『日本改造計画』外伝:その参<大分県日出町町墓地条例>
今日のリモート会議参加者は、日本帝国総理、大分県知事、大分県日出町町町長だ。
「本日は、御呼び立てに応じて頂き誠に感謝いたします。」
「こちらこそ恐縮です。」
大分県知事、大分県日出町町町長の声が。唱和。
「で、早速本題ですが、大分県日出町町墓地条例の土葬を認める条文は、違憲です。
直ちに改めなさい。更に、現在進行中の土葬場工事を白紙撤回する事。
更に、現在在籍中の町議会議員の懲戒解雇と、向こう五十年の立候補権停止処分、
並びに総選挙も併せて実施する事。
以上が、総統閣下からの『命令』です。
言うまでも無い事でしょうが、これは『勅命』と理解せよ。」
カメラとマイク越しに響き渡った総理の声だった。
「は……ははぁーーーーっ。」
大分県知事、大分県日出町町町長の声が。唱和。
こうして、リモート会議は、お開きとなった。
* * *
今日のリモート会議参加者は、日本帝国総理だ。
「まったく、どこの愚物か、外国人優遇など言語道断ですよ。」
「例のクレジットカードが、まだ行き渡っていません。それ故でしょう。総統。」
「確かに、大分県日出町町墓地条例の土葬を認める条文が、成立したのは、
日本帝国憲法の成立前。だ、条文改正を求める住民請求を棄却したのは、成立後。
よって、『違憲』とならねばならない。町議会議員も外国人に毒されたか。」
「外国人というより宗教勢力からの『献金』でしょうな。総統。」
「ああ……あの『別府ムスリム教会』ですか。地元の仏教勢力をぶつけてみますか。
そもそも一神教布教は、戦国時代にイエズス会が、失敗したはずなのに。」
「それは、日本に移住したイスラム教徒達が支えているようですね。」
「だとすれば、やるべきは、
在在籍中の町議会議員の懲戒解雇、
向こう五十年の立候補権停止処分、
並びに町議会総選挙も併せて実施、
大分県日出町町墓地条例の土葬を認める条文削除、
現在進行中の土葬場工事を白紙撤回、
ベーシックインカム用クレジットカードの普及強化、
こんな所ですね。」
「おや、珍しい。『無期懲役』にはなされないのですか。総統。」
「失敬な。何度も言っていますが、私は『残虐非道な独裁者』ではありませんよ。
今回の一件、『反逆罪』とみなすべきです。が、事は、大分県日出町と言う地域問題。
あまり大事にすべきではありません。しかし、外国勢力は排除せねばなりません。
これは、国防にも繋がります。いいですね。総理。」
「分かりました。次のリモート会議は、その様にまとめます。総統。」
こうして、リモート会議は、解散となった。
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