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という女

作者: 英星

 LINEの通知が来ていた。

 彼からの晩ご飯のお誘いだった。

 わたしは会う時間を指定してLINEを返した。


 彼とはつきあってはいない。


 体だけの関係。

 彼がわたしに飽きたら終わるだけの関係。


 それでもよかった。


 彼のそばにいられるなら体ぐらい簡単に許せた。

 彼に嫌われるぐらいなら軽い女だと思われた方がよかった。


 一方的な愛だってわかってる。


 どんなに尽くしても彼はわたしに振り向いてはくれない。


 何度も忘れようとした。

 彼とは関わらないようにしようと、わたしからは連絡をとらないようにした。


 だけどダメだった。


 彼からの呼び出しに応えてしまう自分がいた。

 彼からの連絡を嬉しく思ってしまう自分がいた。


 無視することなんてできなかった。


 彼にはわたしみたいな関係の女性がたくさんいると思う。

 だけどわたしには彼しかいない。


 彼を知る女友達は「やめときな」と言った。


 わたしのためを思って言ってくれてる。

 ……そうは思えなかった。


 わたしにはその女友達がわたしと彼の関係を壊す邪魔な存在に思えた。

 女友達は本当はわたしに嫉妬しているんじゃないかとさえ思えた。


 自分が怖い。

 きっと彼のためなら何でもしてしまう。

 わたしがわたしじゃなくなっている。


 もし彼がわたしじゃない他の誰かを好きになったら。

 そんなことを考えるだけで頭がおかしくなる。


 できることならもうこの世界から消えてしまいたい。


 馬鹿げてる、今さら。

 わかってたことなのに。


 でも本当に彼が好き。

 どうしようもなく大好き。


 できるだけ長く彼のそばにいたい。


 ごめんね、こんなわたしで。


 準備しなきゃ。

 大好きな彼に、また会いに行くから。


という文章を書くおっさん。

こういう女性に片想いしてる男性もいるんじゃね……知らんけど。


2015年10月25日 LINEを使ったことがない英星

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