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プレゼントした

 作業もひと段落ついたので分身魔法を解除しましょう。


「やだ、まだ生きたいよ……お願いロトルル、私を消さないで……!」

「君は良く働いてくれた。ありがとう。ゆっくりと休みたまえ」

「あぁぁ……消えちゃう……私が、消えて……」


 分身体に自我が芽生えたけど無慈悲に消されてしまった時に言いたいセリフを言ってみただけです。

 かわいそうな分身体ちゃんは居ないので安心してください。


 分身体が光の粒子になって消えていく中、ふと閃きました。


 分身体をレンタルに出して金儲けとか良いかもしれませんね。

 レンタル彼女ならぬレンタルロトルル。あるいはサブスクリプションロトルル。

 貸し出す相手は女性限定(男の娘可)で人には言えないあれやこれを解消してあげるのがお仕事です。


「ふへへ……」


 美女達のアレでナニな要望を叶えてあげてお金まで貰えるとか最高じゃないか!


「良いかも……いや、すごく良い!」


 よし、今後の目標にレンタルロトルル店を追加しておきましょう。


 良い事を思い付いたのでそろそろ帰ろうかと空を見上げると、太陽はまだまだ高い位置にありました。


 宿屋に戻るにはまだ早いですし、他にする事は……。

 そうだ。伸縮スキルを量産して衣服に合成するんでしたね。


 ストレージから布袋を取り出してブドウの種に液化合成し、ハイ肥料ポーションで実を成らせ収穫。


「短縮スキル、収縮スキル、拡張スキル、膨張スキル、柔軟スキル、色々あるものですな」


 短縮スキルは物体を短くするスキルで、収縮スキルは物体を小さくするスキルです。

 似たようなスキルですが、スカートで例えるとミニスカにするのが短縮スキルで子供用にするのが収縮スキルです。

 ちなみに私は短縮スキル派です。


 拡張スキルは物体を大きく広げるスキルで膨張スキルは物体を膨らませるスキルです。

 ……ボテ腹。いえ、なんでもないです。


 柔軟スキルは物体を柔らかくするスキルで服などに使用するとふわふわで気持ちの良い仕上がりになるでしょう。


 スキルの解説はこの辺りにして目当ての伸縮スキルを大量に収穫し、まずは自分の服に合成します。


 未だに全裸なのでストレージから服を取り出してそれぞれに合成。


「うむ」


 軽く動いてみても服に引っ掛かりなどが無くなりスムーズに体を動かせるようになりました。


 ……一瞬で作業が終わってしまいましたね。


「あ、そうだ。宝石で何か作りましょう」


 指輪は流石に目立つので首飾り辺りが良いですね。服で隠せますし。


 ストレージから宝石の塊を取り出して、と言うより地面にドスンッと置いてアルリナに似合う色の宝石を錬金スキルでいくつか抽出し、残った宝石の塊はそのままストレージに戻しました。


「まずは、紐から作りましょうか」


 金でチェーンを作っても良いですが、肌触りを考えて、ここは私の皮膚で紐を作りましょう。


 流石に狂ってると自分でも思いました。

 でもやります。肌触りは良いと思うので。


 身体変化スキルで指の爪先から紐状に皮膚を伸ばしていき、錬金スキルで爪先部分を液化切断。ちょっと痛かったです。


 ハイポーションで治しつつ次の工程。


「螺旋構造、カブトムシ、宝石、加工、カブトムシ、デザインセンス、カブトムシ、十字架、勾玉、スター、フラワー、カブトムシ、リング、惑星……」


 カブトムシも捨てがたいですが、無難にフラワーデザインにしましょう。


 錬金スキルでエメラルドやアクアマリン、アメシストやガーネットなどなど複数の宝石をそれぞれ花弁に加工して、合成スキルで皮膚紐の両端と宝石花弁の接点をくっ付けます。


「子供のおもちゃか……」


 デザインセンスはどうやって磨けば良いのでしょうか?


