第7話 交渉相手
午後5時俺は指定されたカフェに到着していた。
「こんにちは。連絡ありがとうございます」
待ち合わせの相手が俺の座っていた席に現れる。
どんな人かと思っていたがかなり色気のある女性だった。
俺は彼女に見覚えがあった。
「初めまして京島セラさん」
「やっぱり同じ高校の人だったんだ。どこかで見たことあると思っていたんだ」
彼女は俺と同じ高校に通う同級生。クラスは同じではないが、学年では高嶺の花としてかなりの有名人だ。
世間は狭いとはこういうことをいうのではないだろうか。
「学年のマドンナもこの血なまぐさい大戦に参加していたんですね。理由を聞いても?」
「私はお金かな。服とか化粧とかお金かかってるんだよね」
「魔剣の瞳狙いってことですか?」
「それはちょっと違うかな。私にも叶えたい願いがあるの」
セラは届いたカップに手を伸ばす。
結構大人っぽい見た目してかなり甘党なんだな……
俺は彼女の飲むカフェオレを見てそう印象に残った。
「ギルドに入りたいそうですが、なんでランキングにも入らない俺と会ったんですか? メールだけじゃ同じ高校に通っているなんて分からないのに。それともそういう魔剣の能力なんですか?」
「なかなか鋭いね総司君。でも、私が今日総司君に会ったのは少し面白かったから」
「面白い?」
「私これでもソロで結構名前通ってるんだ。それだから周りのギルドも遠慮するのに。堂々とメッセージ送ってくるから逆に気になちゃって」
魔剣保有者はお互いに相手の魔剣の瞳の所有数を知ることができる。
魔眼と言うのだろうか。魔剣保有者を識別でき、少なからず相手の情報も知ることができる。
彼女が迷いなく俺に話しかけてこれたのもこの魔眼のおかげだろう。
京島セラ。魔剣の瞳、保有数240!
「どうしたの急に目をそらして?」
「なんでもない……」
ソロでこの数を集めるということはかなり強い魔剣を持っていることは間違いない。
ここはなるべく話を合わして帰ろう。
今の俺では相手にもならないだろう。
「ちなみに君の魔剣強いの? ランクは?」
「なんだランクって?」
「なんにも知らないんだ……。魔剣にはランクが割り当てられてるの。使い手にもよるけどランクが高い魔剣であればあるほどその性能は人知を超えたものになるの。自分の魔剣を魔眼を通してみれば分かるはずよ」
俺は自分の魔剣を見てみる。
破壊の魔剣:SSランク
「これってどれくらいの強さなんだ?」
「あははーー。初めて見たよSSランクなんて。日本で持ってるのなんて片手で数えられるくらいじゃないの?」
「そんなにすごい魔剣なのか……」
「知ってる? その魔剣は魔剣大戦の第二回で勝利した魔剣なんだよ。もしかしたら君もいい所までいけるかもね」
セラは少し興奮ぎみに過去の文献を見せてくれる。
過去にこの魔剣で栄光を掴み取った人物は一体どんな願いをしたのだろうか?
それになぜこの魔剣は俺を選んだのか。
俺にはそれが不思議でならなかった。
「それでギルドには入ってくれるのか?」
「そうだね……ギルドに入ったあげてもいいかもしれないって思ってる。って言っても手を組むってだけだけどね」
「もしかして試されているのか俺?」
「そういうこと。結構期待してるんだ君の事」
彼女は俺に期待の眼差しを向けてくると同時に厳しい視線も向けてくる。
「でもね、どんなに強い力を持っていてもそれを使いこなすだけの器がなければ一流とは言えないの。実際魔剣の性能だよりの使い手はランカーたちには通用しないから」
「豚に真珠ってことか……」
「まあ、まだまだ伸びしろがあるって捉えた方が今はいいかもね。それに……私の願いは君と同じだと思っているの。1年前の事私も関係あるから」
「今その話はやめておこう。お互いのためにも」
俺はセラと連絡先を交換しカフェを後にした。




