二十歳までに見とかないと一生見れないらしい
二十歳まで覚えているとアレなアレ注意。
「つーわけで、深夜に小学校行こうぜ」
いやまて、色々と意味が分からん。とりあえず何が見れないのかとなんで二十歳までなのかと、なぜそこから小学校に忍び込むという結論が出るのか分からん。
「ユウレイ、妖怪の類の話に決まってんだろ。二十歳までってのは多分他のと同じ理由じゃね?デジャヴとかムラサ――」
や、言いたいことは分かった、とりあえずム○○○カ○ミはやめとけ、読者に未成年が居るかもしれん。
「作者も覚えてたけど死ななかったし大丈夫だろ。」
効く人と効かない人が居るだけかもしらんだろうに……つーか、作者の年齢を仄めかすんじゃねー。
「まぁ鏡の話は置いといて、学校なのは手ごろな心霊スポットが周囲に無いからだ。近頃は人面犬や口裂け女みたいな路上出現なお化けは目撃されなくなったし。ポマード〔笑〕。」
有名なスポットは所謂デートコースだしな……わざわざ移動費使ってアベック観察するのは確かにバカらしい。
「その点、深夜の学校はいつの時代も何らかの怪談で満ちている訳だぜ。どうせノリだ、近場がいいだろ。」
しかし、忍び込むとしてもどこを探索する気だ?テケテケはどこに出没するか分からんし、あの小学校の姿見は階段に備え付けられてないし。理科室やら音楽室には鍵が掛かってるはずだろ。
「まぁ、そのへんは考えてあるから任せとけや。んじゃ、今晩決行ってことで・・・」
そんなわけで近所の道にある学校のトイレにやって来たのだ
いや、ちょっとまて。
「うほっ?」
うん、男二人で男子トイレでこのナレーションはいろいろとマズイ……つーか、トイレの怪談って普通は女子トイレじゃねーの?時間だって、とっくに丑三つ時(深夜二時)は過ぎてるぜ?
「これだから無知なエロガッパは困る……トイレ系の怪談はどっちのトイレかを明言しないことが多いんだ。怪談ってのは広まるように派生する、つまり試せなきゃ意味が無い……もちろん地域による例外もあるが。付け加えるなら、片方でしか出ないときは対のなんかが居ることもある。二番目のトイレの次郎とか、三番目のトイレのヨースケとか、四番目のトイレの太郎とか…」
なるほど……って、納得しかけたけどよ、うちの地域のバージョンだったら、花子さんは女子トイレ限定だっただろ?
「お楽しみは最後にとっとくに決まってんだろ、お前それでも男か!紳士力が足らんぞ貴様!」
うわーなんか釈然としねー。
「んで、時間のことなんだが。」
ああ、なんで丑三つ時じゃないかってことだな
「ことトイレの怪談に関しては、個室の数なんかが関係してる所為で、時刻指定がよくあるんだ。例えばぞろ目の時刻なんかが狙い目だな。付け加えると、生徒が試せないから丑三つ時は指定されないんだな、これが。」
なるほど。んで、結局どの時刻に合わせて来たんだ?
「あぁ、何事も無く過ぎれば丁度三時三十三分に女子トイレに赴けるぜ。」
なる。
他の時刻指定系って何があるんだ?
「あぁ、確か、四時四十四分に四番目の個室に入って壁に四と書くとかすると四次元ババァが現れて四次元に引き込まれるらしいぜ?」
四次元ババァ?
「四次元ババァ。」
時間軸は存在するから、この世界は四次元だよな。それってただ単に掃除のばーさんに怒られてしょっ引かれるだけじゃないのか。
「や、俺にそんなこと言われても困るが…」
三時三十三分に三番目の個室で三次元ババアが出るのか。花子さん召還しようとしたらただのババアが出るのか。がっかりだよ!二時二十二分なら二次元ババアかよ!
「きっと隙間から出てくる妖怪的な何かなんだな、これが。」
ババァ俺だ!結婚してくれ!
……結局何事も無く女子トイレに移動することになったな。
「太郎も次郎もババアも赤紙青紙も赤いチャンチャンコも怪人赤マントも上から覗く目も下から覗く目も一番奥より奥の個室も無かったな。」
こうやって列挙すると、結構内容が被ってんな…
「ともかく、本日のメインイベント、花子さん召還だぜ、相棒。」
えーっと、最初の個室から順番に、扉を三回ノックして、『花子さんいらっしゃいますか』だな。
一つ目、二つ目と何事もなく終わる。もちろん三番目の個室をノックしたときも――
――いや、明らかなほどに空気が、変わる。
「もしかして、もしかしたか!出たときの返答は覚えているな、相棒!」
ふっ…当たり前だろ、兄弟……さて、と
『花子さんいらっしゃいますか』
[は~あい♪]
キィ、と扉がひとりでに開く。目前には色白でこの世のものとは思えない端整な容姿で黄色い帽子とランドセルを標準装備、リコーダーのオプションまでついた完璧な美幼女が!
[何して遊ぶ?]
「分かっているな、相棒……」
当然だぜソウルブラザー。せーの、
「「お医者さんごっこ」」
二十歳の誕生日は幼女と楽しくままごとをしましたとさ。