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小田からの贈り物

孤独と刺

作者: 小田虹里
掲載日:2016/03/05

 寒かった。

 ずっと、孤独だった。


 目の前にいるものは敵にしか見えない。

 自分の味方は、自分の中にすらいない。


 俺はきっと、怖かった。

 ひとと群れで、ひとりハグレ者になることを恐れた。



 そんな生活をしていたからか。

 俺はずっと、荒んでいた。


 独りきりだった。



「居場所になってあげる」


 そういって、手を伸ばしてくれたキミ。


 眩しすぎるほどのキミの笑顔を前にしたら、

 余計に自分はけがれている気がして辛くなる。


 俺はその手を取るのをためらいだ。


 あまりにも独りで、笑い方も忘れてしまった。


 どんな顔をして、キミのところに居たらいいんだ。

 どんな顔をして、言葉を発すればいいんだ。


「大丈夫」「希望を持て」「ひとは変われる」


 そう思うのなら、方法を教えてほしかったんだ。


 これ上ひとりでは生きられない。

 そのことは、誰よりも分かっていた。


 だからこそ俺は、その手を取ったんだ。


 誰かに明確な道を作ってもらえないと、歩けない。

 そんなことは、情けないと思う。



 刺々しさのあった俺の刺を怖がらず。

 むしろ、すべての刺を抜いてしまうかのように。


 キミの笑顔は暖かかった。


 雪が溶けて春が近づくかのような。

 そんな、ほっこりとりした気持ちが胸の奥底まで染み渡った。



 ひとのこころを解くものは、ひとの中にあるのかもしれない。

 ひとの温もりほど、暖かいものはないと思えた。


 同じ「人間」という生命だから。

 喧嘩もするが、わかり合うこともできるんだ。



 ひとに生まれてよかったと、思いたい。

 ひとに生まれたことを、誇りに思いたい。



 いつの日か、俺と同じように悩んでいるひとが居たら、

 孤独なひとが居たら、俺は手を差し伸べよう。



 キミが俺を救ってくれたように。

 暖かい連鎖を生み出す為に。



 人として生まれたことを、喜びと信じたい。


 おはようございます、はじめまして。小田虹里と申します。

 久々に短編「詩」……と、呼べるかは分かりませんが、書いてみることに至りました。


 主人公「俺」は、私の中のもうひとつの「顔」になっています。


 ちょうど昨日、この症状が強く出ていたのです。起きたらそうでもなかったんですけど、せっかくだから、書き起こしておこうかな……という、経緯です。


 ひとは、あ本当になかなか誰かの手を取ることって、出来ないと思うのですよ。警戒心が強いひととなれば、それはなおさらのこと。でも、そこで怖がって手を伸ばさないままでいたら、何も変われないと思っています。


 自分が変わる為にも、相手を信じる為にも。


 一歩、踏み出すことが大切なのかな……と、思いました次第です。


 ただ、小田は怖がりです。簡単には、手を差し伸べてもらっても掴めませんし、手を差し伸べることは出来ても、自分自身がしっかりとしていないので、共倒れしてしまうかもしれません。


 しかし、そんなことはまた……自分の中で、許せないんです。


 私は、出来る限りのことはしたい。出来る限りの仲間を助けていきたい。そのため、この主人公「俺」も、「キミ」の手を取ることにしました。それだけでとどまらず、主人公は自らも手を差し伸べていこうとこころに決めます。


 はじめの一歩を踏み出すことは、難しいのかもしれません。見知らぬ世界に足を踏み入れることは、勇気が要ることです。でも、そこで諦めて引き返すのと、思い切って飛び込んでみることでは、得られるものが大きく変わってくると思うのです。

 もちろん、手を取らずに歩いていく。後ろを振り向くことも、いけないことだとは思いません。そうして出来る「道」も、確かにあると思うからです。


 今回は、前を向きたいと思った小田の心情を書いた為、このようにはなりましたが、正解な「道」は、見つけるのが大変そうです。

 ここまでお付き合いくださりありがとうございました。またの作品でも、お会いできますと幸いです。ありがとうございました。


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