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森で ―後編―

今回はあんまり物語は進みません。


 俺達は食べ終わった後、俺が近くにあった川で食器洗いしようとしたんだけど、またもやフレイとアリアが「やります!!」と言ってきて、じゃんけんになったんだけど、これもまたフレイが勝利を治めた。(もしかしたらフレイはじゃんけんが強いのかもしれないな…。)


そんなやり取りをしたした後、俺は戦闘中に感じた疑問をティアに聞いて見ることにした。


「なあティア、このコートどうなってんの??」


「うむ、それはどうやらただの妨魔効果があるコートではない。わらわも最初はそんなはずはないと思ってただのコートだと思っていたんじゃが…」


「じゃあ、なんなんだこれ??」


「それはじゃな、『滅魔の黒衣(めつまのこくい)』じゃ」


「滅魔の黒衣??」


「うむ、なぜあんな小汚い店にランクSSSトリプルエスの魔法具が置いてあったかは知らんが、それは確かじゃ。それは上級魔法でも突破するのは難しい最強の魔法具じゃ」


「魔法を防げる以外にも何かあるのか??」


「それ以外は特にはないと思うぞ。なにぶん昔のアイテムじゃし、わらわも確かなことはわからん」


「そうか、サンキューな」


そう言って俺は頭をなでなでしてやった。

そうするとティアは目を細めてふぅ~と気持ちよさそうにしていた。


「あ、そうだ」


俺は、もう一つの質問をするために、フレイや、フレイに食器洗いを奪われて仕方なくテント設営をしていたアリアを呼んだ。


「作業してたのに呼んで悪いな」


「いえいえ、そんな…」「私はもう終わりましたから」


と順にアリア、フレイが言った(アリアはなぜか顔を少し赤らめていたけど)


「2、3質問していいか?」


「はい」「はい」


「どうしてあの森にいたんだ??」


「それは私が説明します」


とアリアが説明し始めた。


「もともと私たちは、人形とその人形使いの討伐をギルドで依頼されていたんです。私たちはテリッサへ向かう途中、人形使いに出くわして戦闘になったんです。」


「もしかしてその人形使いって――――」


「たぶんわらわ達が倒した人形の主じゃろうな」


「え、本当ですか!?、街の人たちは??」


「残念ながら俺が倒した時は人っ子一人いなかった」


「そうですか…、っと、このままでは話が進みませんね。ええっと…」


「その後は私から」


そう言ってフレイが話しだした


「私とアリアは人形使いと戦い、多少苦戦しましたが、殲滅することできました。その後私は魔力を回復させるために一旦霊体に戻り、私たちは休息をとっていたんです。ですがそこにあの盗賊が現れ再び戦闘になりました。戦闘後すぐだったので私は現界しようにも出来ない状態でしたし、アリアは戦闘の疲れのために十分に動くことができなかったのです」


