ケーキとパスタ
さて、土曜日、僕は会社の帰り、夕ご飯はいつものお店で、
夕食を食べた。一瞬、縁起をかつぎ、カツ丼を注文しようかと
思ったが、可笑しくなってから揚げ定食にした。
そして、先生の教えの通り、元カノがいるコンビニへ行くことを決心した。
元カノ、発見。
土曜日のせいか、店内は結構混んでいて、忙しそうだった。
僕は、昨日読みたかった週刊チャンピオンの刃牙道を立ち読みした後、
スイーツコーナーで新発売のケーキを三個選び、そしてパスタを2個選び、
買い物かごに入れて、元カノのレジの方の列の最後尾に並んだ。
いよいよ僕の番がきた。
元カノと眼があった瞬間、緊張するのが、自分でもわかる。
「いらっしゃいませ。ポイントカードはお持ちですか。」
「はい。」
「お返しします。」
ここまでは、いつも通りだっただが、僕の買い物かごを見て、
ボソッとつぶやいた。
「誰か、お客さん来るの。」
「うん。君の分、買っといた。」
「えっ。」
その時、元カノの顔が、眩しく光った。
パスタは、元カノが好きだったアサリのパスタと、
僕の好きなペペロンチーノだったのである。
「もっと高いケーキがいいなら、買っておくよ。言ってくれ。
レストランのパスタを食べに行ってもいい。
ケータイの番号も、メルアドも変わっていないから。
何時になってもいいから、部屋で待ってる。」
「うん、わかった。」
元カノが左手で長い髪を三回かき上げる。
これは、興奮した時の仕草だ。
僕は、買い物を終え、コンビニを後にした。
まっすぐ会社の独身寮の部屋に戻り、念入りに部屋を掃除した。
特に、寝室、ベッドは小悪魔に爆弾が仕掛けられていないか、
念入りにチェックするのである。




