美少女のゲロは虹色だった
あれから桃色ミニドラゴンさんを満足するまで抱っこして、くんかくんかして、ぺろぺろはさすがにしませんでしたが、そんな勢いで揉みくちゃにしてやりました。
「……ハイポーション150万エルで買取します」
「どうも」
「ひっ……、ありがとう、ございました……」
ロトルルちゃんちょっとやすぎちゃったかも、てへぺろりんちょ。
リンさんがジト目で私の事を見てきますが、こんな事で私たちの友情は崩れたりしません。しませんよね?
その後、ヒズル国ガナサキ島行きの通行証を無事にゲットした私はゲート前でリンさんと握手を交わしました。
「近いうちに戻って来ると思いますので、その時はよろしくお願いしますね」
「ええ、楽しみに待っているわ!」
「では、行ってきます!」
「行ってらっしゃい!」
大きなゲート門を潜り、一瞬の浮遊感と目が回るぐるぐる感に襲われ「あれ、いつもと違うな?」と思いながらしばらく耐えていると周りの景色が変わり、無事に転移が完了したようでした。
「ふぅ……ゲボオオオオオオオオ!! オエェ、ゲボオオオオオオオオ!! ゲホッ! ゲホッ! おえぇ……」
吐くつもりなんてこれっぽっちも無かったのに吐いちゃいましたよ……。
これ、ドラゲン島からガナサキ島まで結構距離が離れているという事でしょうか? それともゲートに不具合があるとか?
「うぅ、酷い目にあった……」
咄嗟にスカートでゲロを受け止めましたが、さすがに自分のゲロには興奮しませんね。でも、インベントリには入れておきます。念の為です。
ちなみにアイテム名はロトルルの虹色な嘔吐物と表示されました。
ドーピングとか改造とか散々やらかしているので、私の嘔吐物が虹色になっていても不思議ではありません。
清掃魔法で服を綺麗にしてから辺りを見回すと、ゲロに塗れた人たちだらけでちょっとした地獄絵図が広がっていたので、早々に立ち去ります。
とりあえずヒズル国からアルリナの居るメボン国に戻る時はドラゲン島を経由しようと思いました。
ゲート広場から街へ……ていうか、狭いなここ……。
この島一周するのに30分は掛かりませんよ……。
街並みは……街並み? というか集落は茅葺き屋根の古民家風建物と武家屋敷風建物が立ち並んでいます。
「これでは戦国時代か江戸時代か判断出来ませんね……」
少なくても日本文化っぽさは感じられるのでヨシッです。
通行人は背の低いヒゲモジャおじさんたちと少女が数人、みんなバンダナとエプロン、それに厚手のグローブを身に付けています。
「ドワーフですね。分かります」
皆さん鍛冶職人か何かなのでしょうね。
それにしては鉄を打つ音や煙なんかはありませんが、魔法で対策とかしているのでしょうか?
「ま、いいか。それよりも日本食があるのかどうか、それが問題です」
そんなに広い集落ではないので、すぐに飲食店は見つかりました。
「この甘くて香ばしい匂い……間違いありません!」
急いで店内に入り、空いている座布団に座ってメニュー表、ではなくお品書きを確認。
「日本語? いや、ヒズル語か」
カタカナ主体の縦書き文字です。漢字も微妙に違和感がありますが読めなくはありませんね。
「ウナ重、代2000エン……エン?」
目当てのウナ重を頼もうとしましたが、よく見るとエルではなくエンと書かれていました。
通貨が違うというのは初めての事だったのでちょっと驚きです。
ドワーフ少女の店員さんに両替出来るか聞いてみましょう。
「すみません。エル通貨をエンに両替出来ますか?」
「出来るけど、あんまり沢山は出来ないよ? あと外国のギルドカードは使えないから現金だけだよ」
「あ、そういう……。すみません先に両替屋に行ってきます」
「あはは、いつでもおいでよ!」
微妙に恥ずかしいのはなんなんでしょうねまったく。
両替屋の場所を聞くとゲート広場にあると言われたので更に恥ずかしくなってしまいましたよ。
田舎村でおのぼりさん扱いされるとは思ってもいませんでしたね。あー恥ずかしい。
ゲート広場に戻り、両替屋へ行きます。
「今日のレートだと100エル1エンだね」
「やっす……」
さすがに安過ぎるので両替はやめて、どこかのギルドでポーションを売る事にしました。




