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Before Dimension_20XX
このノートを終わりにする。
急いで書き連ねる。
組織のサーバに『データディメトロン』及び『アルカミレス』の分子構造式を暗号化して流し込んだ。
これで引き継ぎは終わりだ。
会社には休暇を申請した――というより、私の体がディメトロンの浸食に耐えられず、
社会的な機能を喪失するまでの残り時間をカウントダウンする手続きだ。
相談所のパンフレットも申請した。
相談所、というのはカバーストーリーだ。
だってどうせ死んでしまうのだから。
ディメトロンに浸食され、意志を持ったまま社長の傀儡となるより、
人間として死ぬ方がましだ。
本日起きた地震は……いや、その話がしたいわけではない。
俺は社長--母親の暴走に対して懸念を覚えているのだ。
母親は美しさを求めて、俺を実験動物のように扱う。
『ディメトロン』を投与し続ける。
もう疲れてしまったのだ。
ここまでは引き継いだ、ここまでは。
遼子、このノートを『読んだ』ら破いて捨て去ってくれ。
遼子ではない組織のメンバーへ
もしもあなたに心があるなら、このノートを遼子あてに渡してください。




