TGJC mission file 4.5:target<正直ただの筆休め>
もしかしたら日常系の小説書くの苦手かもしれません。
時は多少遡り、タツミ休職中。
五月中旬。
ユイナが寝てひと段落したころ。
「修学旅行……?」
ソファーでせんべいを貪りながらテレビを見ているタツミ。
「う、うん。再来週から三泊四日で沖縄に……」
「おう、楽しんで来い。それとも何か問題でも? スーツケースとかなら俺の部屋に防弾使用の特注品があるし、その他小物もそんな高価なものでもないだろ」
「だ、大丈夫? ごはん食べれる? 洗濯物出来る? 起きれる? ベッドから出れる? 歩ける?」
「馬鹿にしてんのか……?」
タツミはソファーから転がり落ちた。
「本当に大丈夫?」
「あぁ。それに、その三日間、俺とユイナは旅行に行くからな」
「へ?」
「仕方ねーだろ。俺は一応休みもらってっけど、あいつも学校あるしお前の送り迎えもしてるわけだし。たまにはあいつ連れ出してやんねーとしょげちまうからな。『カオリちゃんばっかパパを独占してずるい!』って言ってたからな」
「ま、まぁそっか。行先は?」
「決めてない。実は俺達も沖縄考えていたんだがなぁ。そうかぁ修学旅行先を先に見ておくのはどうなんだ? どっか別の場所に変えたほうがいいのかなぁ」
カオリは少し悩んで。
「ユイナちゃんの中学三年生の修学旅行は確か京都だよね。その先の修学旅行は選ぶ高校によって変わるからあまり気にしなくてもいいんじゃないかなぁ」
すると、タツミは大きなため息をついた。
「はぁ。高校かぁ。俺は立派に保護者やれるんだろうか。あいつは勉強の事とかはあまり困ってなさそうだけど、高校見学とかには付き合ってやりたい……というかあいつ高校どうすんだ? もう一年半後には受験だぞあいつ」
「それは彼女に直接聞いてみないと何とも……」
「ぬーん。俺あいつが『パパの洗濯物と一緒に洗わないで!』って言い始めたら俺は寝込む自信があるぞ」
「そんな大げさな……まぁ、血まみれの服とかと一緒に洗濯しないでって意味なら言われるかもだけど……」
「あいつの進路か……。できるだけ自由に選ばせてやりたいけどな……。精神疾患による精神成長障害のあいつに無理に迫ってストレスを与えたくない。あいつ中身はまだ小学生低学年から高学年くらいだからな」
「そう考えていて、あの子を心配に思うなら絶対に命を投げ出すような行動はしない事ね」
「確かに……今の俺には守るものが多々あるからな。前はいつ死んでもいいと思ってたんだがな。全く、困ったぜ」
タツミは溜息をついて天井を見上げる。
「あーあ。こんなんじゃだめだなぁ。俺はこんな考え持っちゃいけないんだ。誰かを守りたいとか、帰る場所があるからまだ死にたくないとか……」
彼の言葉を聞いたカオリが抱きしめる。
「別に良いんじゃない? タツミ君は確かにいっぱい殺しちゃったり倫理的に悪いことをしたりしてるかもだけど、それでもタツミ君は一人の人間の十八歳の男の子だもん。いつだかは忘れちゃったけど前も言ったよね。自分を兵器だと思わないでって。もっと自分を大切にして。本当の兵器っていうのは、壊れたり使えなくなっちゃったら捨てて新しいものを使うの。でも、タツミ君はタツミ君。執行官さんたちも、ユイナちゃんもお姉ちゃんもタツミ君を簡単に捨てたりしない。もしタツミ君がいなくなっちゃったらとっても悲しむ。私ね、本当は戦場なんかに出てほしくない。前言ってたよね。俺が戦場に出るのはお前達に極力危険な戦場を避けていってほしいからだって。それはタツミ君が、もしみんながいなくなっちゃったら嫌だからでしょ? なら、その逆もちゃんと考えてよ。タツミ君の周りの人たちが悲しまないとか、心配じゃないとでも思っているのならば今すぐにでも考えを改めるべきよ」
