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第39話:正義の「生中継」――大義は光の中にあり

国境線に立ち込める緊張感。


対峙するは、ボナパルト伯爵率いるカスティア帝国軍三千。


対するアスベル領主軍は、精鋭数百。  


数だけ見れば圧倒的な絶望だが、レナードの瞳には冷徹な計算が宿っていた。


「ナオ、王都の魔力水晶へのラインは確保できているか?」


「バッチリです、レナード様。王都の中央広場から、貴族街の噴水前まで。今、王国中の目がこの国境に向けられていますよ」


王都震撼:一方的な「侵略」の暴露

 王都、中央広場。  


突如として巨大な魔力水晶が輝き、武装した帝国軍の姿を映し出した。


『王国の皆さんに、緊急の報告をします。アスベル領主、レナードです』


 レナードの声が王都中に響き渡る。


『今、私の目の前には、我が国の主権を無視し、不当な要求を突きつけてきたボナパルト伯爵の軍勢がいます。彼らは、自由を求めて逃れてきた無辜の民を「財産」と呼び、返さなければこの地を焼き払うと宣言しました』


 画面が切り替わり、怯える子供を抱きしめる難民の母親や、傷ついた老人たちの姿が映し出される。


それらはすべて、シオン(広報官)が事前に編集・構成した「心を揺さぶる」映像だ。


「なんてことだ……。帝国はわが国の領土を、そんな理由で踏みにじるのか?」


「レナード卿は、あんな小さな手で民を守ろうとしているのか!」  


王都の民衆から、帝国への怒りとレナードへの同情が沸き起こる。


政治的布石:王へのメッセージ

 レナードはカメラ(ドローン)を見据え、言葉を継いだ。


『陛下、ならびに諸卿。私はこの不当な侵略に対し、アスベル家、ひいては王国領主としての誇りにかけて抗戦します。……もし、私がこの戦いに勝利し、侵略者の根源である「元凶の地」を制圧することがあれば、それは王国の安寧を脅かす芽を摘み取った証。その際、その地を管理する栄誉を、我がアスベル家に賜りたい!』


 この宣言こそが、レナードの真の狙いだった。


先に「自衛のための反撃」であると宣言し、その様子を全国民に「証拠」として見せる。


こうすることで、後々に敵の領土を奪い取っても、王家はそれを「正当な報奨」として認めざるを得なくなるのだ。


開戦:情報のバフ、発動

「ボナパルト伯爵。……あなたの軍の配置、兵糧の積み荷の数、魔法使いの魔力量。すべて15万人のリスナーと、この私が解析済みだ」


 レナードが右手を高く掲げる。

「全軍、撃て!」


 **ミラ(射撃部隊)**の魔弾が、正確に帝国軍の指揮官たちを狙い撃つ。  **ブルカン(重装魔法部隊)**の障壁が、敵の初動の魔法を完璧に無効化する。  そして――。


「レナード様。私に流れるこの光、すべてを焼き払うためではなく、明日を照らすために使わせていただきます」


 リヴィアが、空中に展開された15万人の「いいね(LP)」を纏い、純白の流星となって帝国軍の陣頭へと突っ込んだ。


日本配信画面(視聴者18万人突破)  

コメント:王都にも中継とか、レナードの政治力ヤバすぎw  

コメント:これもう「自衛」ってレベルの圧倒的な武力行使なんだがww  

コメント:王様もこれ見てるんだろ? 領土拡大確定演出きたな。  

コメント:【ギフト:¥1,000,000】リヴィアの演出に金使え! もっと光らせろ!


 国境を越えようとした帝国兵たちが、見たこともない「情報の軍隊」の前に次々と崩れ落ちていく。  レナードは、崩壊し始めた帝国軍の向こう側に見える、肥沃な隣領の土地を見つめていた。


「さあ、ここからが僕たちの『営業拡大』の時間だ」

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