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動き出す奇跡

途中からアルン牧師がアデル牧師になっていたため修正。すみません(2018/01/25)



処女受胎。それを聞いてしばらく言葉を失った一同。



長い沈黙の後にアデルが口を開いた


「・・・それでギルドに調査依頼か何かはしたの?」



「ああ。しかしながらあまりに大きく動くと町長の目に付いてしまうから少数精鋭って所さ。中央ギルドから派遣してもらった隊員に街で調査を行ってもらってる」



「そうですか」



「そこで、あんた達にお願いがある。この奇跡について滞在中に調査してもらえないだろうか。私はこのことには何か裏があるとしか思えない」



ライラはリオの目をしっかり見つめ訴えかける



「分かりましたよ。できる限りの事はやってみましょう」



「助かるよ」



「奇跡にあった女の子に会えたりしないですか?」



アデルがライラに聞く。その目はどこか闘志に燃えているようにもリオには見えた



「それならば教会に行ってみるといい。心の拠り所を求めて何人かは教会に居ると思うよ」



「とりあえず、まずは飯でも食っていきな。教会に行くのはそれからでも遅くはないだろ?」



とりあえず、リオたちはライラの提案通り下の酒場へ向かうことにした。














酒場で腹ごしらえを済ませたリオらは教会へとやってきた。



中には多くの男女が祈りを捧げている。

その中にちらほら腹部の大きな少女がいた。



教会の中を見渡していると1人の女性がリオ達に話し掛けてきた。



「あのぉ、こちらの協会は初めてですか?」



「あなたは?」



「私はシャロン。シャロン・ウラトス。こちらの協会で修道女を努めております」



「俺はリオ。こっちは娘のエリザ、サクラ、アデルにマリア。まぁ、娘と言っても養子なのだけどね」



「若いのにご立派なのですね。ところで本教会にはどのような御用で?」



「ああ、実は・・・」



「神父様ー」

「私の話をー」



リオが話そうとした時、奥から1人の男が出てきた。



「はい、神は皆さまに平等ですよ。焦らない。神の使いである私でよければいくらでも話を聞きますよ」



「彼は?」



リオがシャロンに聞く



「あのお方はこちらの教会のアルン牧師です。アルンさんの講話や人生相談は大人気なんですよ。これから始まりますが御見学なさりますか?」



「いや、今回はやめておこう。済まないけどシャロンに聞きたいことがあるのだが・・・」



「それでしたら、奥の部屋に参りましょう。こちらは少し騒がしいかと思いますので・・・」








奥の部屋でシャロンの入れてくれたお茶を1口啜り、リオは話し出した。



「まず、これから話すことは内密にして欲しい。出来れば牧師さんにもだ」



「はい、神に誓って」



シャロンは自らの手を握り合わせながら答えた。



「まずはこの冒険者カードを見てほしい」



そう言ってリオはシャロンにカードを差し出す。シャロンは「拝見します」と受け取りしばらく確認したあとにカードを戻した



「あなたがあの有名な勇者様ですか」



「俺たちはこの街のギルドから依頼を受けてあることを調査をしている」



「奇跡でございますね」



「話が早くて助かるよ。ここにその奇跡の被害者がいると聞いてきたのだが・・・」



「ええ、確かに何名かいらしていますが本日すぐにお話を聞くことは難しいかと思われます。講話が終わり次第私の方から話をつけておきますので明日もいらして頂けないでしょうか?」



「それは助かるよ。よろしく頼む。そしてもう1つ聞きたいのだけど、君自身、シャロン自身はこの奇跡のことをどう思っている?」



リオの問いに顔を曇らせ沈黙したシャロンであったがしばらくして口を開き、語り出した



「私は孤児でした。親の顔を知らぬ私にとってアルン牧師は私の親代わりになって下さり、育ててくださいました。アルン牧師は今回のことを神の導きだ。奇跡だと仰ております。・・・しかしながら私はそうは思えないのです。幸い今はまだ何も起こっていませんが、仮に生まれた子が人で無かった場合、被害者の皆さまへのダメージは計り知れません。肉体的だけではなく、精神的ダメージもです。教会で対応できる域を超えるのは明白です。私は被害者の皆さまだけでなく、この街やアルン牧師を救いたいのです!何かが起きてからでは遅いのです。だから・・・」



「本当にこの街とアルン牧師が大好きなのね。シャロンちゃんは」



「はい」


エリザの言葉にシャロンは力強く答えた








▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


教会でシャロンと別れ、ギルドに用意してもらった宿に帰ってきた一行。

夕食を食べ、部屋に戻りマリアを寝かしつけ、しばらくすると「酒に付き合え」とライラがやって来てリオを連れて出ていった。





「どう思う?今回の話」



体を拭きながらサクラが聞いた



「被害者が女の子ばかりだから私たちが頑張らないとね。リオくんは男の子だし被害者の子達は話しづらいでしょうから」



「処女受胎。初めに聞いた時は驚いたけど、やはり何かの魔道だと思う。理論的に考えていけば答えは見つかるはずよ。それに女の敵である犯人には迷わずパイルブレイカーを叩き込むわ」



「そうね。けど相手の手口が分からない以上、私達も危険よ。エリザ姉さんもアデルも気をつけてね」



「私はリオくんに護ってもらうから大丈夫」



「私もお父さんがいるから」



「ちょ、ずるいわよそれ!わ、私も父さんに護ってもらうから!」



「サクラは刀で守れるでしょ」



「アデルだって、右手のデカブツでなんとかなるでしょ!」



「ふふふ、二人ともまだ子供ね」



「「うるさい!!」」



その後、娘達の無駄な言い争いはリオが帰ってくるまで続いた







▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


翌日、宿を出て教会に向かおうとするリオたちの耳に街の緊急放送が聞こえて来た。



『緊急!!緊急!!教会前にて魔物を確認!!警備兵はいますぐ向かわれたし!!警備兵はいますぐ向かわれたし!!』



「急ぐぞ!!」



リオの合図で一斉に教会へ向かい走り出した。



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