話すにつれてだんだんと震え、弱弱しくなっていく彼女の言葉。
タツミに伝わる彼女の体温。
「ごめん」
彼はカオリをどかして立ち上がり部屋へとこもってしまった。
「私じゃダメなのかな……」
彼女はソファーで一人悲しんだ。
だが事実は違う。
「参ったな……」
カオリから伝わる体温はまるで、氷で覆われていたタツミの心を優しく溶かしてくれているようだった。
しかし、それと同時に激しい罪悪感にさいなまれた。
一瞬でも自分を人間だと認識してしまったこと、今まで周りだけを考えてきた自分の行動が逆に自己中心的なものになっていたという事、そして、カオリにあんな顔を刺せてしまったこと。
タツミの脳裏に今にも泣きそうなカオリの顔が映し出される。
彼はベッドに横たわり右手で目を覆った。
次の日、タツミが朝早くに目を覚ますとカオリが台所で三人分の朝食及び昼食を作成していた。
「あら、珍しくユイナちゃんよりも早いのね。何かあったのかし――!」
タツミは突如後ろからカオリに抱き着いた。
「カオリ……ありがとう……」
「……もう」
カオリは彼を正面に誘導し、抱き着かれたまま優しく頭をなでてあげた。
「私こそごめんね……タツミ君がどんな思いで今まで決断してきたのかを一番近くで見てたはずなのに……」
二人はしばらく抱き合った後、顔を見合わせた。
タツミは少し頬を赤らめるカオリにそっと顔を近づける。
唇と唇が触れ合いそうになり、カオリが目をつぶった瞬間、後ろの扉が開きユイナが顔を出す。
「パパ……? カオリちゃん……? 何してるの……?」
二人は慌てて離れて誤解を解こうとしたが、ユイナは寝ぼけているだけだったようだ。
「あーびっくりした!」
カオリとタツミは顔を見合わせ二人で笑いあった。
その様子をユイナは首をかしげながら見ていた。
結果、ユイナとタツミはカオリの護衛という名目の元沖縄旅に出るのであった。
「ぱぱ、この席せまーい」
「まぁ確かに島に行くときの席に比べりゃ狭いがここはファーストクラスだぞ?」
「ふぁーすとくらす?」
「そう。ファーストクラス。飛行機の中で一番いい席だ」
「ふーん」
ダブルシートで二人は他愛もない会話を続けていると、飛行機は徐々に動き始める。
高度が安定しシートベルトのランプが消える頃、キャビンアテンダントさんが持ってきた飲み物を飲みながら。
「私は来年修学旅行なの?」
「あぁ。確か京都だったよな」
「私修学旅行行くの初めて」
「そうなのか」
「小学六年生の時は遊びに行くところとかも怖い人たちに制限されてたから……」
「そうか。まぁ大丈夫だ。来年の修学旅行には行けるさ。楽しみか?」
「わかんない」
ユイナは顔を俯けた。
「パパ達のおかげで嫌がらせとかはされなくなったよ。でもそれだけ。お友達とかはできないから楽しみなのか分かんない。パパと行くならめっちゃ楽しみ!」
タツミはなんだか複雑な気持ちになった。
「友達……か。まぁ、友達なんて数いても仕方ねぇからな。本当に大事な人間とだけ仲良くすればいいと思うぞ。カオリの修学旅行の様子でも覗いてみるか? まだ編入して二か月くらいだが、あいつは顔も性格もいいからな。友達くらい直ぐにできるんじゃないか? ユイナもかわいいし優しいからあいつみたいになれると思うぞ」
とアドバイスするとユイナは興味津々になっていた。
「まぁ、少しくらいならあいつも許してくれるだろ」
那覇空港。
近くのレンタカーで車を借り、荷物を置きに一度ホテルへ向かう。
「あっちー。まぁ六月の沖縄で晴天なら文句は無いがちとあちかねぇか?」
