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並行世界α(修正済み)

「……!…………た!………………翔太!」


「うおっ……なんだ菜々か。びっくりさせるなよ」


 ボーッと掃除をしていたら幼馴染みである菜々が急に声を掛けてきた。何回も呼んでいたんだろう。最終的には軽く俺を突き飛ばしてきた


「そっちが勝手に驚いたんでしょ。早く掃除終わらせて帰えろうよ」


「……分かってるよ」


 数分後、残っていたごみ捨てをクラスメイトがやってくれるらしく、俺と菜々は掃除用具を片付けて自分のカバンを取りに机に向かった。そしてどっちが決めたわけでもなく、廊下で落ち合って歩き出した


「終わったー」


「早く帰ろうよ。今日は天気予報じゃにわか雨が……あ、降ってきた」


 そう言われて窓の外を見るとポツポツと大粒の雨が降ってきていた。そういえば今朝は忙しくて天気予報を見る余裕がなかったな。最悪なことに折りたたみ傘など持っておらず、独り言のように俺はつぶやく


「あちゃー……俺傘持ってきてないよ」


「私も今日は忘れちゃったから降ってくる前に帰ろうと思ったのに」


 菜々は天気予報は見たらしい。しかし家を出る際に遅刻しそうだったために傘を持ってでるのを忘れたらしい。さて、どうするかな。そんなことを思っていると廊下の向こうから聞きなれた声が聞こえてきた。お兄ちゃんと呼んで掛けてきたのは俺の妹の愛衣だった。もう中学校は終わっていたらしい。手には傘が二本握られていた。


「どうした?こんなところまで」


 こんなところと言ったが俺たちの学校と愛衣の学校は徒歩で数分しかかからないほど近くにある。傘を二本持っていることからだいたいはわかるが本人に聞いてみると


「今日にわか雨が降るってニュースで言ってたから傘を届けに来たの!」


 その答えは予想通りだった。しかし今日は菜々も傘がないから二本じゃ足りないぞと、そんなことを言うと愛衣は少し考えてから頭の上に電球が出てきそうなほどわかったって顔で


「大丈夫です!私にまかせなさい!」


 正直な話、不安でしかなかった。


「……で、愛衣」


「何ですか?お兄ちゃん」


「どうしてこうなった」


 一本の傘は俺が使い、もう一本は菜々が使っている。愛衣はと言うと俺が傘を持っている腕に寄り添うようにくっついていた。ちらりと菜々の顔を伺うと、不機嫌そうな顔の菜々と目が合った


「あのー……菜々さん?」


「何か用なの?変態」


「なんで怒ってるんですか?」


「別に怒ってないわよ変態。妹の発展途中の胸が当たって鼻の下伸ばしてるからって怒るわけないじゃない変態」


 あ、これは相当怒ってるパターンだ。少し早口になり服の裾を掴んでいる。菜々が不機嫌な時や我慢してる時にいつも出る癖だ……謝る前にまずは訂正をしなきゃな。


「別に鼻の下なんて伸ばしてない!」


「お兄ちゃん身体が不足してるの?私だったらお兄ちゃんに全部あげられるよ!」


「愛衣も誤解を招くようなことを言うな!と言うかそんな言葉どこで覚えてきたんだ」


「ドラマだよ〜。月曜日の夜にやってるあのドラマ」


「ああ。あれか……」


今度からはもっと早く寝かせようと誓う翔太であった。それが無理なことは言うまででもない

この後、家に着くがそこで修羅場発生!?

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