表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/22

魔法具を求めて

大変遅くなりました十九話です。

 「な、ないのですか…!?」


「はい、申し訳ありません…。そのような魔法具は置いておりません…。なにぶんウチは資金不足でして、入荷も厳しい状況でして…」


「そうですか……」


「はい、すみません」


「い、いえ…」


そう言ってフレイは中年の痩せた商人に挨拶すると、少し残念そうな顔をしたまま店を出た。


「どうだった――ってその様子じゃ駄目だったたか」


「はい…」


今、俺達といっても俺とフレイ(ああ、ティアは霊体化していたか)は魔法具を売っている店に来ていた。


なぜそんな所に来ているかというと先日フレイが魔法を使えるようにしてくれた時、フレイの不注意で(俺はいいって言ってるけど)火傷しかけたお詫びということで、ちょうど必要としていた抗魔力を上げる魔法具を買ってくれるということになったからだ。


そしてそのために今日は二人で魔法具を取り扱っている店へと来たのだった。


しかしながらフレイのお目当ての魔法具が見つからないらしく、これでもう4軒目になるのだが、どうやらこの店にもなかったらしい。


「なあフレイ、お前が探してる魔法具って何なんだ?、結構この国じゃそれなりの所まわってみたけど、置いてあるどころか、入荷も難しいって…」


「私が探している魔法具ですか? ええっとですね、シーヴェン(闇照らす七つ星)です」


「シーヴェン(闇照らす七つ星)?」


「はい、空様の抗魔力を上げることももちろんですが、この魔法具にはありとあらゆる穢れたものを祓い、その所有者の身を清めてくれる効果があります」


「すごいなそれ…、ん?、ちょっと待った。フレイ、その魔法具のランクはどの位だ?」


「ランク、ですか?、そうですね…質や量にもよりますがSランク、もしくはAAAトリプルエーランクですね」


「……は?」


俺は少し理解不能になり、思わずそう漏らしてしまった。


「どうかされましたか、空様?」


そう言ってフレイは不思議そうな顔で尋ねてきた。


「いやどうかされましたかって…、え、Sランク!?」


「はい、そうですがどうかしましたか?」


「いやSって…、そこまで高ランクの魔法具は必要ないと思うぞ。第一たかが焼けどしかけた位でそんな物もらっても困るんだけど…」


「いえ不注意とは言っても私の不手際ですし、それにこれは値段や価値がどうこうという話ではなく、気持ちの話ですから」


「いやでもな…」


「大丈夫ですよ、これでも貯金が趣味なのでお金の心配ならしないで下さい」


「そこまで言うなら任せるけど…、フレイちなみにその貯金ってどのくらいあるんだ?」


「貯金ですか、それはですね――――」


そう言ってフレイは背伸びして俺の耳の所まで口を寄せるとその額を言った。


「うんうん…、えっ…、あ、はぁぁぁあああああ!!!???」


「そ、空様声が大きいですよっっ」


ちょっ待、ビル○イツ超えるって何?、てかもはや国家予算かよ!!


「ゴメン、ちょっと理解が追いつかなかった…。まあお金は心配ないとしても実際にものがないとな」


「そうですよね…」


とフレイがガックリと肩を落としているから励ますことにした。


「ま、まあでもまだ時間はあるし、それにないと決まったわけでもないから探してみようぜ、な?」


「そうですね、有難うございます空様」


そう言ってにっこりとフレイは笑った。


そして俺達は気を取り直して探し回ることにした。








◇◆◇◆◇◆◇









 「ないです……」


「ないなぁ……」


あれから俺達は魔法具が売っている店を渡り歩いたのだが、一つとして見つけることができなかった。


「はぁ…、どうしてないんでしょうか…」


「やっぱ田舎だからじゃないか??」


『それは違うと思うぞ空』


「ん、ティア起きてたのか?」


『うむ、ついさっきのう。しかし妙じゃのう、確かにこの国は辺境の国じゃが商人の中継地としても栄えているはずじゃが。それにわらわも見ていたがホーリークリスタル(聖なる結晶)さえもないのは流石に変じゃ』