「ぱぱー私海行きたい」
「そうだなー四日の内どこかの日には海行くかぁ」
「じゃあまずどうするの?」
「どうするかなぁー。パパ、旅行の日程とか立てんの苦手なんだよなぁ」
「ユウヤさんに聞いてみたら?」
「それだ!」
タツミはユイナに携帯を手渡した。
『ん? 何かあったのタツミ?』
「あ、あの」
『その声……ユイナちゃんかい? 一体どうしたの?』
ユイナは彼に成り行きを説明した。
『え!? 今沖縄にいるの? いーなー。』
電話の向こうから皆の声が聞こえてくる。
そして謎の騒ぎは三十秒ほどで静かになり。
『僕たち今から沖縄行くね』
「え!?」
『実はね、TGJCの仕事で全員九州にいるんだ。飛行デバイスを全力で飛んでいくから一時間ちょっとで着くからご飯でも食べて待ってて! じゃ』
「あ、ちょっと」
ユウヤは電話を切ってしまった。
「ん? どうした?」
「なんか執行官さんたち慰安で沖縄来るって……」
「へ?」
タツミは驚いてアクセルをべた踏みする。
「ちょ! ぱぱ! 安全運転!」
ユイナは彼を心配しながら事情を話した。
その後、チェックインしてから待ち合わせ場所まで行く。
「先に言っておくが、車は四人乗りだからな」
「わかってるわよ。誰か二人車を借りてきてちょうだい」
ユイカの指示にミカとアカリが出向く。
「俺の車はそうだな……ユウヤと……誰がいい?」
タツミの問いかけにサオリが眼光を飛ばしてくる。
「わ、わかった。サオリな」
そして彼らはユイナが食べたいと言っていたそばを食べに行った。
その後、一行は首里城や国際通りへ向かった。
道中車内。
「ユイナちゃんはどこに行きたいんだい?」
ユウヤは計画を立てるために話を聞いている。
「んっとねー、水族館とー、海とーそれからそれからー……」
一通りの話を聞いたユウヤは完ぺきに予定を立ててくれた。
「そういえばタツミ、休職中でもカオリちゃんの護衛はあるんじゃないの?」
「あぁ。あいつも今沖縄にいるよ。修学旅行とやらで」
「そっか。だから沖縄にいるわけか」
「まぁ三分の一正解だ。学校で友達との接し方が分からないユイナに、転校二か月でなじんだあいつのやり方を見せるためなのと、ただの親子旅行だ」
タツミの言葉を聞いてユウヤはなんだか安心していた。
夜、タツミの元にカオリから電話がかかってくる。
『タツミ君、本当に沖縄旅行来てるの?』
「まだ信じてないのかよ。本当に来てるぞ。ちなみになぜかは分からんがTGJC全員で」
『へー、そうなんだ。まぁ、家にいるより絶対いいと思うわ。明日も出かけるんでしょ? どこ行くの?』
「俺達は明日水族館に行って、近くの外国系ショッピングリゾートで買い物だ」
『あら、奇遇ね。私達と全く同じじゃない』
「そうか。なら困ったことがあれば言え」
『わかった。じゃあね』
次の日。
水族館前に到着したタツミ達一行。
はしゃぐ女性陣と暑がる男性陣。
そこでカオリを見つけたマサキが挨拶に行く。
「なんかあいつああゆうとこ真面目だよな」
タツミは楽し気に笑う。
「そうだな」
「なぁリュウ、本当に刀車において来なくていいのか?」
「問題ない。ちゃんと所持許可免許も持っている」
「そうか」
タツミは特に意味もなくマサキを追った。
「じょーちゃん、元気にやってるか?」
「おいマサキ、その呼び方はまじでナンパ目的の不審者に思われるぞ」
話そうとした二人の前に数人の男子が現れる。
「姫から離れろ!」
「ちょ!」
威嚇する男子にカオリは焦りを見せる。
「あ? なんだてめぇら」
「ほら言わんこっちゃない。ナンパだと思われて囲いが寄ってきたじゃねぇか」
「え、カオリのじょーちゃんに囲いなんているんか」
