元カノが僕をふった理由の半分
「 ところで、元カノにふられた理由は何よ。
やっぱ、明君の女癖の悪さ。」
先生は、興味津々で僕に聞いてきた。
絶対楽しんでいるが、そこがまたかわいい。
「酷いなあ。社会人になってからは、控えていますよ。」
「ふう~ん、社会人になってからね。」
僕をニヤニヤしながら見る眼が、エロイ。
「この野郎。」
僕は、またベッドの上に先生を押し倒した。
30歳をすぎた女の色気というか、愛人をやっていたせいか、
奏の魅力はヤバイ。
「こら、こら。先生の質問には、ちゃんと答えなさい。」
都合のよい時だけ、先生面する。まったく、ズルい。
「 はいはい。元カノと付き合っているときは、浮気をしていません。
他の女とは、いたしていません。
ただ、先生、覚えているかな。僕のクラスの二村霧子て女の子。
ポッチャリでクラスの口の悪い男子からは豚村って呼ばれていた子。
「 ああ、あの子ね。覚えているわ。その子がどうかしたの。」
「 今でも、友達として付き合いがあり、たまに僕の部屋に押しかけてくるんです。
随分綺麗になっちゃって。きっと、先生もびっくりするよ。」
「 私のことは、いいから、さあ早く。」
「 僕に綺麗と言われたくて、必死に努力したんだって。
僕が初恋の相手で、高校の時からずっと好きだったんだって言うんですよ。
それだけなら、まだしも、僕が30歳までに結婚できなければ、結婚して、
それが無理なら 付き合ってと言われました。
めっちゃ、驚きました。そして、ガチで困っています。」
パシッ
先生は、僕の頭をたたいた。
「痛っ、先生、体罰ですよ。」
「 五月蠅い、これは愛の鞭よ。
まったく、乙女心って言うのか、女心をわかってないのね。
そうなるまでほっといた明君が、悪い。
二村さん、かわいそう。」
「そうですかね。」
「君、聞いてる。真面目に反省してるの。」
さっきまで僕に責められていたせいか、ここぞとばかり、攻めてくる。
女はズルい。
「 先生、僕の話も聞いてください。僕は被害者です。
元カノに、あいつとの関係を疑われました。
浮気しているって。
まだ、二十歳にもなっていない純情な乙女だから、無理もないと思います。
それが、元カノが僕をふった理由の半分です。」
冷たい視線で僕を睨む先生に、僕は必死に訴えるのであった。




