表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

壊れた心

 彼女に出会ったのは高校1年の時、新しい環境に不安でいっぱいだった俺に、優しく声をかけてくれた。

「私、七海(ななみ)って名前なの!よろしくね!」七海はクシャッとした笑顔で俺の隣の席に座った。ショートカットがよく似合う元気な明るい女の子だ。一目で好きになってしまった。

「俺、、、一輝」俺は彼女を避けるようにボソッと呟いた。女子と仲良くすると茶化(ちゃか)される、思春期特有のアレが嫌だったからだ。この時、もっと素直になっていれば、あんなことにはならなかったかもしれない。

 


 数ヶ月が過ぎ、新しいクラスにも慣れてきた頃、俺はいつも通り学校に行き席に着いた。机の上には、四つ折りにされた小さなメモ用紙が置かれている。紙を開くと七海からのラブレターだった、驚きと嬉しさでニヤケを抑えることが出来なかった。内容はとてもシンプルに、「私と付き合って YES or NO」と書かれていた。あまり話した事は無かったが、俺はすぐにYESにマルをつけ七海の机に置いた。

 付き合い始めてからは、少しづつ互いの距離を縮めて行った。家では毎日LINEをして、放課後には一緒に帰った。だが、学校の中では今まで通りあまり話をしない。周りに茶化されたく無かったからだ。そんな生活がとても楽しく充実していた。あの日までは、、


 

 高校1年生の終わりに、突然その日がやってきた

「実はさ、一輝(かずき)に告白したのドッキリだったんだよ、、」その一言で俺の頭は真っ白になった。「え、ドッキリ?なにそれ」今までの楽しい思い出が、粉々に砕け散る音がした。

「一輝って女子に慣れてなさそうだから、からかってみたかったの、でも一緒にいたら楽しくて、嘘ついてるの辛くなっちゃって、、」悲しそうな声で七海は言った。悲しいのは俺の方なのに。

「じゃあ俺たち付き合ってなかったんだ、そっか」俺は怒りと悲しみを押し殺しボソッと呟いた。



 その日から彼女への復讐だけが俺の生き甲斐(いきがい)になった。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