「そりゃ見た目性格完ぺきな女に囲いがないわけないだろ?」
男子に守られたカオリは女子グループにも囲われてガードされてる。
「おい男子共、いくら俺様がかっこいいからって妬むんじゃねぇぞ」
「あほか貴様。なんでマサキには挑発しか能がねぇんだ」
マサキを引っ張り下げ、誤解を解こうとしたタツミの前にユイナがやってくる。
「パパ、何してんの?」
「ふむ、いい機会だ。ユイナ、これが世に言う『囲い』というやつだ。信頼と友達をもっていて、尚顔と性格のいい超人にのみ存在が許されるものだ。お前もこうなれるように頑張れよー」
そういってミカたちの元へユイナを返す。
「なぁお前ら」
タツミは男子達に話しかける。
「カオリと仲良くしてやってくれよ」
彼の言葉に男子は少し不思議な表情を見せた。
「な、なんだこいつ怪しい……!」
「ちょ、佐藤君! その人は私の保護者だから!」
『へ?』
皆が一斉に首を傾ける。
「タツミ君もマサキ君も、確かに顔も性格もいいの私は知ってるけど、ぱっと見のオーラと見た目の威圧感凄いんだからもうちょっと気を使ってよね」
「ふむ、難しい話だ。そうだ、一つ言っておくが、お土産は博士にだけでいいからな」
「あ、確かに執行官さんたちに買ってこうとしてた……」
「だと思ったわ」
するとまたユイナが駆け寄ってくる。
「カオリちゃんカオリちゃん! この水族館にはおっきーサメがいるんでしょ!? 見に行こうよ!」
「こらユイナ、今カオリは学校の行事として来てるんだ。邪魔しちゃだめだぞ」
「別に良いわよ。水族館内は班行動だし。いいわよね」
カオリの問いかけに数人の男女が頷く。
「はぁ、影から見とくつもりだったんだがな、マサキのアホが挨拶なんかに行くからだ」
「そりゃ行くだろ普通」
「行かねーよ」
そんなこんなでなぜか一緒に水族館を回ることになった。
ミカやユイナ、アカリは大はしゃぎしながら魚を見て回る。
「なぁカオリ、お前姫って呼ばれてんの?」
「うんまぁ……理由はよくわかんないけど」
タツミとカオリが会話していると、一人の女生徒が会話に入ってくる。
「カオリちゃんは可愛いから転校初日に六人告白されて、更に一緒に過ごすにつれて性格の良さも露呈していったからもはや今は女神としてあがめられ始めてますねー」
「へぇ」
「まぁ、好きな人がいるからってずっと振ってるみたいなんですけどねぇ、ようやくわかりましたよ。カオリちゃんの好きな人ってお兄さんだったんですね。ブラコンってやつですか?」
「いや? こいつとは血のつながりもないぞ。というかカオリと同い年だからな」
女生徒は驚いた。
「え? でも保護者って言ってたしあの女の子には『パパ』って呼ばれてたしまさか……」
カオリは頬を赤らめて。
「違うからね!」
と突っ込みを入れた。
「まぁ一個の家で三人で生活しているわけだしあながち間違えでもないんじゃないか?」
笑いながら言ったタツミの言葉で前方の男子の動きが明らかにギクシャクし始めた。
「へぇ、ってことはお兄さんは社会人なんですねー。お給料はどのくらいで?」
「お前には関係ないと思うが?」
「いえ? でも、カオリちゃんが貧乏な男に引き取られるのをはいそうですかーと言って承認するわけにもいかないですし……」
「何様だよあんた……」
「まぁ、大まかな年収で構いませんので……」
タツミはカオリに視線を送る。
「わ、私にはどうにも……。アリサちゃんはこうなると誰も止められないからだ」
「はぁ。おい、そこの『もしあの男の年収が低かったら俺がもらってやる』とか考えてそうな男子。もし俺の年収を抜けたらくれてやってもいいぞ。ちなみに俺の年収は三十から四十だ」
