カルタトの街
最初なのでこの章はすぐ終わります。(今後もそんなに長くないとは思うけど・・・)
「さて、まずは通例で冒険者ギルド行かないとな」
馬車を降り、着いた街の通りを歩いているリオ一行。
リオたちがついた街は『カタルト』
数十年前は鉱山で栄えた街であったがいまは人口が減少。近くに発生したダンジョンへ旅立つ冒険者たちの宿場町となっている
「それにしても何でお父さんは毎回居場所を報告しなくちゃいけないわけ?」
少し不機嫌そうにアデルはリオに問いかける
「一応、勇者は国家戦力ってことになっているからね。緊急招集がかかった場合に居場所が分からない戦力にならないから」
リオは苦笑いしながら答えた
「ここね。冒険者ギルドは」
しばらく歩いているとエリザがギルドを見つけた。少しウエスタンな感じの建物だ。
お昼時とあってかギルドに併設されている酒場からは賑やかな声が漏れてくる
「あの〜滞在報告をしたいのですが~」
リオが中に入り、受付のお姉さんに冒険者カードを差し出す。
「はい~?滞在報告?そんなの勝手に・・・」
怠そうに対応していたお姉さんだが、カードを見た途端に顔色が変わった。
「ゆ、ゆ、勇者様!?ちょ、町長ーー!!」
お姉さんはリオ達を放って奥へと消えていった
ザワザワ
ざわつくギルド内。そして放置された勇者一行。
「見飽きたわね。この反応・・・」
「そうね~」
「伝統芸ってやつだね!!」
「マリア、それはちょっと違うと思う」
もはや当たり前となった光景に溜息をもらすサクラ、クスクスと笑うエリザ、キラキラとした目で問うマリアに冷静なアデル。
娘達の反応も様々である。
しばらくすると奥から1人の男が出てきた。
筋骨隆々でオマケにスキンヘッドに眼帯。夜道で会ったら震え上がるようなビジュアルだ。
「ガッハッハッハ。俺はこのカタルトの町長兼ギルド長のサーガ・ベルルだ。よく来たな。勇者!」
「滞在報告に来たのだが・・・」
「おう!じゃあ、俺の部屋で済まそう!後ろの嬢ちゃんたちも付いてきな!」
ギルドの奥にあったギルド長室へ着いた一行。
ソファに座るように促され、滞在報告を行うことになった。
「じゃあ、悪いが確認のために冒険者カードを見せてもらえるか。嬢ちゃんたちも含めて」
冒険者カード
□リオ・ジャック
職業:勇者
能力
【閲覧制限】
□エリザ・クランネ
リオ・ジャックの養子(長女)
能力
【氷の魔道】
【雪の魔道】
□サクラ・アルパーナ
リオ・ジャックの養子(次女)
能力
【剣術『刀』 極】
【風の魔道 上】
□アデル・ジャック
リオ・ジャックの養子(三女)
能力
【魔道博士】
【薬学知識】
【魔道開発】
【大地の魔道 上】
□マリア・ガーディナー
リオ・ジャックの養子(四女)
能力
なし
サーガがひと通り、カードを確認し返すと深く溜息をはいた
「はぁ~娘もそろってトップ冒険者並とは恐れ入ったね。氷系魔道を極めた嬢ちゃんに剣術士、発明家と来たもんだ。これじゃあ、マリアちゃんも将来有望って所だな」
「おじさん!マリア、すごいの?」
褒められて嬉しくなったマリアは飛び跳ねるように手を上げて問いかける
「ああ、うちのギルドに欲しいくらいだよ」
「や!パパと一緒!」
「あっはっは」
これにはリオも苦笑いを浮かべるしか無かった
「ところで、さっきから気になっていたのだが、アデルちゃんの右手につけているものはなんだい?」
「ああ、これは私の発明品で魔力を爆発力に変換して相手を殴る武器。名付けて『パイルブレイカー』まぁ、まだ実験前だから計算上だけど非常に殺傷能力が高いだろうから凶悪な魔物や魔道機械相手じゃないと使えないわ」
それを聞いたサーガは驚いた表情を浮かべたあとに数秒考えた後に少し笑った
「なぁ、アデルちゃん。その武器の実験に丁度いい相手がいるのだけど・・・」