糞ガキ
仕事で身体を壊してから貯金を取り崩して生活している俺の所に数日前、アパートの隣の部屋の女が今日だけだからと言って1万円札1枚と共にガキを押し付けて出かけて行った。
そのガキが午後3時を過ぎた頃に「オヤツは?」と言い出しやがる。
オヤツだと? 貯金を取り崩してギリギリの生活している男の所にそんなオヤツになるような物があるわけ無いだろうが。
だが与えずにいて泣かれるのも騒がれるのも御免だ。
だからスパゲッティの乾麺でオヤツもどきを作ってやった。
オープントースターの皿の上にアルミホイールを敷いてスパゲッティの乾麺をくっつかないように並べる。
スパゲッティの乾麺に手で水をチョイチョイと振りかけてから塩をパッパッと振りかけて、後はオープントースターで焼いただけの物。
焼き上がったスパゲッティをアルミホイールごとガキの前に置いてやる。
ガキはスパゲッティをポリポリと食べ始めたんで聞く。
「美味いか?」
「ウーン……微妙」
って言ってたのに、ガキが今度は1人で俺の部屋に来て言いやがる。
「あのスパゲッティまた食べたいから作ってよ」
あのなぁー、お前にはオヤツかも知れないが、あのスパゲッティは俺の貴重な食料なんだぞ糞ガキがぁ!