「そうだったのか」


「ええ、ですから空様には感謝しています」


「そんな感謝されるようなことはしてないよ。たまたま通りかかっただけだし」


「「そんなことはありません!!」」


と、二人声を合わせて言ってきた。


「マジでそんな感謝されることしてないんだけどな…。まあいいや、そういや君達もコトラスなんだろ?、じゃあ、もしかして人形に……」


「いえ、違います体を奪われたのは私だけです」


とフレイが言った。


「は?? どっちも体を奪われてないと契約できないんじゃないのか??」


「そうではありません。基本的に体を奪われた高位な魔術師は自分と魂の波長の合う人と契約できるんです。なのでわたしは魂の波長の合うアリアと契約したのです」


「そうか。じゃあアリアは死んでないんだな」


「はい、じゃあ空様は…」


「ああ、俺は一度体を奪われて死んだよ」


「そうですか…」


「でもティアと契約してもう一度現界することができたんだ」


「そうでしたか、ではなぜお嬢様が完全に現界できてないのですか?」


「それは、わらわと空が――――」


ティアが説明してくれた後アリアが、


「そう言えば、空さんが助けてくれた時に使っていたそのコートってなんなんですか??」


「ああ、これは滅魔の黒衣というもので、上級魔法でも防げるらしい」


「なんと!! あの黒衣でしたか、さすが空様です!!」


いや、盗んだんだけどね……。


「そういやここまでどうやって来たの??」


「徒歩ですけど」「徒歩です」


「はぁああ!? マジすか!?」


「は、はい本当ですけど」


「タフなんですね二人とも…」


「え、じゃあどうやってここまで?」


「あ、ああこれだけど」


と言って俺は近くに止めてあった魔法駆動式二輪車(これからは面倒くさいのでバイクとする)を二人の前に持ってきた。


「ええ!! これって魔法駆動式二輪車じゃないですか!!」


「それがどうかしたのか…?」


「これっていち庶民が買えるほどのものじゃないんですよ!!」


「そ、そうなのか??」


自分はなにぶん盗んだもんでワカリマセン……。


「なあ、ティアいくらぐらいすんの??」


「うむ、だいたい10万ラムぐらいかのぅ。まあ場所によっては庶民でも買えるぐらいの所もあるがのぅ。まあここラルグニア共和国はそのぐらいが相場じゃ」


「えーと、いち、じゅう、ひゃく……一千万!!??」


「う、うむ。そちの国ではそうじゃろうな」


「マジすか!? 返してこようかな、ばち当たりそう」


「わらわはむしろ使ってくれたほうが嬉しいと思うのじゃがの」


そんなやりとりをしているとアリアは物珍しそうに俺のバイクを見ていた。


「フレイは驚かないのか??」


「はい、私も一応貴族でしたし、武人でもあったので」


「そっか、ああ、そう言えば俺は異世界から来た奴なんだ」


「ええ!?」


「はい、そうですね」


と、かなり驚いているアリアは分かるのだが、落ち着いているフレイはなんで??


「なあ、フレイはなんで驚かないんだ?」


「それは――――」


「それはじゃな、わらわ達は高位な魔術師と言ったであろう?」


「ああ」


「わらわ達は対象の物の魂の質を見ることができ、その者の性格、性質、生い立ち、過去などを見ることができるのじゃ」


「なるほど…、だからティアとフレイは俺が何も言ってないのにこの世界に初めて来たことを知っていたのか」


「うむ」「はい」


「あわわ、い、異世界……」


と一人置いていかれているアリアがかわいそうになってきたので俺は事情を説明してやった。


「そうだったんですか…、大変でしたね」


「まあな、でも俺一人じゃないし、ティアもアリアもフレイもいるし、まあ寂しくはない。てかむしろ楽しいよ」


「うむ、わらわも楽しいぞ」「は、はい私もです」「わたしくもです」


三者三様の反応だがみんな同じようでよかった。

まあティアが見るものを一瞬で落としそうな笑顔で笑っていたり、アリアが上目遣いでみてきたり、フレイがみんなが穏やかになりそうな微笑を向けてきていたのはまた別の話である。








◇◆◇◆◇◆








 「さて、そそそろ寝ますか」


「はい」「そうですね」


ちなみに今ティアは霊体に戻っていて架空の空間で寝ている(霊体でも寝れるんだ…)


「俺が見張りしとくから寝てていいよ二人とも」


「いや、いいですよ」「はい、おねがいします空様」


「えっ、フレイさん?」


「アリア、私達は人形使いや盗賊とのたび重なる戦闘で魔力が不足しています。今は空様の言葉に甘えさせて貰って魔力を回復させるのが先決です」


「で、でも…」


「いいんだよ、俺はこういうの慣れているから」


「じゃ、じゃあお言葉に甘えます」


「はいはい」


そういってアリアとフレイはテントの中に入っていった。


俺は二人の姿を見届けた後、適度に高い木飛び乗り、背中を木に預けて気配を探っていた。


はあ、まさかこんなことが役に立つ日が来ようとはな。こんなことをしたのは、じいちゃんとの訓練ぶりだな。


そういや、いまごろ蓮や母さんはどうしてるかな?

