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婚約者にはなりません!!  作者: まちゅ
9/10

ご対面

王家からの迎えの馬車がやってきた

「リリー嬢でいらっしゃいますね。どうぞこちらへ」

従者の言葉に従い馬車に乗り込む


王宮の馬車と言うだけあってとっても煌びやかで丁寧に作りこまれている。


リリーはとても緊張していた。

好きな人のために、これから長い間王族を騙すのだ。

並大抵な覚悟では、途中で挫けてしまうかもしれない。



私...アレックスお兄様のために必ずや立派な婚約者候補になりきって見せますわ。

スカートの上で拳をぎゅっと握ったあと、天を仰いだ。


窓を開けると、外の景色はリリーの気持ちとは裏腹にスッキリと晴れ渡り、柔らかな風が頬をなでる。暖かな日差しが心地よい



「リリー嬢到着いたしました」


「はい。」

場所を降りる前もう一度深呼吸をした。

もう後戻りはできない。



.....

...

..


通されたのは王の謁見で使う豪華な部屋だ。

既に他の候補は到着し、ソファーに座っていた。


ラベンダーとデイジーだ。

ラベンダーは落ち着いており出された紅茶を美しい所作で飲んでいる。



デイジーは落ち着かないのかキョロキョロと部屋を見渡しソワソワしている。


「ご機嫌よう。リリー様。こちら掛けてくださいな」

ラベンダーがリリーへ声をかけた。


リリーも挨拶をしてラベンダーの横へ腰を下ろしす。


ラベンダーは意外なことにもお喋りが好きなようで、リリーに沢山話しかけてきた。

リリーより3つ年上のラベンダーの話は、リリーの知らないことばかりでとても興味深かった。


その間デイジーはこちらをずっとみていたが会話に混ざることはなかった。


ガチャ

部屋の扉が開いた


国王 に続き王妃 王子 それから名だたる講師陣たちが入室してきた


ラベンダーとリリーは慌てて立ち上がり完璧なカーテシーを

「王国の光り輝く太陽にご挨拶いたします」


「え、えっと、あ、王国の太陽にご挨拶いたします」

デイジーはラベンダーとリリーの行動を真似するように不格好なカーテシーを。


そして王からの許可がないにも関わらず、目線をあげ、あろう事か王子に手を振ったのだ。


王子は嬉しそうに手を振り返す

王は楽にせよとカーテシーを続ける2人に声をかける。


スっと顔を上げた2人

微笑む王と王妃 デイジーに夢中な王子 デイジーに対し鋭い目線を配る講師陣


「今日は候補になってくれたお礼と、講師陣の紹介を兼ねての親睦会だ。無礼講だと思ってくれ。なんせ将来の娘になるかもしれぬからな」



王の言葉が合図となり、あっという間に食事の準備が整えられていく。

なんとも豪華で、それでいて子供でも食べやすい味付けのものばかりだ。

きっと王妃の配慮なのだろう


「では頂こう。先程も伝えたが今日は無礼講だ。家族と食事する時のように楽にしてくれ。」

王の言葉で食事が始まる。

王妃が気をくばり3人へ話しかける。

講師陣達も会話に参加し笑いが起きる場面も多かった


会話はどんどん難しい物に変わるが貴族としての嗜みの範囲なため、苦痛とも思わず、これが適正の検査のようなものとはちっとも思わなかった。


途中からデイジーは会話に参加せず、王子と2人の世界に入っていた。




そうして顔合わせは何事もなく幕を閉じたのだった。


リリーは有難いことに実質ライバルであろう候補同士の

ラベンダーという姉のような友達?同志?ができたのだった。


翌日より王太子妃教育が始まった


王国、帝国の歴史に淑女の作法に数学や領地の事 他国の言語 貴族の関連図等 覚える量は膨大だ


これから王太子妃になるために学ぶ項目は果てしない..。


予め自宅で貴族教育を受けてきたため、初めの1週間は難なく講義を理解できたリリーだが、リリーのレベルの高さに合わせるように講義のレベルもどんどん上がり 、

できるか、できないかのギリギリをいつも講師陣が準備し悪戦苦闘する毎日と変わるのだった....





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