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究極の力を手に入れた

「さて、リンさんとはここでお別れですね」


 ヒズル国ガナサキ島行きのゲート前までわざわざ案内してくれたリンさんにお別れを告げます。


「また会えるわよね?」

「ええ、次は姉と一緒に来る予定なので、その時はよろしくお願いしますね」

「お姉さんが居たのね」

「可愛い姉なのできっとリンさんともすぐに仲良くなれますよ」

「ふふ、じゃあその時を楽しみに待っているわね」


 リンさんに手を振って私はヒズル国ガナサキ島行きの通行証を買いに売場へ行き、50万エルすると受付に言われてリンさんの元へ出戻りました。


「どうしたの?」

「お金が、足りませんでした……!」

「そっか」


 なんだか嬉しそうですねリンさん。私は穴があったら埋まりたい気分ですよ。


 と言う事で急遽金策をしにリンさんと一緒に冒険者ギルドへと向かいました。


「高額報酬の依頼ってすごく難しい物ばっかりよ?」

「ポーションでも売ろうかと」

「なるほど」


 冒険者ギルドに入ると、昨日と同じリンさんと言い争っていたトカゲっぽい顔立ちをした銀髪の受付嬢が居たのでハイポーションの買取をお願いしました。


「買取お願いします」

「おはようございます。ポーションの買取ですね。少々お待ちください」


 鑑定用の虫メガネを取り出してハイポーションをじっくりと鑑定していますが、変な成分は入っていませんよ?

 むしろ不純物ゼロがおかしいって事ですかね?


「……すみませんが、もうしばらくお待ちください。私では買取価格の判断が出来ませんので担当の者を呼んで参ります」

「分かりました」


 鑑定用の虫メガネの鑑定スキルレベルが低くて成分や効能が分からなかったとかでしょうか?


 リンさんの柔らかい手をモミモミとマッサージして手慰みしながらしばらく待っていると、カウンター奥から桃色のミニドラゴンが翼をパタパタと羽ばたかせてこちらにやって来るのが見えました。


 え、かわヨ……。


「お待たせしましたね! ポーションの買取を希望という事ですが、こちらハイポーションではありませんか?」

「そうですけど……?」


 ハイポーションだと何か問題でもあるのでしょうか?

 というかこのミニドラゴン声もめちゃかわなんですけど、連れて行っちゃダメですかね?


「そうでしたか、ではハイポーション1本200万エルで買取させていただきますね!」

「たかっ!? ロトルル200万エルだって!!」


 200万エルという高額な値段を聞いて、私の肩を掴んでガクガクと興奮したリンさんに揺さぶられてしまいました。


「落ち着いてくださいリンさん。でも確かに高額買取ですね。リコルス国では100万エルでしたけど買取価格合ってますか?」

「ええ!? リコルス国では100万エルなんですか!? でしたら値下げ交渉をお願いしたいです! 150万エルぐらいでどうでしょうか!?」


 値下げ交渉下手過ぎるでしょ、でも可愛いからオッケーです!


「良いですよ」

「ダメよ! ロトルルも余計な事言って、これじゃ大損じゃない!」

「まぁまぁ、ヒズル国に行けるお金があれば私はそれで良いんですよ」

「でも!」

「確かに150万エルは値下げし過ぎましたね! 190万エルでどうでしょうか!」

「良いですよ」

「ダメだから! 200万エルって最初に言ったんだから200万エルよ!」

「うぅ……では200万エルで買取、します……ぐすっ」


 なんだかマスコットキャラクターをいじめているみたいで変な罪悪感が、というかいじめてるのリンさんなのに何故私が罪悪感を抱かねばならないんでしょうかね?


「ではこうしましょう。私のお願いを聞いてもらう代わりに150万エルで買取をしてください」

「本当ですか!?」

「50万エル分のお願いなんて、どんなお願いよ?」

「まぁ、その、あなたを抱っこさせて欲しいなぁ、なんて……ダメでしょうか?」

「それぐらいお安い御用です!」

「ええー! 抱っこで50万エル!?」

「私にとってそのぐらいの価値があるという事ですよ。リンさんも抱っこさせてくれるなら50万エル払いますけど?」

「うっ……親友なんだから抱っこぐらい、タダで良いわよ……!」

「リンさん……ぎゅー」

「ロトルル……ぎゅー」

「あの、私は……」


 リンさんから深く信頼されているようです。

 リンさんとの友情が更に深まったような気がしますね。

 んっ……!?

 頭の中で、不思議な声が囁きました。


 汝、ついに真実の絆を得たり。

 ここに、友情の力はその最奥を開かれたり。

 我、汝に友情の究極の力を授けん。


 ロトルルはかけがえのない絆の力を手に入れた!


 友情ボーナススキルが追加された!!


「何ですか、それ……」

「どうしたの?」

「変な電波を受信してしまったみたいで……いえ、なんでもないです」


 自分のスキルを鑑定スキルで確認してみると友情ボーナススキルというものが追加されていました。

 スキル担当の神の助手になったという、まつろわぬ神サナノウタが何かしたに違いありません。恐ろしや……。


 まぁ、でも、せっかく貰えたスキルの説明ぐらいは見てもいいでしょう。


 友情ボーナススキルとは、スキル効果範囲内に居る友情を結んだ仲間ユニット1人につき100%の経験値ボーナスが追加され、その仲間ユニットにも経験値ボーナスが10%追加されるスキルです。


 ゲーム感覚ですか、そうですか。でもめちゃくちゃ使える有能スキルなのでこのままにしておきます。ありがとうございますサナノウタ神様。


「あの……抱っこの件は……?」

「あ、はい。抱っこさせてもらいます」


 変な事になってしまいましたが、悪い事では無かったので今は桃色ミニドラゴンさんをぎゅーっと抱きしめたいと思います。

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