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政府の始末屋

暖かい風が吹き、海の潮の匂いが充満する。

その風はいたずら風で私の麦わら帽子を取っていってしまった。 

「あっ!」 

3階建てのアパートの屋上から帽子が落下する。

「今なら取りに行ける!」

私は出口に走り出し、階段を駆け下りる。

入れ口を出て防止の落下地点に向う。

アパートの角を曲がった景色は何とも想像しがたい景色だった。

「あっこれ、君のかい?さっきこれが僕の頭にかぶさったんだ」

スーツの彼は麦わら帽子を外し、私に渡してきた。

私はすぐに帽子をかぶる。

あまり暖かくない本当に奇跡的に頭に直撃したようだ。

「ごめんなさい私の不注意で帽子を落としてしまって」

私は、頭を深く下げて謝罪をする。

「こういう時はありがとうですよ」

「え?」

私は思わず、顔を上げた。

「まあ、それよりここのアパートの方ですよね?」

「あーはい、そうです」

「088号室の方に用がございまして…」

088号?ここは35号までしか無いはずだが。

「え?ここは35号までしかないですよ?」

「ん?おかしいな確かにこの資料に書いてあるんだけど…」

スーツの彼は、胸ポケットからメモ帳を出し何かを確認している。

「ああ、これは旧番号でしたね本当は34号の方でした」

34号…それは私の番号まさか…

「探しましたよでは」

彼は私がよく知ってるものを取り出しそれを私に向ける。

「さようなら」

乾いた鉄の音は潮風に乗って消えていった。

ポケットの中に入っているスマホがバイブする。

取り出し画面を見てみると部下の番号だった。

「はい、どうかしたかい?」

上条かみじょう先輩洗い終わりました一度戻ってください」

「わかった帰投する」

通話を切りポケットに仕舞う。

「さて、帰るか…」

僕はゆっくりと坂道を登っていった。


「上条先輩聞いてます?」

「ああ聞いてるさ、ただこれ僕が出るようなことかい?」

「上条先輩ぐらいになるとそう思うかもしれませんけど私にとっては化け物級なんです」

僕は机に乗っている資料を再び読み返す。

「…犯罪歴が確かにとんでもないな、この男」

「それも、歴史犯罪が大半ですどんだけ自分の過去を変えたいんでしょうね?」

「あーわかったよ僕が出ればいいんだろ?まったく人手不足も困ったもんだね」

「こんな仕事表向きになんてできませんからね」

過去を変えて未来を変えようとする通称歴史犯罪、世界を破壊しかねないその危険な犯罪が10年前から異常発生しそれを食い止めようと政府は僕たちのような極秘警察、歴史犯罪排除課を設立した。

「にしても、これは例のクラッスと言われている謎の組織を潰さない限りこの犯罪はなくなんないと思いますけどね」

紅葉くれは君はあんな組織の存在まだ信じてるのかい?」

クラッスはここ最近出てきた噂のひとつなのだが、情報源がよくわからない、どうも僕達の仕事を邪魔しているようにしか思えない。

「タイムスリップってこの時代になっても1人じゃ難しいことですから、私たちみたいな専門家の協力がないと無理だと思うんですけどね」

「それもそうだがその情報は信用できないあまり気にしないほうが良い、じゃ僕はそろそろ行くねいつも通り視界共有するから無線でサポートよろしくね」

僕は席から立とうとする。

その時紅葉君が大きなスーツケースを机に置いた。

「そんな装備で何しに行くつもりですか?」

紅葉君はスーツケースを開けてその中身をこちらに見せてきた。

その中には大型のハンドガンが入っていた。

「これは?」

僕はハンドガンを取り出し、観察する。

「この前上条先輩、愛銃壊して武器無しでしたから作ってみました、口径はオリジナル品にすると弾をいちいち作るのが面倒なので45口径、マガジンはロングに変更12+1、ロングバレルで弾の飛びを安定、ドットサイトで一応狙いを定められます、有効射程距離は10メートル、あと一応上条先輩の戦闘スタイルに合わせてサプレッサーも着用可能です、セーフティーは二重構造、側面と持ち手に1つずつですね、そして上条先輩がこの前やってたようにグリップにナイフがフィットするように削っておきました」

