表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

神による「小さな親切、大きな御世話」

作者: HasumiChouji

 ふとした気紛れで、下界で使われている「インターネット」とやらを天国にも導入する事にした。

 そして、目にしたのはSNSとやらでの、こんな書き込みじゃった。

「ロスジェネ底辺には未来が無いのでベビーカーに優しくするメリットがない」

 ……ここの所、人間は増えているのに、天国に来る魂が減っていたが……人間達が隣人愛を失ないつつ有った為であったのか……。

 では……この者達に「未来」を与えてやる事にしよう……。


 それから数十年が経った。

 あの日より後、天国まで来る魂は0になった。

 まぁ、人間を不老不死にしたので、それも当然……おい……待て……どうなっておるんじゃ?

 人間を不老不死にした筈なのに、「天国の門」まで魂が来ておる。

 しかし、その魂は1つ残らず「天国の門」を通れず、地獄行きになっておった。


「『天国の門』の鍵を預けているペテロよ。そなたに聞きたい事が有る」

「主よ、何でしょうか?」

「何故、儂が人間を不老不死にしたのに……『天国の門』まで死者の魂が来ておるのじゃ?」

「はい、主が人間を不老不死にした後、人間達が、不老不死になった自分達を『安楽死』させる方法を見付けましたので」

「では、『安楽死』した魂を、何故、全て地獄行きにしておるのじゃ?」

「地上で『安楽死』出来るのは、今の所、金持ちだけでございますので……」

「ま……まさか……」

「はい、主の一人子にして、我が師の『金持ちが天国の門を通るより、駱駝が針の穴を通る方が容易い』と云う言葉に従い、金持ちの魂は無条件で地獄に引き渡しております」

「で……では……『安楽死』出来ない貧乏人はどうなっておる?」

「はい。死ねないまま、地上で苦しみ続けております」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