S078 エロイムエッサイムと唱えたら魔女裁判
嘘題名「8月は僕の本当」で唱えてました。
その作品が好きで真似したら魔女裁判決定です。
それほど大きくない小話です。
内容的に言語にまつわる話なので異世界ベースでは書きにくいので具体例は避けました。
別作品「チノハナ」の方でやるべき内容なのでそちらを再開する気になれたらまたそちらでやるかも知れません。
「アザミちゃん今どうしてるのかなー」
ヘラはぼんやりと空を眺めながら先日自分を助けてくれたアザミの事を想った。
村に魔物が襲って来た時、おばあちゃんの足が遅くて、でも置いていけないからヘラも一緒に逃げていたけれど、やっぱり足が遅くて気づいたら周りにいたおじさんやおばさんも居なくなっていて、そしたらあの怖いキザキザしたお口の獣がやってきて、ヘラを頭からバリボリと齧ろうとした。ヘラはお祈りしてるおばあちゃんの前に立って、でも足が震えてどうしようもなかったけどその時アザミちゃんが飛び出してきて獣を懲らしめてくれた。アザミちゃんはとっても優しくて村の皆の怪我も治してくれたしご飯も分けてくれた。だからとっても大好き。
そんなヘラは村で一番アザミにまとわりつきアザミが村にいる間はどこへ行くにもついて回った。女性ながらに魔物を倒す姿は格好良くアザミの容姿もスラッとした細身でどこか鋭さがあり自分とは違うその容姿にヘラは『自分もそうならなぁ』と溜息をついた程だ。
アザミが村で宿泊する時に案内や雑用をアザミの代わりにヘラが行っていたのでヘラはアザミとは他の村人よりも良く話が出来た。そういった会話の中でアザミからおまじないを教えて貰い、ヘラは何かうまくいって欲しい時はおなじないを唱える事にしていた。魔物なんて簡単に倒すアザミの教えてくれたおまじないだから効果はバツグンだろうと信じ切っていた。
そして今日も森に木の実を取りに行く前に怖い獣に会わないようと願掛けする為におまじないをした。
「|エロ、イム[形を錯覚させろ]、|エッサ、イム[形を見せかけろ]、|エロ、イム[形を間違わせろ]、|エッサ、イム[形を偽装しろ]。我は求め、訴えたり。」
よし、これで大丈夫、とヘラが一息つく。どんな意味があるのか知らないけどアザミが教えてくれたんだからきっと良い意味なんだろう、神様ありがとう、とかそんな感じの、とヘラが思っているとヘラに向かって誰かが話しかけてきた。
「おいおい、なんかちっこいガキがすごい呪文唱えてるぜ。あー、異世界だから魔女って本当にいるんだなぁって思うわー。」
「バカね。なんにせよ不穏分子は捕まえてこいって言ってたわ。魔物は誰かが倒したようだけどその裏に誰がいるか分からないし手がかりかも知れないわね。とりあえず連れて帰るわよ。」
「へいへい。魔女だからちょっとくらい痛めつけても良いよな?」
「好きにしなさいよ。もう魔物もいないようだし面倒だからさっさと帰るわよ。お土産も出来たし。」
そう話しながら、男と女がヘラの方へと近づいてくる。男は剣を抜きながらヘラをニヤニヤとねめつけながらヘラを掴もうとしてヌゥッと手を伸ばした。
ヘラの髪を掴もうとした手があまりにゴツゴツとしてその太い指に掴まれるかと思うとゾッとしたヘラはたまらず逃げ出したが、男に追いつかれのしかかられて倒れた後に馬乗りにされた。
「まあ逃げるよな?でも残念、そんな短い足じゃ逃げ切れるもんじゃない。痛い目見たくなければ大人しくしな。」
と言いながら男は掴んだヘラの髪を強引に持ち上げたかと思うとそのまま頭ごと地面に叩きつけた。いきなりの暴力にヘラは何が何だか分からないまま「助けて!」と何度も叫ぶがそれを聞くのは男の連れの女だけだった。
「アザミ!アザミ!助けて!」
「ん?アザミ?あいつも来てたのか。じゃあしっかりお話を聞かせて貰おうか。魔女さんよ。」
「子供相手にあんまり無茶するんじゃないよ。」
「分かってるよ。俺は紳士だからな。」
「どの口が言ってるんだか。」
ヘラは涙と鼻水と鼻血で顔がぐちゃぐちゃになりながらアザミを呼ぶがアザミには届かなかった。
「というような事は起きるのじゃろうか?」
「なるほど。言葉の意味を理解せずに他国の言葉を覚えて多用する事で実際には自分が何を言っているか分からないという事ですね。」
「うん。今回はそうじゃ。これってどれくらい問題になりそうかの?」
「大抵は後になって恥をかきますが良い経験もしくは苦い経験だったと言えるものがほとんどになります。ですがタブーに触れたり相手を罵る言葉だった場合は大きな問題になります。
この場合の大きな問題は、相手を貶めるためだけに嘘を流布させる事が多い事です。公共媒体に乗せて行えばより多くの者に錯覚させる事が出来る可能性があり、また、公共で使用する媒体で公然と悪事を働くとは思わない心理も合わさって錯覚する者がいます。この話の中では命の恩人が酷い言葉を教えるとは思っていない心理が加わっています。
こういった公共媒体を使った悪意というものは、それを発信した者を特定するのが難しく、利用者の側はその発信に携わった組織についての情報を持ち合わせていないので悪意をもって発信した者を罰する事が出来ない場合が多くなり、同じような悪意をもって間違いを発信する者が増えます。
そして場合によってはそれを教えた者も教わった者と同じ様に意味が分かっていない場合があります。1次感染と2次感染の違い程度でしかありませんが。ですが1次感染と2次感染の違いがあります。まずは自らが1次感染したと同じ様な状況にならない事が重要です。
