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紅き鎖と必中の弓

すみません、だいぶ遅れてしまいました・・・・・。

20話です。


「誰もいないな…」


『いないなのう…』


「いませんね…」


「ええ、誰も…」


今俺達はギルドのお姉さんから紹介で問題であるカアル鉱山の麓の近くにあるスラス村に来てみたんだけど、

村は殺伐としていて、壊れた家や、所々に血痕や、削れた地面があり、なによりどんよりとした空気が漂っていた。


そして周りを見回してしてみても当然のごとく人っ子一人いない。


といういうよりも、『およそ生の気配がしない』と言ったほうが正しい。


「これは…」


『もうすでに喰われた―と言ったほうが正しいのう』


「そうですね…」


「私達がもう少し早かったらあるいは…」


そう言って、アリアとフレイは居た堪れなさそうな顔をした。


「じゃが、わらわ達が悔やんだところで無くなった命が帰ってくるわけではないぞ」


そう言ってスゥっとティアが姿を現した。


「今やるべきことはせめてもの償いに人形使いを倒すことじゃ。じゃがもちろんそれはただの自己満足じゃし、本来の目的はシーヴェン(闇照らす七つ星)の獲得じゃがのう」


「そうですよね、ここで挫けていても何もかわりませんしね」


「お嬢様の言う通りですね。それがせめてもの償いとなるのなら」


「ああ、そうだな。このままこうしててもアレだし、早速だけど行くか」


そうして、俺達はカアル鉱山へと足を進めた。








◇◆◇◆◇◆◇








 そして俺達はカアル鉱山へと足を進めると途中近くに森があり、そこで一旦立ち止まった。


「止まるのじゃ…」


「? どうしたんだティア??」


「結界じゃ」


「結界…??」


「うむ。とはいってもこんな物わらわ達にしてみれば抜け穴だらけの欠陥品じゃ。張ったものの力量が窺えるわ」


「そうですね、ですがこの程度の力量ならわざと引っかかったほうがいいかもしれませんね」


「え? なんでですか??」


「あえて弱い結界を張っているという可能性も勿論ありますが、コトラスが四人ならまず負けることはないでしょう。それに敵が侵入者に気づいて集まってくれた方が好都合です」


「一気に叩けるってことか? だけど大丈夫なのか? 確かに俺達の力量ならいけないこともないけど、多人数戦は一騎当千ぐらいの力が無い限り、あまりしないほうがいいんだけど」


「いっきとうせん…、ですか??、それがどのような物かは分かりかねますが、心配しなくても大丈夫ですよ」


そう言ってフレイは呆気からんとした表情で返した。


「心配ない? なんか策でもあるのか?」


「いえ、何も。私はただ“捕らえる”だけですから」


「捕らえるって何が――っ!!」


フレイに聞こうとした瞬間、俺は嫌な気配を感じ取って、気配のする方を向いてみると、すでに5体のLv.1とLv.2が一体いた。


「ちっ!!」


俺は舌打ちをしつつも、虚空からツインゲベアを出した。


「ふむ、意外と気づくのが早かったのう」


と言ってティアは石ころを見るような目で人形達を見た。


「アリア」


そうフレイがいうと、アリアは『はい』と言って木の枝に飛び乗った後、木から木へと素早く飛び移って、遠くへ姿を消して行った。


俺はアリアの姿が消えたのを合図に足を踏み出しながら、目の前に居る3体のLv.1へ向けてゲベアを放った。


すると頭が消し飛び消滅し、残りは2体のLv.1と一体のLv.2となった。


続けて俺は残りのLv.1二体に向けてゲベアを放ち、消滅したのを見届けつつ、コッチにナイフで斬りつけて来ているLv.2へ向かいながら体を傾けてナイフを避けつつ、魔力で足を強化して懐に飛び込み、左の方のゲベアで頭へぶっ放した。


するとすぐに消滅した。


「ふぅ、これで終わりってわけにはいかないか…」


そうして辺りを見回すとすでに5、60体ほどの人形に囲まれていて、ティアもあの白い二振りの剣を出していた。


「まあ村一つ喰らったんじゃ、まだまだ出て来て当然じゃろうな」


「そうですね、では…、いきます!!」


そう行ってフレイは人形が最も密集しているところに突っ込んで行った。


走り出して、迫りくる人形たちの頭上に反転しながら飛び上がったかと思うと、片手を突き出して呟いた。


「捕縛せよ、ガーディン・チェーン(守護者の鎖)!!」


シャリリリリリッ!!


瞬間、


   すべての動きが止まった――――









◇◆◇◆◇◆◇








 「なっ!!」


俺は目を見張った。


というのもフレイが呟いた瞬間、フレイの背後、人形達の左側、俺の左側、と四方八方あらゆるところから、虚空が歪んだと思ったら突然紅く輝く鎖がでてきたからだ。


そうして全てが静止していた。


フレイに飛びついて斬りつけようとした人形、フレイに何かをなげようとしている人形、俺やティアに迫っていた人形、その全ての動きが止まっていた――否、縛られていた。


「グガ、ガ、ガガ…」「ガガ…」「ガガググ…」


人形達は苦しそうな声を上げ動こうとしているが“縛られ”ていて動けない。


「無駄ですよ、その鎖は切れませんし、壊せません」


そう行ってフレイは地面に静かにスッと降り立った。


「――それに、あなた達は終わりです」


フレイがそう言った瞬間、


シュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュシュン――――!!!!!!


