可愛い人型ヤモリのお姉さんを見つけたので後をつけてみた
ドラゲン島観光を楽しんでいたロトルルは、見た目が人型の全体的に白くて可愛らしいヤモリ(可愛く見えるかは個人の感想です)のお姉さんを街中で発見し、現在、後をつけていました。ストーカーではありませんよ? ってストーカー本人は無自覚にストーキングするのでタチが悪いですよね。私は自覚してやっているのでタチは悪くないはずです。
しばらく白ヤモリのお姉さんの後を付かず離れず怪しまれないようについて行くと、冒険者ギルドと思われる建物に入っていくのが見えたので、私もギルドの中へと入ってみました。
「どうしてこれじゃダメだめなのよ!?」
「ですから根っこごとと、先に注意しましたよね?」
「ちょっとぐらい無くたっていいじゃない! ケチケチケチ!」
「……次の方どうぞ」
「ちょっと!? 無視とか酷いんですけど!?」
赤いイソギンチャクのような、うねうねと動く植物がカウンターに置かれていて、白ヤモリのお姉さんが、トカゲっぽい顔立ちをした銀髪の受付嬢さんに食って掛かっていました。
「ねぇお願いよ! これで依頼達成って事でいいじゃない! じゃないと今日の宿代が足りないのよ! お願いお願いお願い!」
「ダメです。不正は出来ません。お金が無いのならもう一度採取に行って依頼を達成してください」
「今から採取に行っても見つけた頃には夜中じゃない! 朝帰りするなんて嫌よ!」
「……次の方どうぞ」
「あーん! 無視しないでよ!」
どうやら白ヤモリのお姉さんは依頼の達成が出来ず、お金に困っているようなので、私が助けてあげて、あとでしっぽりムフフな御礼を貰おうと思いました。ぐへへへ。
「何か困っているみたいですが、見たところ、その植物に根を生やせれば解決する話だとお見受けしましたので、少し失礼」
ストレージからメガポーションを取り出して赤いイソギンチャクのような植物に振り掛け根を再生してあげました。ちょっと成長しちゃったけど大きい分には別に問題は無いでしょう。
「ほえ?」
「すごい……」
呆けている白ヤモリさんと、目を見開いている銀髪トカゲさん。どっちも可愛いのでお持ち帰りしたいところです。
「これで解決ですね」
「そのポーションは一体……?」
「すごいわ! あなた何者なの!? でも助かったわ! ありがとう!」
やはり人から感謝されるというのは良いものですね。見た目は爬虫類ですけど。
「これで依頼達成よね?」
「ええ、依頼達成になります。けれど次からはちゃんと注意事項を忘れないようにしてくださいね?」
「う、分かったわよ!」
無事に依頼を達成出来た白ヤモリさんが「この後、食事でもどう?」と誘ってくれたので私は二つ返事で了承しました。フヒヒ。
冒険者ギルドにある食堂へ移動し、テーブル席へ向かい合うように座り、料理を注文して、ここから徐々に距離感を詰めて仲良くなって行きたいと思います。
「さっきは本当にありがとうね?」
「困っている時はお互い様ですから」
「あなた良い事を言うじゃない! 気に入ったわ! 今日からお友達になりましょう!」
うん、この白ヤモリさん距離感バグってるね。
下手にヨイショなどして気を使うよりは楽なので良いですけども、詐欺とか簡単に引っ掛かりそうでロトルルは心配です。
「友達になるのは嬉しいですけど、まだ名前も知らないので自己紹介から始めましょう。私はロトルルと言います。好きなものは女……の子の笑顔で、今はドラゲン島観光をしています」
「私はヤモリンよ。好きなものはモリカニで、今は出稼ぎに来ているわ。地元は別の島だけど観光案内ぐらいは出来るから、食事が終わったら行きましょうか?」
「それは良いですね。よろしくお願いします」
「決まりね!」
ヤモリンさんか、親のネーミングセンスがアレなのか、それともヤモリ族の名付け文化がアレなのかは分かりませんが、私は可愛いと思います。前世でヤモリをペットにした時に名付けるベスト3には入って来そうな感じのネーミングセンスですけど。
「ねぇ、ロトルルって呼び捨てで呼んで良いかしら?」
「良いですよ。私もリンさんって呼びますね」
「ふふ、じゃあ、よろしくねロトルル!」
「こちらこそよろしくお願いしますねリンさん」
リンさんの距離感バグにより仲を一気に深める事が出来ましたけど、逆に私が手玉に取られそうな勢いがあるので気を付けないといけませんね。
「これ美味しい、ロトルルも食べてみて、はい、あーん」
「あーん、モニュモニュ、美味しいですね!」
リンさんに手玉に取られるのなら本望です。




