ツマミはポテチで
僕は、大人しく部屋に戻った。
バッティングセンターにもゲーセンで遊ぶ気にもなれなかった。
あの眼の色の変化が妙に気になる。
最後の笑ってない眼も怖い。
洗面所で顔を洗い、うがいをした後、鏡を見る。
「もしかして、この髪型か。」と、ふと思った。
元カノと付き合っていたころは、僕はスポーツマンタイプのいわゆる
後ろは刈り上げだった。
今は、ロン毛。肩まで伸ばしている。
元カノはジャニーズ好きなので、僕に髪を伸ばすようにお願いされたが
断固として拒否していた。
大学を出て地元の会社に就職したばかりで、若かったのかな。
テレビをつけてみたものの金曜ロードショーは前にもみたことあるジブリの映画だし、
他の番組もまったく面白くないので、熱いシャワーを浴びることにした。
シャワーの後、念入りに髪を乾かし、手入れをした後、部屋に戻る。
元カノが見たら、きっと笑うに違いない。でも、喜んだだろうな。
そんなつまらないことを考える自分は、はっきり言って変だ。
BGM代わりに、金曜ロードショーを見ることにして、冷蔵庫から缶ビールを取り出す。
何故か、カップ麺は食べる気にはなれない。
買い置きのポテチののりしお味をツマミにすることにした。
しかし、気になることがあり、レジ袋からレシートを取り出した。
元カノの名前を確認するためだ。
名字が変わっていた・・・・。




