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兄が届けてくれたのは  作者: くすのき伶
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ハルとタカの2日目

翌朝、陽の光で目を覚ましたハル。



昨晩は22時には寝たというのに、起きたのは昼をまわっていた。


久しぶりにぐっすり寝たせいか、長旅で歩きすぎた影響か分からないが、体の節々が少し痛かった。

けれど、頭はとてもすっきりしていた。



こんな気持ちの良い目覚めは久しぶりだな、なんて思いながらハルは昨日いた場所へ行く準備をはじめた。



身支度中、タカのことを考えていた。



さすがにお昼をまわっているし、もしかしたらタカは一度来て帰ってしまったかな。

にしても、これが旅マジックなのか。いくら旅先でテンションがあがっているとはいえ、見ず知らずの男に話しかけるもんなのだろうか。やっぱり怪しい人物では?



急に疑問が湧き上がってきた。



「けど、人として違和感は何も感じなかったんだよな〜」



そう考えながら、ハルは宿を出た。



昨日の場所へ向かい歩いていき、また歩く度に視界が海で埋まっていく。



少しの茂みを抜けて昨日の場所が目に入ると、思わず声が出た。



「あ……」



タカが座っていた。



ハルの足音に気付いたタカがこちらを振り向く。


ニコっと笑い座ったまま軽く会釈したタカ。



「おはようございます」



「あ、おはようございます。もう昼なんでこんにちはですね。待たせちゃったみたいですみません」



「いやあ全然!僕から誘ったし、時間も決めてませんでしたし」

ニコニコしながらタカは答えた。



本当に不思議な人だな、と思いながらハルもその場に腰を下ろした。



タカはハルをじっと見つめ

「ハルさん来ないかもな〜ってことも考えて誘ったし、ここからの景色、何度見ても最高なんで。でも本当に来てくれて、嬉しいです」


満面の笑みでそう言った。



その笑みにつられたハルが笑顔で会釈した。



「昨日はよく眠れましたか?」タカが聞いた。



「え、あ、はい。ぐっすり寝ちゃって。僕昨日すごく早く寝たのに、起きたの昼過ぎで」

ハルが笑いながら答えた。



「あはは。疲れてたんでしょうね」

タカは笑いながら、視線を下に向けて言った。



「ハルさんがぐっすり寝れたのならよかったです。聞かれてないけど、僕もかなり眠れましたよ!」


「ああ、そうなんですか。それはよかった」

ハルも微かに笑いながら答えた。



「旅って歩くからすぐ疲れちゃって。も〜爆睡。もう若くないな〜なんて思いますよ〜」



「え、タカさんて歳いくつなんですか」



「僕31です」

 



「31……」




ハルは、兄と同じ年齢だ、と思い少し反応した。


「えっ、31なら全然若いじゃないですか笑 って、タカさんより若い僕が言うのもなんかおかしいですけど」



「あはは。僕は頭を使うとすぐに疲れちゃって。気力というか、気持ちというか」



「それは少し分かるような。精神的な疲れはけっこうこたえます」

ハルが海を見つめながら言った。



「ハルさんのお兄さんの話をもっと聞きたいところだけど、今日は僕の話も聞いてほしいなーなんて思ってて」



「え、あ、はい。どうぞ」



「誘っておいて"今度は俺の話を聞け"ってウケますよね」



「いや、そんな!旅の影響と思うことにします」

ハルが思わず声を大きめにして笑った。



「ハルさんは良い人そうだ。ほんとそっくりだよ」



「え?」


どういうこと?と聞きたそうなハルの表情を、タカはチラッと見た。



「すごくおかしな話をしますけど、たぶんハルさんなら、共感はしなくても理解はしてくれるんじゃないかなって思うのでお話ししたくて。 僕ね、たまに勘が妙に冴えることがあるんです。正確に言うと勘じゃないんだけど」




「え……」




「ハルさん。ハルさんも、そういうことないですか?」

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