其の肆
「で、結局お前らも来たんだな。」
「お互い様さね」
「お、お互い様だね・・・。」
「いや私は・・・、ほら保健委員だから救護要員として呼ばれたんだよ。」
「気になって来たんさね」
「そ、そうだね・・・。」
「・・・まあ、気にならなくは無くもなかったけど。」
「結局、アタシらはこういうのに惹かれちまうのさ」
「で、組み合わせはもう決まってるのか?」
「わ、わたしたち、一緒にしてもらった、よ。」
「ま、リナの様子を確認するにもその方が都合がいいさね」
「こんな状況じゃ、リナとはいえ放っておくわけにもいかない、か。」
「一応、ルートは山道から石垣跡に沿って登って、城跡の案内看板のとこに置いてある紙に名前を書いて帰ってくる、ことになってるのさ」
「だ、だから、名前を書いた後、その、城跡の周りを、さ、探してみたらいいんじゃないかって・・・。」
「そうか、確かに城跡のどこかに行くってことしか分からんからな、ぐるっと探してみるしかないか。」
「それまでアタシたちが無事だったら、の話さね」
「こ、怖いこと、言わないでよトモコちゃん。」
「そんなこと言いながら結局行くあたり、ヨウコは相変わらずだな。」
「それはふたりも同じ、だよ。ほ、ほら、もう順番だよ。行かないと・・・。」
「そうだな。」
「さ、調査開始さね」