ティッシュ配りの少女
渋谷駅前でティッシュを配っている君を一目見て、僕は恋に落ちた。すれ違ったのは一瞬の出来事で、僕は、君からガールズバーの広告入りのポケットティッシュを赤面し、うつむきながら受け取ることしかできなかった。
それからというのも、僕は君の手汗がついたポケットティッシュを受け取るために、毎日のように渋谷駅前に繰り出し、君の前を何往復もしたことに気づいたかな?
結局、君は、僕が初めてティッシュを受け取った日からちょうど一ヶ月後にいなくなってしまった。一度も声をかけることができなかったのは恥ずかしさに負けたからだ。
連絡先は分からないけど、僕の部屋の片隅には君から受け取ったポケットティッシュが積まれてある。一日に僕は君の前を十往復する生活を送った。一個のポケットティッシュには、十枚の紙が入っているから、一ヶ月で
10(枚/個)×10(個/日)×30(日)=3000(枚)
のティッシュ紙を受け取ったことになるね。僕は、君のことを、頭の中で思い描きながら、一日に三枚のティッシュ紙を重ねて、君の顔と体の似た女優が出演しているAVを視聴しながら、毎日オナニーした。この習慣は
3000(枚)÷3(枚/日)=1000(日)
続いた。約三年間、君のことを思いながら過ごしていた。そして最後のティッシュ紙を使い切ったとき、まるで寒い日にマッチの火が消えるように、僕の恋心は消えたんだ。あの純愛が、天国に昇ってくれると良いんだけどな。