表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突鐘の妖  作者: λ
1/6

其の壱

 ―ねえ、知ってる?中学校の裏山にある山城の跡。そこに、突くと幸せになれる鐘があったんだって。ずっと昔に無くなっちゃったらしいんだけど、今でも夜に学校に行くと山の方から鐘の音が聞こえるんだって。ねえ、今度の土曜の夜、探しに行ってみようよ。


「トモコはあれどうするの?」

「アタシはパス」

「ヨウコは?」

「えっと・・・な、何のことかな。」

「ほら、あれだよ。こないだリナが言ってた山城の。」

「ああ、あれか、アタシはパス」

「じゃあお前はさっき何をパスしたんだ。でヨウコはどうするのさ。」

「わ、わたしは、その、ちょっと、リナちゃんて苦手で・・・、ちょっとだけ、ちょっとだけだけど・・・。」

「まぁ、そうだよな。そもそもあいつが好きな奴なんていないと思うぞ。大体、幸せになれる、なんて銘打ってるのに夜にしか聞こえないなんてな。そんなものを夜に探しに行くのはただの肝試しだろ。」

「肝試しさね」

「ああ、肝試しだよな。」

「じゃなくてさっきアタシがパスしたのは肝試しさね、アタシはさ、他の噂も聞いてたから」

「他の噂?」

「その山城の跡で夜な夜な真っ白な妖狐が出るんだとさ」

「わ、わたし?」

「違うヨウコじゃなくて、妖の狐さ、真っ白な狐」

「ただキツネが出ただけじゃないのか?」

「日本に真っ白な狐はいないさね、それに・・・」

『それに?』

「狐は暗闇で青白く光ったりしないだろう」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