「ホーリークリスタル(聖なる結晶)?」


「シーヴェン(闇照らす七つ星)の素材ですよ空様」


『うむそうじゃ、さっきから聞いていたがどうやら金の問題だけではないようじゃしのう』


「どういうことだ?」


『空、どの店主も“仕入れが厳しい”といっていたのを覚えておるかのう』


「ああ、それがどうかしたのか??」


『しかしのどの店シーヴェン(闇照らす七つ星)はないものの、品揃えはそれなりじゃった、これが何を意味しているかわかるかのう??』


「シーヴェン(闇照らす七つ星)以外ならそれなり揃っていた…?、どういうことだ…」


「それにホーリークリスタル(聖なる結晶)もない…。つまりはなんらかの要因でここに来る物の値段が上がったということですか…??」


『正解じゃフレイ。おそらくは流通の段階でなんらかの阻害があったかもしくは…』


「原料となるホーリークリスタル(聖なる結晶)が掘れなくなった…?」


『うむ、正解じゃ空。そうと分かれば、ギルドに行くかのう』


「ギルドに?」


「そうですね、問い合わせればなにか分かるかもしれませんしね」


『うむ、フレイ、アリアを読んでくるのじゃ、わらわと空は先に行っているから』


「わかりました」


『それじゃ行くかのう』


そう言って別れた俺達はギルドへ向うことにした。







◇◆◇◆◇◆◇







 「ようこそ、ギルドへ。今日はどういったご用件ですか??」


と毎度丁寧な態度で対応してくれるのは毎度おなじみの受付の人だ。


「ええっと、今日は聞きたいことがあって来たんだけど」


「はい、何でしょうか??」


「ここ最近かどうかはわかり兼ねますが、シーヴェン(闇照らす七つ星)もしくはホーリークリスタル(聖なる結晶)の値段が上がったことについて何か知りませんか?」


「シーヴェン(闇照らす七つ星)とホーリークリスタル(聖なる結晶)ですか?? うーんとそうですね、少々お待ち下さい」


そう言って受付の人は奥に入っていくと、しばらくして何枚かの紙を取り出した。


「関連のありそうな依頼でフッチェ街道に出没する盗賊。これは直接的原因としては薄いですね…。次にヌスエの森に現れる魔物ですがこれはすでに討伐されています。そしてこれが一番関連性が高いのですが…カアル鉱山に人形使いが現れたという情報です」


「人形使い…?」


「はい、あくま噂なので情報の真偽はわかり兼ねますが、ここ一帯だけでなく他の地域でも値段が上がっているので可能性はあると思います」


「そこってここからどの位離れているんですか?」


「そうですね…、大体徒歩で4日ほど、馬なら2日ぐらいのところですね」


「じゃあ、バイクで一日くらいか…、えっとそこまでの地図とかある?」


「はい、ございますよ」


そう言って受付の人は奥まで行くと地図をくれた。


「ありがとう」


「いえ、ですがこれは依頼でもありませんし、あくまで噂なので行く場合は気をつけてくださいね」


「はい、わかりました」


俺達は地図を受け取ると宿屋に一旦戻り、話し合ってみることにした。








◇◆◇◆◇◆◇










 「――というわけだけど、フレイどうする?」


「そうですね、行く価値はあると思います。シーヴェン(闇照らす七つ星)のことももちろんですが、人形使いが出たという噂も気になりますし」


「そうじゃの、シーヴェン(闇照らす七つ星)に人形使い。噂が真ならば一石二鳥じゃしのう」


「アリアはどうだ?」


「いいと思いますよ。でもソクラウムさんとの約束はいいんですか??」


「ああ、それなら遅くなったら待ってもらえるように受付に伝言を残してきたから大丈夫」


「なら大丈夫ですね」


「うむ、それでは特にやることもないし、今から行くかのう。いまからなら明日の昼ごろには着きそうじゃしのう」


「は?、今から」


「そうじゃがどうかしたのかのう?」


「夜通し走らす気か!?」


「うむそうじゃ。別に大丈夫じゃろ??、空じゃし」


「はぁ…、わかりましたよ、走ればいいんですよね…」


「うむ、わかればいいのじゃ、わかれば」


そう言って腕を組んで満足そうな顔をした。


「空さん、ファイトです」


そう言ってアリアは拳をぎゅっと握って励ましてくれた


「お手数かけます…、空様」


とフレイは申し訳なさそうに。


「仕方ないか、さてと準備でもするか」


そう言って俺はこの世界に目覚ましガムとかあったかなと思いながら準備をすることにした――――。



大変遅くなってすみませんでした、守月です。

今回は軽く終わらせるつもりだったのですが、書いているうちにどんどん面倒な方向へ・・・・・・。

それはまあ、それはいいとしていつものあのコーナーへ


守月「さて、今回お越し頂いたのは・・・・・」


蓮「蓮です、お久しぶり~、みんな覚えてたかな??」


守月「そう、空くんの妹蓮さんです、パチパチ」


蓮「ねえねえ、守月さん。守月さんは私のこと覚えてたよね??」


守月「もちろんですよ(設定資料を見直したのは俺だけの秘密だけど・・)」


蓮「よかった~、ねえねえ私っていつ登場するの??」


守月「ん~と・・・・、結構後、かな??」


蓮「ええっ!!、私お兄ちゃんに会いたいんだよ!?、それに私妹キャラだよ!?、なんで早くに出さないの!?」


守月「ん~設定上・・・?」


蓮「そんなぁ・・・、いつになったらお兄ちゃんに会えるの・・・??」


守月「必ず会えますよ。割と最終回辺りに・・・・(冗談)」


蓮「ふぇ!!、私主要ヒロインじゃないの!?」


守月「冗談ですよ、でもそうですね、出るまで期間があるのは本当ですから作者も忘れるといけないので、2、3回にここに呼ぼうと思っています」


蓮「ほ、本当・・??」


守月「ええ(主に妹キャラ愛の人たちに殺されかねないので・・・)」


蓮「やった!、じゃあ次回予告するね」


守月「え、まだ書いて・・・・」


蓮「次回、炎の鎖(予定)、お楽しみに!!!」


守月「ああ、もう勝手に・・・」


蓮「それでは皆さん。この小説に関する感想、アドバイス、誤字脱字の指摘などよろしくね♪」


守月「僕からも宜しくお願いします(特に感想とか、感想とか、ああやっぱり感想とか・・・・・・・・)」


蓮「じゃあ、また次回ね!!」


守月「それではみなさんまた次回まで」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