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【季節ネタ】節分ネタ②(魔導師兼対魔族ギルドにて)


 ――魔導師兼対魔族ギルド。

 所属は、混血や分血等、ハーフ魔族が主な組織である。


 黒混じりの紺色髪の少女――キソラはこの日、とある用事でここを訪れていた。


「ラグナさん」


 仕事中なのか、ただ出歩いているだけなのか。ギルドマスターであるラグナの姿を捉えたキソラは、彼に声を掛ける。


「あれ、キソラじゃん」


 キソラの声に反応したのか、ラグナは彼女の存在に気づき、そちらへと向かうのだが――


「一体どうした……って、何その格好」


 用件を聞こうとして、いつもならやらないような見慣れないソレ(・・)に、ラグナの視線は向けられ、キソラも「ああ、これですか?」とばかりに説明する。


「これはですね……節分の衣装ですよ」


 衣装と言っても、豆の入ったマスを持ち、鬼の面を頭に着けているだけである。


「最初は、冒険者ギルドで私が鬼の役をやっていたんですが……」


 その時の事を思い出したのか、キソラは遠い目をしながら説明する。


「私が鬼役を止めた途端に、みんな本気で逃げ出しまして……」

「あー……、何となく分かる気がする」


 思わずラグナは、逃げ出したとされる冒険者たちの気持ちが分かってしまった。

 そもそも、豆を投げてくるのは、世界最強の一角である彼女である。

 ストレス発散とばかりに、全力で投げられるのではないかと想像すれば、逃げ出したくもなる。

 そして、それと同時に彼女が何の目的でやって来たのか、何となく想像出来てしまう。


「なので、鬼族の方か鬼人族の方に鬼役をやってもらおうかと…」


 予想通りと言うべきか何と言うべきか、それを聞いたラグナの行動は早かった。


「逃げて! 鬼族もしくは鬼人族は超逃げてぇっ!!」


 ――世界最強の一人から豆をぶつけられて、万が一、何かあっても困る!


 そんなギルドマスターの意図が含んだお達しの効果か、キソラが帰るまで、鬼族もしくは鬼人族たちはそれぞれの家や土地から出ることはなかったらしい。


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