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不思議な色の光
僕は素知らぬふりをして、だんまりを決め込みポイントカードを手渡した。
「お返しします。216円になります。」の声に、僕は財布から小銭を取り出そうとした。
こんな時に限って小銭がない。思うように手が動かないのは、気のせいだろうか。
急いで千円札を取り出し、渡す。
「おつりは、784円になります。お確かめください。ありがとうございました。」
おつりをもらうとき、偶然にも指が触れた。
はっきり言う。言い訳なんかしない。僕は、動揺してしまった。
そんな僕の様子に気づいたのか、元カノと眼があった。
時間にすれば十秒もないが、その時の元カノの眼が放つ光は、短時間で不思議な色の変化をするではないか。
そして、最後に「またのお越しをお待ちしています。」と、スマシタ顔で言う。
眼は笑っていなかった。




