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イプシロンが飛び出したのを皮切りにパイ、ロー、ナルシス兵、操られた現地人たちが総攻撃を仕掛けてきた。赤く光るやいばや弾丸、狂ったように次々と伸びてくる腕、腕、腕。複数の攻撃が八方から江姫を狙う。さすがの江姫もどうしたらいいかわからないようだった。英麻とみなみは江姫のすぐそば、その外側を囲む形でハザマたち隊員五人がつき、必死でメビウスの手から彼女を守ろうとする。

しかし、大勢の敵を相手に英麻たちが劣勢なのは明らかだった。


懸命な英麻たちの姿を前に、舞子はもどかしさでいっぱいだった。

みんな、あんなに頑張ってるのに。

私には何もできないの?

スピカのそばでしゃがみ込んだまま、舞子はうつむきかける。

その時だった。スピカの操作盤にはめ込まれていた、宝石のようなオレンジ色のボタンが光を放ったのは。

まるでボタンからオレンジの蛍の光が抜け出してきたかのようだった。光は迷うことなく舞子に向かってくる。

「あっ!」

一瞬の出来事だった。

オレンジの光が舞子の左手首にはまったスカイジュエルウォッチに飛び込む。腕時計の文字盤である空色の宝玉、スカイジュエルの中に。

「これは…」

左手首を目の前に持ち上げた舞子の耳にある声が聞こえた。


―――あのタイムマシンを直せるのはあなたしかいない。勇気を出して―――


その聞き覚えのない少女の声は不思議と舞子を落ち着かせてくれた。

白い花びらがひとひら、目の前を過ぎった。桜の花びらだった。

舞子は立ち上がり、左手のスカイジュエルウォッチを天高くかざす。スカイジュエルから明るいオレンジの光が放たれた。

白い雲とオレンジの花びらが巻き起こる。それらは瞬時に舞子の体を包み込んだ。

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