冬色の気持ちと君の花
冬色の気持ちと君の花
Cord*12
「最近りゅうの態度がすごく冷たいというか、私に興味ないのかなって感じてきたの」
私はそう美憂に相談する。美憂は真剣な顔で考え出した。
「これは私の勘違いで、たまたまなのかもしれないけど、りゅうと付き合ってから悪夢をずっと見るの」
「それって坂本に何か嫌なことをされたりする夢?」
心配そうな顔で彼女は私を覗き込んだ。
「それは違うよ。誰かはわからないけど、追いかけられる夢。」
「それはちょっと怖いね」
そうして喋っていると、いつもの悪夢を思い出し胸が痛くなった。
「那由、本当に大丈夫?顔死んでるよ?」
そう美憂が心配してくれる。私は本当に恵まれているなと思った。こんなにも私のことを心配してくれる友達がいて。それにこの想いはりゅうに対してじゃなくて、もしかして………
そんなことを思っていると、偶然にもりゅうが教室に入ってきて、いきなり私に向かって
「なあ那由、最近俺に対しての対応が冷たくないか?」
彼は真剣な表情でそう言った。私はその一瞬の出来事に唖然としていた。
「わ、私は別に冷たくなんかないよ。りゅうの方が冷たいくせに」
りゅうがその返答を聞いた瞬間目を見開いた。
「俺は那由が最近俺に対して冷たいから、俺は必死に那由のことを考えていただけなんだ」
「えっ……」
私はすべてを悟った。私が誤解していたこと。
「那由、本当のことを言った方がいいんじゃないかな、」
私は美憂の声を聞いて、心の中で決心した。すべてを伝えよう。そして、この想いを伝えたい。
「私は、りゅうのこと、大好きだよ。でも私のこの好きは恋愛での意味じゃなくて、友達として、幼馴染として大好きなんだと思う。」
私は今の思いのすべてをりゅうに言い切った。
「だから、その、ごめん……」
言い切った瞬間、心が痛くなった。そして下を向いた。
「そうだったのか。通りで最近対応が塩対応なんだな」
彼はそう言って遠くを見た。
「それはしょうがないことだと思う。でも俺はあきらめるわけにはいかない。」
彼は私をまっすぐ見つめ、私に面と向かって言った。
「那由のことは那由が決めることなんじゃない?」
そこで美憂が私をカバーしてくれた。
「那由はずっとずっと苦しんでたんだよ?このどうしようもない状況、その気持ち、悪夢まで見て解決しようとしたんだよ」
美憂が必死にカバーする。
「でも、俺は……」
その時、ガラガラと扉を開ける音がした。そして入ってきた青年。それは……
「なに争ってるんだよ。」
そう言って、海人が教室に入ってきた。