「なるほどな、1ついいか?名前は?」

「そいつは、もう上条先輩のものですあなたが決めてあげてください」

僕はそれをホルスターにしまって、予備マガジンを受け取る。

「それで、25発です弾切れに注意してくださいね」

「ああ、上条 あおい出る」

ゲートが開く、僕はいつも通り過去に入っていった。


「上条先輩その辺りに目標ターゲットがいるはずです敵を尋問してみては?」

満点の星空、目標ターゲットが死ぬ日にしてはもったいない天気だった。

「今回の目標ターゲットは資料で見たと思いますが説明しときます、過去に何度も行き来し未来を何度も変えている凶悪犯です、現世に連れ帰るかその場で始末してください」

「了解」

廃工場内を僕は、ナイフとまだ名も無いハンドガンを取り出し気配を消しながら進んでいく。

「おい、これで本当に未来を変えられるんだな?」

「ああ、俺を信じろこれも協力者がいるから出来ることだ」

僕は、声が聞こえ錆びた鉄骨の後ろに隠れる。

「その協力者信用できるのか?」

「おう、素性は知らんが俺らみたいな奴でも簡単に過去を変えられるようにサポートしてくれるのさ」

やはり、協力者がいるのか…まあそんなことはわかりきっているんだけどな。

「やっぱり、あの噂は本当でしたか…」

「それはそうとして、あいつが目標ターゲットか?」

「はい、今回はどうやら目標ターゲットが歴史犯罪を布教しているようです、犯罪予防です始末してください」

僕は顔だけを鉄骨から出し2人を観察する。

確かに1人は資料で確認した男だった。

「了解、排除する」

ドットサイトを覗き、足を狙う。

重く乾いた銃声がほぼ2発同時に響いた。

弾は、2発とも2人の足に命中し目標ターゲットではない方の足は弾け飛んでいた。

「ぐぁー!」

「がぁ!」

「動かないでもらえるかな?」

僕は銃口を突きつけ、倒れ込んでいる2人に威嚇する。

「なっ、なんだてめぇ!」

「君たちみたいな犯罪者を処分する始末屋と言ったところかな、さっきの話は聞かせてもらったよ、協力者にどうやってあったのかな?」

「わかった、話す…あのな」

目標ターゲットが口を開いた瞬間2発の銃声が響く、僕はとっさにその場で伏せる。

しかし、その2発の銃声は僕に向かっての発砲ではなく目標ターゲットたちに向けられたものだった。

「くそ!どこだ!」

僕は発砲元を見る。

その時高台に一筋の光が反射していた。

「先輩隠れて!スナイパー!」

無線の声を聞きハッとして再び僕は鉄骨に身を隠す。

「紅葉君、あれは協力者じゃないか?」

「完全に口封じをしに来てますね」

僕は双眼鏡を取り出して、手だけさっきの高台に向ける。

「協力者ロスト、どうやら相手のミッションは口封じだったようです、死体の処理はいつも通り自動でやってくれます…帰還してください」

僕は脱出装置を起動させる。

僕の体は宙に浮き、そのままワームホールに吸い込まれていった。


「奴ら何なんだ!?」

「クラッスが本当にいたようですね…にしても私たちの前であんなに派手に殺るなんて、相当自信があったようですね」

「まあ、これで僕達の存在が組織にバレたってことだな」

僕は大きくため息をつく。

「クラッスの方は僕が調べておきます、それよりそいつは使い物になりました?」

「ああ、僕の手に丁度良い、火力はあり過ぎるがな」

「元々45口径はストッピングパワーを高めるために作られた口径なので仕方がないです」

紅葉君は席を立ち、自分の作業場から1つの資料を取り出した。

「さっそく、新しい犯罪か?」

「いや、違いますよ今回の反省を生かして上条先輩専用のスナイパーライフルを作りたいんです」

僕はその資料を受け取らなかった。

「僕がそんなの見ても何もわからないでしょ?いいよ作りな開発費用は申請しとくから」

「わかりました、上条先輩にぴったりの銃作りますね」

紅葉君はいつも通り、掲示板の横に立ちひらひらと資料を落とす。

僕は資料のサイン枠目掛けてナイフを投擲した。

「一切ぶれませんね?」

「当たり前だ何年やってると思ってる」

僕はハンドガンを取り出しマガジンを抜き、紅葉君に手を向ける。

「へい2発」

「45ACP弾2発のお客様!」

紅葉はいつも通り、弾薬をこっちに投げてきた。

僕はそれをすんなりと受け取り、マガジンに詰め再装填した。

ホルスターに銃をしまい、スマホがなったので画面を開く。

「紅葉君、費用申請できたから開発よろしく」

「相変わらず速いですね政府の仕事は」

僕は胸ポケットから、タバコを一本取り出しマッチで火を付ける。

「ライター使えばいいのに」

「ライターって、何か好きじゃないんだよな」

タバコの煙が今日も換気扇に吸い込まれていく。

僕は新しく手に入ったハンドガンの名前を考えるのだった。

全く書いたことのないジャンルの小説です。

用語などは一緒に調べて勉強していきましょう!

リーラーからでした!

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