並行世界α 4
数日後......あの日から菜々とは話していない。いや、俺が何か喋ろうとしても話せない。菜々が俺を避けているのだ。そんなことを思っていると駆が話しかけてきた
「なぁ翔太、そろそろ黒木さんと仲直りしろよ」
「でも......」
言われなくてもわかってるよそんなことは。でもさ、今更......
「まさか今更とかこんどとか思ってるんじゃないだろうな。いいか、いつ何があるかわからないんだからこんどとか思ってるんじゃダメなんだよ。大事なのは"今"だ。ちゃんと仲直りしろよ」
そう言って駆はどこかに行ってしまった。
駆からそんなこと言われてから数日後、今日は休日だ。菜々は友達とデパートに出かけている。俺は自分の部屋でテレビをつけながらこの前言われた事を考えていた。そんな時に急にわけのわからない推理番組からニュースに変わった。
「番組の途中ですが緊急ニュースを放送いたします。本日、○○市の××デパートで爆発事故がおきました」
「......え?」
そのデパートは菜々が友達と一緒に出かけているところだった。
「いや、まだ死んだわけじゃない」
そんなことを言いながらテレビを見つめている。アナウンサーの言葉なんて耳にはいってこなかった。しかしその希望は無残にも打ち砕かれた。テロップに"黒木菜々"と言う名前を見つけたからだ
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ
菜々が死んでから数日、雨の降る日に菜々の葬儀がおこなわれた。俺は傘をさしながら家に帰っていると後ろから危ない!と言う声のあと、体に強い衝撃があった。意識が遠のいていく途中でああ、はねられたんだな。と思いながら自分の血で染まっていく道路を見ながら俺の意識はぷつりと切れた