病気をどこかで貰ってきて知らない間に周囲にうつしてしまった場合に罪悪感を感じる事がありますが、その事実を知るのも自分が発症するか他者が発症するかした後になり、間違った事を教えた、覚えて事に気づけない場合はそれを知るのは同じようにもっと後になり、それまでに重ねた結果によって影響度が変わります。
病気を感染させたが後遺症もなく感染させる事自体が良くある為に周囲も気にしない風邪のようなものから後遺症が残る程の病気まで様々なものがあるように、言葉を間違って伝えるという事は同じ様な結果になるという事です。
ある地方の方言が他の地方もしくはその国の一般的な言葉で卑猥な言葉であったり相手を罵る言葉であったりする事がありこういった時に諍いになり問題になりやすいです。また、他国の言葉が自国においては同様に卑猥であったり逆の意味になっていたり別の事を指す言葉と同音などという事があります。女性が知らぬうちに卑猥な言葉を言って、そういった性的な印象を与えてしまいそういった行為を目的とする男性を集めてしまったりする事もあります。
外来語と同じ意味を指す言葉が母国語にない為にそのまま使用される事がありますが、最初の使用例が間違っていた為に違う単語をあてはめたりして実際に他国に旅をしてコミュニケーションする時に問題になるケースもあります。
また、同様に他国の習慣などが間違って伝わっていたり、自国の習慣が間違って伝わっていたりと確かめないで他者を信用して行動した結果が問題になりやすくやはり知性を育む必要があります。」
そしてエールトヘンが締めくくる。
「言葉は正しく覚え、そして分からない言葉は調べてから使うようにしましょう。信用出来る人が居ればその人に聞くのも良いでしょうが過信は禁物です。利害関係から否定しきれない、間違っていても間違っていないと言う可能性もあります。さあ、お嬢様。言葉を間違わずに覚える為にもがんばりましょう。」
どこぞの芸人に「ボボ出〇」という芸人さんがいらっしゃって、九州にいくと「ボボ」は女性の性器を指すらしいです。詳しくどの地域かは知りませんが。ですが方言はTVなどの普及によりどんどんなくなっていくのでしょう。つまり、TVなどの媒体が貧弱になればまたローカライゼーションが行われ方言が復活するという繰り返しになります。方言やことわざはその地方で、起こった事を詳しく説明できないが意味は分かるからその言葉で表すものですので、統一された規格を失えばそうなっていきます。また、言葉は発音により変化していきます。寒い地方ではあまり口を動かさない話し方になり言葉もその影響で変化します。また、言葉のどの音を良く聞くかによっても変化するでしょう。同じ言語を母体とした派生言語などはこの傾向にあります。
日本語で「ドンマイ」と言う事がありますが正しくは「ネバーマインド」らしいです。初めに使った言葉がそのまま広まった為に皆がその間違いに気づけず、気づいた時には広まった後、そして別段間違っていても伝わってしまうからそのまま放置、なんて事があります。そうならないようにするのが難しいですが、あえて間違わせる事で差を作る事も出来ます。和製英語やカタカナはそういった国際的なコミュニケーションに悪影響を及ぼします。カタカナは原音主義の日本語に合わせたものになるので元の発音が分からない、そしてそれを聞いて耳になじんでいるから実際に外国語で聞いても同じだと認識出来ない、という悲しい事態に陥ります。
-->また、同様に他国の習慣などが間違って伝わっていたり、自国の習慣が間違って伝わっていたりと確かめないで他者を信用して行動した結果が問題になりやすく
<--以前に書きましたが「ヤドリギの下にいる女性にはキスをしても良い」なんてふざけた習慣が北米にあったと思います。そんな習慣のないものにとってはヤドリギで作った輪や模型などは単なる飾りでしかなくその下にいるだけでそんなふざけた行為が許されるとは思ってもいない所に、その習慣を知っていて「女性にキス出来る、ラッキー」とばかりに迫ってくるような状況というのは笑えない冗談だと思います。勝手に他者を侵害する権利を得る系の誰かにとって都合の良い習慣というのは注意が必要です。その状況に遭遇してラッキーと思って行動するのは襲い掛かる事と同義である可能性があり、だからこそそうさせるために作られた可能性が高いです。誰かより有利になる為に競い合う状態で、差を作るには自身が能力を向上させるより相手を貶めたほうが効率的だから、自身の手を汚さずに相手を加害させて貶める事で優位に立とうとする為の方法と言えます。
また、以前にどこであったかは忘れましたが、ハロウィンか何かで不法侵入してしまったが、日本と同じ感覚でフレンドリーに近づこうとして銃殺された人が居りました。習慣の違いから危険な行動を危険だと思わずに取ってしまったがために相手も対応せざるを得ない状況になったようです。どこかで書いてましたがハロウィンで「トリック・オア・トリート」するのは知り合いの家であらかじめ訪問する事を伝えている家だそうです。そんな事を知ってハロウィンしてますか?そしてこれもどこかに書いてましたがハロウィンも単なる精霊が集まる日だとか季節だとかそんなものだそうです。調べておくと良いかも知れませんし、子供が勝手に余所の家に「トリック・オア・トリート」しにいって殴られるとかありそうですし、"全員が全員、寛容とは限らない"ですし"その日たまたまとてつもなく不機嫌"かも知れません。
ちなみに精霊が集まる日や季節、を科学的に言い換えれば、全国集会だとか定例会議だとか〇〇年報告会議とかそんな感じです。言い方が変わっただけ。しかしそれまでの事を悪い事にしておかないと自分達が偉い事に出来ないからあえてそうして、不満のぶつけ先を用意するというのも支配のやり方だと思います。




