第8話 俺と彼女の生活
今回は愛チャンの真面目な恋愛模様です。
あ―……最悪だ。本当についてない。なんで俺の隣が華恵なんだ。
朝のHRは席替えだった。俺は運が良かったのか今と同じ席になった。
そこまでは良かったんだ。隣の席なんて誰でも良かったんだよ。華恵以外なら!!!!
「なんで隣に来てんだよ!!」
俺が言うと華恵は鼻で笑った。
「知らんわ。つか嫌ならアンタ目悪いとか言ってキティと変われば??」
っく……相変わらず憎たらしい女だ。華恵は俺の彼女だ。一応付き合っている。
中学から付き合いだして、もう4年になる。昔は女の子だったのに…。
「お前本当に可愛くない女だな。昔は中身だけは可愛かったのに。」
華恵が睨みをきかして俺を見た。
「アンタは昔から全く可愛くなかったもんね!!」
顔が怖いので反対方向を向いて寝ることにした。
あ―あ―…どうしていつもこうなんだろう。いつもいつもこうやって喧嘩になるんだ。
好きなのに。好きじゃなかったら4年も付き合ってないか。
二人の時はそれなりに素直になれるもんだけどなぁ…。
「……で、あんた今日は家来るわけ??」
授業中に華恵はボソッと呟く。
「……あぁ。」
俺も呟く。二人だけの会話。今だけは二人だけの世界。何故か懐かしい気持ちになる。
付き合い始めた頃の甘酸っぱくて息苦しい感覚。
「愛ちゃぁん!!帰ろうゼェェェェイ!!」
放課後、キティはハイテンションにカバンを俺に渡す。ボイラもニコニコしながらカバンを持った。
俺はカバンをキティに返す。
「今日はちょっと…」
俺が言うとキティは頬をパンパンに膨らませた。
「なんだよぉ!!イチャつきデイかよ!!今晩は熱帯夜ですわネ!!」
キティはセクシ−ポ−ズをする。こいつ…殺す。
「華恵ちゃんとラブラブだねぇ」
ボイラはフニッとした笑顔を浮かべた。こいつ…可愛いな。
「あ―…んじゃな」
キティを撲殺するのは時間は短く終わるが労力がいる。
めんどくさいので、俺はカバンを持って先に帰宅している華恵の家へ向かった。
「入れば??」
もう通い慣れたマンションの一室。ここで華恵は一人暮らしをしている。
チャイムを鳴らすと中から華恵の声がした。
「ノド渇いた。ジュ−ス。」
俺はいつもの俺の場所に座る。
「自分で取れよ。ウザイな。」
そう言いながら華恵は台所に向かう。まるで夫婦だな。
華恵が取ってきたコ−ラを一気に流し込む。炭酸のきつさに思わずむせた。
「バカ!!ハゲ!!コ−ラこぼすな!!!!」
華恵が慌てて布巾を取ってきた。
俺はコ−ラまみれになった服を拭いている華恵を見る。
印象的な大きな目は黒くて長い睫に覆い被さる。こんな睫で重くないのだろうか。いつも思う。
形の良い唇は薄く笑みを浮かべている。
「あんた本当にドジだよね!!」
…久しぶりにちゃんと見た。華恵の笑顔だ。無邪気な…まるで子供のような笑み。
「…お前…実は可愛かったんだな。」
俺が言うと華恵は赤面して俯いた。
「バッカ!!今更気付いたのかよ!!おっせぇよ!!」
そう言いながら顔を隠す華恵を抱き寄せる。
華恵は黙って俺の胸に寄り添った。
今わかった。きっと俺達はいつまでもこうしているんだろう。
夫婦みたいでもいいじゃないか。こんな時間がある夫婦なんて素敵だと思うから。
はい!!遅くなりました!!しかもコメディらしくない(T□T)すいませんでした…。またハイテンションに攻めていきたいと思いますので…よろしくお願いします!!!!!




