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炎と煙に包まれる夜の城。

かろうじてまだ火の手が上がっていない城の一角に一人の女がいた。帯に小刀を差したその女は淋しそうに微笑んだ。

「母上ッ、いやです!母上ッ」

女の視線の先には江姫がいた。両脇を茶々姫や初姫、従者たちにつかまれた江姫はそれを必死に振りほどき、女の元へ走ろうとする。だが、抵抗むなしく、彼女は女から遠ざけられた。女は背を向けて城の奥へと消えていく。

鎧装束の男たちに囲まれながら、江姫、茶々姫、初姫は城から連れ出された。

三姉妹の後ろでついに城全体が焼け落ちる。


景色が切り替わった。

茶々姫と初姫の姿が見える。薄暗い部屋で二人は寄り添い、人目もはばからずに泣いていた。

ここは安土城の中なのだ。英麻には何となくわかった。

ひたすら涙を流す二人の姉から離れたふすまの陰で、江姫はうつむいていた。こみ上げてくる涙を乱暴にぬぐい去る。

「泣くもんか」

かすれた低い声がした。

「ここで泣いたらきっと止まらない。姉さまたちより長く、ずるずる泣き続けるに決まってる。だから…絶対に泣くもんかっ」

江姫はぎりっと歯を食いしばった。

これって。

もしかして、江姫の過去の記憶?

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