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光っている
「これ、これ、写メ撮って。」
やはり、女の子はインスタ映えする光りものを好む。
結構、順番待ちをした。
僕は素直に従うが、どんな記事を書くのか気になった。
ぶっちゃけ、誰と来たと書くのがスゴク気になる。
しかし、それを聞くのは僕のプライドが許さない。
自信がないと思われるし、女々しい行為である。
僕自身、はっきり付き合ってと言ってないしね。
僕は、写メを確認してニッコリ微笑む彼女を前に
質問したいのをグッと我慢した。
「へえ~、写真撮るの上手なんだね。写真部だったとか。」
思わぬ彼女の誉め言葉に嬉しくなる。
「 いや、高校では帰宅部だった。
会社でたまにイベントの写真や広報の写真を撮らされるからね。」
「あっ、そう。次、行こう。」
先に、階段を駆け上るではないか。
自分からふっといて、それは無いよと思いつつも、
やはり歳の差なのかと心の中でつぶやいた。
でも、それ以上に人込みの中でも光り輝く
彼女が可愛くてしょうがない。
僕たちは、各階を見学して、天守閣にたどり着いた。