俺が家族を守るって親父が出て行った時に二人と約束したのにな……。


「落ち込んでおるのぅ」


と、ティアを起こしてしまったらしく、ティアが現界して喋りかけてきた。


「おっと、起こして悪いな」


「いいのじゃ、わらわが勝手に起きたようなものじゃ。それより、空はやっぱりもとの世界に帰りたいのか??」


「まあな、残してきた母さんや妹が心配だ」


「そうじゃな…、わらわが完全に力を取り戻せば、空を元の世界に戻せるかもしれんのに…」


「いや、ティアは何も悪くないよ、それに今は体を取り戻すのが先決だろ??」


「うむ、そうじゃな。でも辛くなったらいつでもわらわに言うんじゃぞ」


「ああ、わかった」


「うむ、わらわは空の味方じゃ」


そう言うとティアはニコッと笑ってきてくれた。


「サンキューな、少し気持ちが楽になったよ」


「それはよかったの」


俺はお礼に頭をなでなでしてやった。


「ふぅ~、ちょっとくすぐったいのぅ」


「嫌か??」


「ううん、嫌ではない」


「そっか」


俺はティアの気が済むまでそうしてしばらくそうしていた――――。








◇◆◇◆◇◆








 朝、俺はいつもの通り準備体操などをして、実践向きの格闘練習や、ツインゲベアの整備、空撃ちなどをしていた。


「よし、今日はこれで終わり」


「お疲れさまです、はいどうぞ」


「あ、ああ…、ってうわ、いつの間に」


俺の側にはいつの間にかアリアが起きてきていて、タオルを差し出してくれていた。


「そういえば、空さんってなにかしてたんですか??」


「ああ、これは昔じいちゃんに教わったんだよ」


「そうでしたか。あ、見張りありがとうございます」


「ああ、いやいいって。俺はこういうのは慣れてるから」


「空さんってなんでもできますね」


「なんでもじゃないさ。っと、お腹すいたから朝ご飯にしようか」


「そうですね」


俺とアリアはその後朝の準備をしてティアやフレイを起こしに行ったんだけど、二人とも朝は弱いらしく、目をゴシゴシしていた。


俺らは朝ご飯を食べた後、さあ旅にでようとしたんだけど……。


「わらわが乗るんじゃ」「いえ、そこはお嬢様でも譲れません」


と二人でケンカになってしまった。

というのもアリアは霊体になれないのでバイクに乗るのは確実なんだけど、『前がのれるではないか』とティアが言い出して、フレイが『それなら私が』と言ってこうなった。


「おいおい、二人ともケンカすんな。ジャンケンな」


「空がそう言うなら…」「仕方ないですね…」


まあ結果は言わずと分かると思うが当然フレイの勝ちなわけで。


「じゃあ、行くか」


「はい」「はい」


『うう、わらわが乗りたかったのに…』


ブォォォオオオン、ブォォォオオオオン!!

けたたましい音を鳴らしながらバイクは発進した。


「うわ~、風が気持いですね」


「同感です。初めて乗りましたがいい物ですね」


と言って二人はバイクを楽しんでいたんだけど、俺はというと後ろから抱き着いてくるアリアの胸が当たっていたり、俺の前に座っいるフレイの髪の香がよかったりして、着くまで大変だったのは、これもまた別の話である。



そうして俺達は最初の国へと足を進めたのだった――――。




どうだったでしょうか。

毎度読んで頂いている方、いつもどうもありがとうございます。今回が初めてという方、見て頂きありがとうございます。

今回は学校が入試試験ということで休みになり、早めに更新できました。(まあ、どうでもいいですね)

引き続き感想、誤字脱字の指摘、アドバイスなどをお待ちしています。

では、次回また。


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