今見た夢
夢ってなんで見るんですかね不思議ですね。
これはこう言う暗示だよみたいなのがあれば教えていただけると幸いです。
自分はバイトをしていてバイトの友達や先輩、社員さんと上手くやってる状態だと思っていた。
でも本当は自分のミスを指摘してくれず、ミスを積み重ねているのに気づかせず、俺は結果的に辞めさせられた。
そして何故か大学からも退学させられて居場所を無くした。
その夢では日本じゃない場所のためバイト先の人と学校の人(日本人)以外には言葉が通じない。
お金がないから宿泊施設に泊まるのはもったいない、でも腹が減るから何か食べたい。でもなにも喋れない。
そんな中、屋台街みたいなところを歩いてるとふと、ひとりの人がボロボロで閑古鳥がないてるハンバーガーの屋台に行って何かを注文した。運良く、その注文の仕方をなんとなく聞けた俺はその店に行ってさっきの人と同じものを注文しようと思った。
でも全然上手く喋れなくって店主おじさんにとても嫌な顔をされて多分小言もたくさん言われたけどけど、2、3分くらいの問答の末、同じものを買うことができた。
次の日も次の日も、外の土埃やらなんやらで汚れていく体を引きずって同じ屋台で同じものを買ってた。でもバイトもしてないからお金はすぐにつきた。
その日も同じく同じ屋台で同じものを注文した。
だけどその日は店主のおじさんは何かいつもと違った。いや、風貌だけはいつもとは変わりはなかった。日焼けし、屋台の煤がついたシワの多い肌。決して大きくないが力強い目。もみあげに繋がる濃い髭。汚れた白いTシャツ。腕はたくましいのにスイカでも入っているかのように突き出たお腹。
いつもと同じなはずなのに何かが違う感じがした。
「^~$#€バぁがアふぃてょつ」
「…はいよ」
全然いつもと変わらない。と言ってもこの4、5日しか通ってはいないけど。
違和感の正体を探っているうちにハンバーガーができたみたいだ。
「…ほら」
しゃがれた低い声でぶっきらぼうに差し出してくるところも一緒だ。
俺は受け取って一礼し立ち去ろうとした。
「待ちな」
しかし店主さんの声に引き止められた。
一瞬にして色々なことが頭に浮かぶ。
出禁にさせられるのか、今払ったお金が足りなかったのか、だとしたらお金はもうないから何と言い訳すべきか、いっそ聞こえなかったふりをして逃げてしまうか…。
だがそんな考えを塗りつぶすほどに1つの考えが脳内を埋め尽くしたした。
何故、自分に言葉がわかったのか。
わからない。バイト先と学校にしか同郷の人は存在しておらずその人達以外は全員外国人。ここ4、5日でもハンバーガーの注文方法以外は上手く聞き取れなかったはずなのに何故店主さんの言葉が聞こえたのか。見当がつかない。
「ちょっとこっちへ来な」
頭を何故が占領する中ただ言われるがままに屋台の裏まで歩いた。
そこにはビール瓶を入れるためのカゴをひっくり返しただけの椅子が2つあった。
店主はその1つにゆっくり腰を下ろし俺にも座るよう促した。
俺も腰を下ろす。
「お前死ぬぞ」
この言葉に自分の心臓はまるで鼓動の仕方を忘れたかのように一瞬止まり。ギアを変えたかのように次の瞬間には倍ほどの速さで脈打ち始める。いきなりのことで頭がくらっとした。
「いや、正確には自分を殺すぞ」
頭のふらつきが晴れないままに、そう言われた。
意味がわからない。死ぬことなどこれっぽちも考えていない。むしろどうやって生きるか考えている。
そう反論しようにも何と言えばいいのかわからず、ただ口を開いては閉じた。
「難しいことは言ってもわからないだろうから簡単に済まそう」
そう言うと店主のおじさんは俺の体をいきなり抱きしめた。
仲間だと思っていた人たちにハメられてから人とのふれあいを極力絶っていた俺には人肌はあまりに優しく、自然と涙が出てきた。
そしておじさんは耳元で優しく宥めるようにこう語った。
「お前は人に裏切られてから心を閉ざしてしまっている。だから知っているはずの言葉を知らないと思い込んで、人から裏切られないように、自分が傷つかないように身を守っていた。でもそれじゃあダメなんだ。人は一人じゃあ生きていけねえ。どこかで折り合いをつけなきゃならねえ。お前はよく頑張った。偉い。だけど、もう少しだけ頑張ってみねえか」
こんな感じのことを言われた気がする。
しばらくして涙が引いた頃おじさんは腕を解き、いつか返してくれればそれでいいと3万円程の金銭を俺に渡してくれた。
流石にもらえないと抗議したが
「そう言うやり取りは時間の無駄だから貰ってさっさといきな」
と相手にもされなかった。
「本当にありがとうございます。またいつか必ず返しに戻ります」
「ああ」
一刻も早くおじさんにお金を返すために、自分でも気づかなかった心の闇を払ってくれたお礼をするために、当面の目標を設定した俺は屋台を離れた。
涙とともに自分を拘束していた重石を吐き出した俺の足取りは軽かった。
「ゴホッ、ゴッ。ゴハァ」
不意に後ろから誰かが咳き込む声が聞こえた。
振り向けば肌は黒ずみ、煤がいたるところについたしわくちゃのおじさんが倒れていた。