と遥か彼方から紅い線が風を切りながら俺達の横や頭上や間をすり抜けて人形達へ降り注いだ。


ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッッ!!!!!!!!!!


とすさまじい音をながら“人形達に一つもはずすことなく”命中した。


「くっ」


「むっ」


と俺とティアは土煙を防ぐために片腕で目を覆った。


そして目を開けてみるとそこには削れた地面しかなく、一瞬にして縛られていた人形達は消滅した。


「なっ!? 今のは…?」


「これで粗方片付きましたね」


「これはフレイがやったのか?」


「いえ、私はこれで縛ったに過ぎませんよ」


そう言ってフレイは虚空から再び紅い鎖を取り出した。


「なるほど、それがそちのフィール・ウィングかのう?」


「ええ、これが私の武器、ガーディン・チェーン(守護者の鎖)です」


「これがフレイの・・・・」


鎖は紅く輝き、先の方はフレイが握っていて、彫刻の施された手に握れるほどの丸い球が付いていた。


「みごとな鎖じゃな。してあの“紅い矢”は誰の武器なのじゃ??」


とティアがフレイに向けて言うと、フレイは少し驚いたような顔で


「流石ですね、あれを見切るなんて」


そう言って、大きな黄色と黒に装飾された弓を携えてアリアが木から降りてきた。


「なに、あれぐれい目を強化すればなんてこともない」


そう言って、ティアは剣を虚空に仕舞って、腕を組んだ。


「それが、アリアの武器か?」


「そうです。ええっと空さん、あの…一応避けて放ったんですけど、どこか怪我とかありますか??」


「ああ、大丈夫だよ」


「ほっ、そうですかよかったです」


そう言ってアリアは胸をなでおろして、ニコっと笑った。


「わらわの心配はしないのかのう…?」


「ふぇっ!! ご、ごめんなさい!! ティアさんも大丈夫でしたか!?」


いかにも不機嫌そうな顔を貼り付けたティアがアリアに呟くと、アリアは驚いて、ペコペコと謝った。


「ふんっ、大丈夫じゃ。それよりそれがそちの武器かのう…?」


「へっ?、は、はいそうですけど、ええっと…イークロニアス(賜りし必中の弓)といいます」


「へぇ、それがアリアのか… じゃあ、さっきのは本当にアリアが?」


「はい、そうですよ」


「そうだったのか、アリアって実はやれば出来る娘だったんだな!」


そう言って俺が笑いかけると、


「そ、そうですか?? えへっ、なんだか照れますね…//」


アリアは頭を掻きながら、頬を少し赤く染めた。


そうしてアリアと和んでいると、ティアが


「むむっ、空!! これからどうするのじゃ!?」


「あ、ああっ、そうだったな……というかなんでお前そんなに怒ってるんだ?」


「お、怒ってなどおらん!! わらわはただ気を緩めておった空を叱咤しただけじゃっ!!」


そう言ってティアは頬を染めてプィッと顔をそむけた。


「そ、そうか……(そんだけでこんな怒るかな?)」


「ふふっ」


「ん? どうしたフレイ?」


俺がティアと話していると、何故だがフレイが微笑んでいた。


「いえ、なんでもありませんよ。ただ…」


「ただ??」


「いえ、なんでも。それより作戦でも立てましょうか」


「あ、ああ、そうだな」


上手く誤魔化されたようで、腑に落ちない空だったが、時間もなかったから仕方なく話し合いを始めるのだった――――。



どうもです守月です。

いつものことながら、更新遅れてしまって大変申し訳ございませんでした。

しかも今回は一話構成でこの話を終わらせるつもりだったのですが、後1、2話分ぐらい必要になってしまいました・・・・・。

それと、おかげさまで5万PV、1万ユニークアクセス突破しました。

今後とも、応援よろしくお願いします。

では私からはこれくらいにして、いつものコーナーへ行きましょう。


守月「はい、ということで今回のゲストは!!」


蓮「蓮で~す!!」


守月「そう、前回に引き続き蓮ちゃんに来ていただいてます!!」


蓮「守月さん、じつは遅れたこと反省してないでしょ・・・・??」


守月「そんなことないですよ、ただテンション上げないとプレシャーで押しつぶされそうに・・・」


蓮「そう、ならよかった♪」


守月「ひどっっ!!」


蓮「まあそれは置いといて、今回はフレイさんとアリアちゃんのフィール・ウィングだったけどすごかったね~」


守月「ええ、そうですね。名前から武器の構成。大変作者も頭を悩ませましたよ~」


蓮「大した頭ないのに・・・・(ぼそっ)」


守月「今何かいいましたか!?」


蓮「んん、なんでもないよ。ああっ、もう時間だ~」


守月「ん、そうですね。では蓮ちゃん最後に」


蓮「はいはいっと。え~っと、この小説をお読みの皆さん本当に有難うございますっ。毎度のことですけど、誤字・脱字の指摘、アドバイス、感想などをどしどし、お待ちしてますのでよろしお願いしますね」


守月「よろしくお願いします、ではまた次回に」


蓮「次回にね~」



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