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憧れの中華民国のダンサー

作者: お舐め
掲載日:2026/09/22


台湾の夜。

窓の外に広がる街の灯りを眺めながら、敬太は部屋の片隅に座っていた。


その目の前で、彼女――フー・リンが楽しそうに踊っている。




挿絵(By みてみん)


音楽が流れるたび、リンの長い髪が軽やかに揺れる。彼女は時折、敬太のほうを振り返って笑った。


その笑顔を見ているうちに、敬太の胸は次第に熱くなっていった。


台湾人のリンと、日本人の敬太。


生まれ育った場所も、話す言葉も違う二人だった。それでも、出会ってから過ごした時間の中で、二人の間には少しずつ特別な絆が生まれていた。


「敬太、どうしたの?」


踊りながらリンが尋ねた。


敬太はすぐには答えられなかった。


ただ、彼女を見つめていた。


楽しそうに踊る姿。


無邪気な笑顔。


そして、自分を見つけたときに嬉しそうに笑う、その表情。


その瞬間、敬太の心に一つの思いが浮かんだ。


――この人と一緒になろう。


それは、勢いだけの思いつきではなかった。


これまで一緒に笑ったことも、言葉が通じなくて困ったことも、遠く離れて寂しくなったことも、すべてが頭の中を駆け巡った。


それでも最後に残ったのは、


「この人と一緒にいたい」


という、ただ一つの気持ちだった。


「リン」


敬太が立ち上がる。


「どうしたの?」


リンが不思議そうに振り返る。


敬太は少し照れながら、彼女の目を見つめた。


「俺、今、すごく感激してる」


「どうして?」


「リンが楽しそうに踊ってるのを見てたら、、」


敬太は一度息を吸った。


「これからも、ずっと君のそばにいたいって思った」


リンは黙って敬太を見つめた。


「だから?」


敬太は笑った。


挿絵(By みてみん)




「一緒になろう!」


一瞬、部屋が静かになった。


そしてリンの顔に、ゆっくりと笑顔が広がった。


「敬太」


彼女はそう呟くと、敬太の手を取った。


「うん。一緒になろう」


再び音楽が流れ始める。


今度は敬太も、リンと一緒に踊った。


台湾と日本。


二つの国からやってきた二人の人生は、その夜を境に、一つの物語へと歩き始めた。



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