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逆立ちしながら脚で岩を持ち上げられるフレンドだった

 人型ヤモリのヤモリンことリンさんと一緒に冒険者ギルドで食事をとり、今はドラゲン島観光へとリンさんの案内でやって来ています。


「このドラゴンの泉は、お金とか光り物を投げ入れると願いが叶うという伝説があったり無かったりします」

「ふむふむ」


 現金は今持っていないので、その辺に転がっている小石を拾い、錬金スキルで金属変化させて金に……。


 銅、銀、鉄、銅、鉄、鉛、銀、鉄、銅、銀、鉛、鉄、銅、金、銅、あ、鉄、金、鉄、あ、あ、銅、鉄、鉛、ミスリル、銅、プラチナ、アルミニウム、銅、オリハルコン、銅、オリハルコン、鉄、金、おっとっと!


「ヨシッ!」

「小石を拾ってピカピカさせてたけど、何してたの?」

「錬金スキルで金に変えていました」

「へぇ……へ?」

「ホイっとな」

「あー!」


 金に変えた小石を泉に投げ入れて、世界中の美人なお姉さんたちと仲良くなれますようにと、両手を合わせて願いました。


「これでヨシっと」

「ね、ねぇロトルル、金に変えられるって言ってたけど、どんな石でも金に変えられるの?」

「運が良ければ、そうですね」

「ふ、ふーん……じゃあ、この石でも出来るのよね?」


 リンさんが足元に落ちていた石を拾い上げて、私に金属変化させようと露骨にアピールして来ました。可愛いですねぇ。


「出来ますけど……欲しいなら欲しいって」

「欲しいです!」

「正直に言えたリンさんには特別に、リンさんが持ち歩ける重さの石を一つだけ金に変えてプレゼントしてあげますね」

「本当!? 本当よね!? 嘘付いたら絶交だからね!」


 と、リンさんが言い残すと、物凄い勢いで道端に埋まっていたバランスボールほどの大きさの岩を持ち上げ、私に差し出して来ました。恐ろしく速い動き、リンさん侮れませんね。

 それはそうと、人の大きさでヤモリの素早さを出されるとちょっとビビります。


「そんな大きな岩、持ち歩けるんですか?」

「余裕よ! なんだったら脚に抱えて逆立ちだって出来るんだから!」


 そんな前世で大人気だった猫娘型アンドロイドが活躍する作品、イエねこんの話の導入で毎話のように使われていたサワギちゃんに煽られた時のミジカくんみたいな安請け合いなんてしちゃって、私の嗜虐心に火をつけるような事を言われてしまったら試さずにはいられないじゃないですか。クヒヒ。


「本当に出来たら金より価値の高い金属に変えてあげますよ」

「よ、余裕よ! 見てなさい!」


 欲に目が眩んだリンさんは、持っていた岩を一旦地面に置くと、その場で逆立ちして先程地面に置いた岩を、脚を器用に使って持ち上げてしまいました。


「ど、どう! ちゃんと出来てるでしょ!? ぐぐっ! もう下ろして良いかしら!?」


 多分100kgぐらいはある大きさの岩を逆立ちして脚で持ち上げるなんて、このスーパーヤモリ人凄すぎです!


「すっごーい! リンさんは逆立ちしながら脚で岩を持ち上げられるフレンドなんだね!」

「ええそうよ! だから! もう! 下ろして良いわよね!?」

「うっわー! すごいなー! 私にはそんなすごいこと出来ないよ!」

「ふぬぬっ! も、もう、むり、下ろすわよ!? 下すからね!?」

「もうちょっと見てたいなぁ……」

「くぅぅっ!?」


 私の意地悪発言で下ろしかけていた岩を再度持ち上げ直すと、真っ白だった体は紅潮し、血管などもムキムキっと膨れ上がって、リンさんの可愛らしい顔が鬼のような形相になり、そんなふんばりマックス限界突破で頑張ってくれたリンさんに私は大変満足出来ました。


「もう下ろして良いですよ」

「……タスケテ」


 すでに限界を超えてしまっているので、リンさんは下そうにも少しでも動くと岩に押し潰されてしまう状態みたいなので、岩をストレージに仕舞ってあげました。


「カヒュー……カヒュー……」

「リンさんよく頑張りました! えらいえらい!」

「もうむり、死ぬ……」


 満身創痍といった具合で地面に横たわって荒い呼吸を整えているリンさんに、ストレージからメガポーション2本を取り出して合成し、エクスポーションを作って飲ませてあげます。脳の血管とかが破裂しているとヤバイですからね。


「体力も回復出来るポーションです、グイッと飲んじゃってください」

「はぁ、はぁ、そ、そう、じゃあ、貰うわね……んく、んく、んく、ぷはっ! 何これ美味しいっ!?」


 美味しい? はて? エクスポーションは水の味しかしないはずですが、ヤモリ族の味覚では美味しく感じるのでしょうか?


「このポーションもっとちょうだい!」

「良いですけど、場所を移しましょうか。いつの間にか人集りに囲まれちゃってますので」


 ざわざわと騒ぎを聞き付けてやって来た人が人を呼んで、どんどん観光客たちが集まって来てしまっていました。


「ひょえっ!? そうね! 次は静かな場所に行きましょうか!」


 リンさんのぷにぷにとしたヤモリの手を取って起き上がらせると、そのまま手を繋いでダッシュでその場から逃げ出しました。

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