いつもの日常
その日は本当になんともない普通の一日だった。
朝の2時半に起床して学校に行く準備をした後、黒のジャージに着替えて新聞配達に行き、
その後いつもの公園で筋トレ・武術の練習(じいちゃんに教わった)をして、6時半ごろに家に戻る。
そんな朝が楠巳空 (くすみそら)のいつもの朝だった。
「ただいまー」、「はい、おかえりなさい」
迎えてくれたのは母さんだった。リビングに行くと、朝早いというのにもう朝ご飯が用意されていた。
「え、今日は母さんが作ったの?」
「ええ、そうですけど」
「わざわざ、母さんが作らなくても俺が作るのに」
「いいえ、まかせっきりでは空くんもきついでしょ?」
「そんなことはないよ、まあでもありがとう」
「はい。さぁ、召し上がってください」
「じゃ、いただき――――」
ばん!! どたどたどたどたどた……、ばん!!
「ああーー、もう朝ご飯用意されてる!! あたしが作るつもりだったのに!!」
とまぁ、荒々しく入って来たのが妹の楠巳蓮 (くすみれん)であって、俺のただ一人の兄妹である。
「おはよう、蓮ちゃん」
「おはよ、てか朝から騒がしいぞ、蓮」
「おはよう……、だって今日はあたしが作るつもりだったのに寝坊しちゃったんだもん」
「別いいのよ、今日はお母さんちょっと遅くに出れるから」
「で、でも、お母さんいつも夜遅くまで仕事して疲れているのに……」
「大丈夫よ、このくらい。さあ、ご飯食べましょう」
「うん、いただきますー」「いただきます」「いただきます」
そうして楠巳空の一日は始まるのだった。