堂々と言ったタツミにアリサは汚物を見るような眼で困惑する。
「それは少なくないですか……?」
「そうなのか?」
タツミは少し後方のリュウ達に尋ねる。
「なぁ、年収三十から四十億って少ないのか?」
「別にそんなことないと思うぞ」
この会話を聞いたアリサは更に困惑する。
「あ、あれ? 今なんて言いましたか?」
「ん? 年収三十億は少ないかと思って聞いてみただけだ。そんなことないそうだ」
「お、多いですよ! 三十億って……」
「でも今少ないって……」
かみ合わないタツミにカオリは。
「アリサちゃん多分三十って言われたから三十万円と勘違いしたんじゃないかな……?」
彼は手を叩きようやく納得した。
「まぁ、そういう事だ安心しろ」
その後は皆で写真を撮ったりお土産を買ったりして午後、カオリたちと別れて昨日とは別のホテルへ向かった。
「なぁ、TGJCで九州旅行してたわけじゃないんだろ?」
ホテルの大部屋を貸し切り十三人全員同室に宿泊することにした彼らは、ユイナの相手をミカやユイカに任せ、事情をミズキに尋ねる。
「まぁ、大した事じゃないわ。密輸船の取り締まりよ」
「そんな仕事に三人で十分なんじゃないか?」
すると、後ろからスズが入ってくる。
「私たちもそう思いましたわ。ですが、取引内容と相手が問題だったんですわ」
「どういうことだ?」
「まず、密輸した団体は中国系犯罪集団でしたの。その集団を調べた結果、あなたの暗殺した永田優斗と過去にやり取りのあったんですわ。で、色々な足掛かりから調べた結果、マッドマン直属の科学研究施設が差出人でしたんですわ」
「確かに。それは普通の警察や特殊部隊には任せられないな」
「さらに、日本はただの経由地に過ぎなかったの」
「どういうことだユイカ」
「取引相手はアメリカ系貿易会社。つまり、アメリカが正式にマッドマンの手駒に加わったことを意味しているわ」
タツミは首をかしげる。
「敵になりうる国を経由地として使うか? それに、そんな簡単にマッドマン直属の研究施設に足がつくのか?」
「タツミもそう思うか」
剣の手入れをしていたリュウも何か引っかかっている感じだった。
「俺も怪しいと思っている。疑う余地のないくらい綺麗な航路だ。密輸品にしては。逆に怪しい」
「取引品は今どこに?」
「政府直轄の密輸品押収倉庫ですわ。静岡県の海辺の貿易倉庫内に設置されていますわ」
「だが、中身がよく分かって無いんだ」
リュウは携帯で撮った写真を見せてくる。
画像に写っていたのは、わけのわからないほど大きな箱の中に詰められた半透明の個体の中に入った無数の配線が刺さった機械。
「なんだこれ。だが、こんなバカでかい物いつまでも倉庫に置いておくわけにはいかないんじゃないか?」
「まぁ、だが物が何なのか分からない限り政府も大した動きを見せないだろう。あの倉庫は、もし爆弾が持ち込まれても簡単には壊れないし、危険物質が漏れ出しても大丈夫な加工がしてあるからな」
「今度一度現品を見に行ってみるか」
タツミは立ち上がって手足の調整を始めた。
次の日。
一行は一部海岸を貸し切り、スタッフを雇い海辺に来ていた。
「わー! 海だー!」
水着に着替えたユイナが波打ち際へ走っていく。
「スキューバ―にバナナボートかい? いいもんだね」
ユウヤはアロハシャツを羽織ってサングラスをかけながらトロピカルジュースを持っていた。
「何がいいもんだねだよ。めっちゃ楽しそうじゃねぇか」
トオルはユウヤに日焼け止めを投げ渡した。
その後も皆は各々で海を堪能していた。
そして最終日も何もなく、無事沖縄旅行は終了した。
タツミはこれから毎年旅行に行きたいと思っていた。
めっちゃ苦手でした。




