第三話、2人のトラウマ。
注意
作者は神奈川県出身です。
グロテクスな表現があります。この作品は、史実に沿ったif歴史の日本に生まれた者たちを描いております。
グロテクス、が苦手な方は次話までお待ちください。
第三話、2人ののトラウマ。
父さん!母さん!
西暦2011年3月11日14時46分東北地方太平洋沖地震発生。死者行方不明者18,425人強
復興不可能地域福島県沿岸部
宮城県石巻市石巻市立湊小学校
誰もいない校庭に、1人の少女が地面に足をつけて座って泣きながら地面を叩いている。
パパァ。ママ。
旅行に宮城県に来ていた俺たちは親を失った。
この時の俺たちは見殺しにしか出来ず、ただ逃げることしか出来なかった。
これが、俺たち2人を自衛隊や警察に入るきっかけとなったもう一つの物語である。
俺は、この時、どう岡本を、なだめれば良いのか、分からないで泣いてるカヨコを傍観するしか出来ずに見ていた。
カヨねぇ。
俺も親を無くした。それで何も言えなくて俺も声は我慢できていたがそれでも、涙は流れまるで小川の如く、涙が流れ出す。すると一等陸士の隊員が近づき、俺に話しかける。
辛かったな。お巡りさんから聞いたよ。
パパやママは残念だったな。
この自衛官も同情してくれた。いや、当時、東北にいる者なら誰しもが、泣いて同情してくれるかもしれない。だって、5歳にして親を失って生きる希望すらお互い無くしていたのだから。
うぅ。父さん。母さん。
泣くしかない。いやこの状況でどうやって泣くなと言うだ。
すると自衛官が、言った。今となっちゃ俺にとって、いい復活薬になったのかもしれない。
俺もな。ガキの頃、兵庫の阪神で、親や友達、愛した人を全員亡くした。けど、人間時間経てばどうにもなる。今は辛いかもしれないが、頑張って生きろ!
俺は、当時、出せる声を精一杯振り絞って言った。
あっ、あの。
どうした?
と、一等陸士の自衛官が話を聞く。
カヨコを、あの子を慰めてもらえませんか?
僕には、とても背負えません。
と、再び、大粒の涙を流す。
分かった。。。
と、学校に入り、女性自衛官を連れてきた。
どの子?
と、確認をしてくる。
あの、、あの子です。
と、地面を叩いて号泣している、カヨコに指をさして教える。
俺は耐えきれなくて、気絶した。
ハッ!?と、起き上がり、キョロキョロと、周りを見る。
隊長?どうしました?
と、倉田が問いかける。
ああ。昔を思い出した。と、トラウマを過ったことを言うと、倉田が言う。
センパイ、東北出身ですもんね。
ああ。3.11は、俺の一生のトラウマだ。
俺は被災者ときて生きてきた。差別もされた。
それで、地震が起こるたびに、俺にちょっかいをかけてくる人間を殴り倒し、病院送りにしてやった。そのせいか拳のタイマンは誰よりも強くなった。
うぅ。と、後部座席から寝ている連中の中で紫と、赤色を混ぜたような髪色をした、女、岡本カヨコがうめいている。
カヨねぇ。
俺はトラウマを背負い、異世界を生きていかねばならないらしい。
つづく。