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一方、英麻たちは謎の現地人ダンサーズにほとんどもみくちゃにされかけていた。もはや、他のメンバーがどこにいるのかわからない。
現地人たちの踊りはいっそう激しさを増し、ダンスバトルまであちこちで始まっている。
「もうやだーっ。一体、どうなっちゃってるの…ひいいっ!?」
乳母のヘッドスピンに直撃されかけ、英麻は必死で飛び退いた。
「吹っ飛ばされるかと思った…何なのよ、あの踊り魔軍団はっ」
無表情で完璧にパラパラを踊り続ける家臣の男たちを見た英麻は何かが引っかかった。
『あの現地人たちが踊った踊りの中には、まだこの時代の日本に存在しないものかなり混じってる』
先ほどサノはそう言っていた。
過去の時代にないはずのものが、存在している。なぜなのか。
もしかして、誰かが未来から持ち込んだってこと?でも、誰が。
ぴくっと体が緊張した気がした。
まさかこれって。
―――メビウスの仕業?
踊りの勢いはどんどん強まっていく。