――。
「井上、織田・・・神田、おっと、はい神奈月。」
「はぁーい。」
ずるりと鼻水をすする。テストをぴらりとでこの前に突き出されて・・・・・・
「いい加減にしようねぇ。テストでこんな点数とって大丈夫なのかなぁ??今日は、
補習へ来い!!」
「えー、っそんなぁ。だって今度の日曜にある県選抜のシードで、練習しなきゃだ・・・」
先生は、そんなこと聞きもせずに済ました顔をして次々にテストを返していく。数学最悪。第一、関係ないだろう、将来店のレジでいちいちそろばんやるわけじゃないのに数学なんてやってられぬ。
「ちぇ。」
しぶしぶと、席へ戻り余裕でそのテストをさらけ出す。うむ、恥を知らぬも我の良い所。
「うっわー、おめぇたったの10点かよ。やばくねぇ?俺、お前にかった〜!ほら、3点勝っただろう??!」
ばか者よ、どんぐりの背比べもいい加減にしろ。
「環{たまき}どんぐりの背比べも、ほどほどにしなよ。」
ま、負けといえば私の負けだが。
そうして、一日の授業をやり終えた。
補習は、他にもいつも授業中寝ている村崎とか山際がいた。こいつらと一緒にされちゃたまんない位、こいつらは変わり者だ。やっぱ、怠け者だな。
数学――確率だなんて知るか!じゃぁ、宝くじのサマージャンボ3億円でも確率で探して当てて見ろってんだ。
補習をやり終えたら、もう5時だった。最終下校時刻である。部活にはいけなかったし、今日は本当に最悪だった。明後日は、いよいよ県選抜。絶対に私の前に立つものは、ぶった切ってやる。
ゲームをやりながら、ぼんやりそんなことを考えていた。