 ふとダイヤモンドカットという単語が頭に浮かんだので宝石の表面をカット加工してみます。


「さっきのよりはマシか……あとは宝石店とかで勉強ですね」


 これでもアルリナなら飛び跳ねて喜んでくれると思うので後でプレゼントしましょう。自分用はまた今度で。


 宝石カットに苦戦したおかげか、辺りはすっかり夕方色になっていました。


「戻る前に……」


 ブドウと各種宝石をストレージから取り出して合成し、地面に植えてハイ肥料ポーションを霧吹き。


「うわっ、綺麗……」


 色々な宝石を実らせたブドウが夕日を反射し、きらきら煌めいて、まるでおとぎ話の世界に迷い込んでしまったような感覚になりました。


 ……アダマンタイト製の体になった今の私なら容易に食べられますが、美味しくは無いでしょうね。


「でも食べちゃお。パクっとな……ボリボリボリ、ペッ! マズッ! 二度と食べないわ!」


 調合スキルで美味しく出来るとは思いますが、そこまでして食べる物ではないでしょう。宝石は眼で見て愛でるに限ります。


 残りの宝石ブドウはストレージに仕舞ってアルリナの待つ宿屋に戻りましょう。


 ちなみに宝石ブドウをポーション化してみましたが、飲むと糞尿が煌めくらしいです。私はアイドルなので普段から煌めいてますけどね。



「ただいまです。アルリ……な?」

「きゃっ!? ロトルル!?」


 宿屋に戻って部屋に入るとアルリナがパンツ一枚で鏡に向かってポージングを取っていました。

 なんですかそのエロポーズ!! 誰を誘うつもりですか!? 私ですか!?


「ねぇ、スケベしようか?」

「しないよ!?」

「そんなエッチなポーズしておいてしないんですか!?」

「何も言わないで! 何も見なかった事にして!」


 アルリナは本気で恥ずかしいようで耳まで真っ赤にして膝を抱えてしゃがみ込んでしまいました。

 本気で恥ずかしがっている時にツッコミ過ぎると嫌われそうなので、話題を変えましょう。


「……あぁ、っとそうだ。アルリナにプレゼントがあるんですよ。はい、これ」


 ストレージからフラワーデザインの首飾りを取り出してアルリナに渡します。


「え、これ……?」

「私が1から作りました。飛び跳ねて喜んでも良いですよ?」

「……うれしい。ありがとう! ロトルル!」

「おわっ、裸で抱き着かれると我慢出来ませんよ!」

「今ならいいよ! すごく嬉しいんだもん!」


 眩しい、眩しいよアルリナさん。

 アルリナの純粋無垢な、とびっきりの笑顔でロトルルさんの邪な感情が消し飛びそうです。(消し飛ぶとは言ってない)


「……喜んで貰えたのなら、それで良いです」

「遠慮なんてしなくていいのに……」

「そ、そうだ。食事にしましょう。その様子だとお昼は抜いたのでしょう?」

「えへへ、着替えに夢中になっちゃって……」

「どこか食べに行きますか?」

「ううん、今日は私に作らせて。お礼って訳じゃないけど私もロトルルに何かしてあげたいんだ」

「そうですか。では食材を出すのでキッチンを借りに行きましょう」

「頑張るよ!」


 パンツ一丁で宿内を歩き回るような非常識な人類ではないアルリナは、私のプレゼントした首飾りが良く見せられるようにか、Vネックの白ブラウスとギンガムチェックのスカートに着替えようとしたので「首飾りごと誘拐されますよ?」と助言したところ、スカートはそのままにプチハイネックのゆるふわ白Tシャツに変更して着替えました。


「この首飾りの紐、妙にぷにぷに柔らかくて、なんだか生きてるみたいだね?」


 着替えの邪魔にならないよう机に置いた首飾りを手に取ると、紐の感触に違和感を覚えたのかアルリナは、その違和感が何なのか確かめようと引っ張ってみたり押し潰してみたりして首を傾げています。


「あぁ、それ、肌触りが良いように私の……特別な素材で作ってあるんですよ」

「へぇー。確かに肌触りは良いけど、この感触、どこかで触った事があるような……? うーん、思い出せない……」


 うっかり「私の皮膚で」と言いそうになりましたが、わざわざ正気度チェックさせなくても良いかと思い止まりました。

 まぁ、いずれその正体に気付いた時には強制発狂イベントが待ち構えてたりするんですけどね。


 アルリナが首飾りの紐の正体に気付かぬまま首に掛けると、鏡の前に立って色々な角度から首飾りを身に付けた自分をうっとり顔で堪能し始めました。


「キレイ……」

「こうして改めて見ると、もう少しカット数を増やして、宝石の粒も散りばめて、紐部分にも飾り付けが欲しかったところですけど……ムムム」

「ほんとにありがとね。ロトルル」

「次はより良い物をプレゼントしますので楽しみにしててください」

「うん!」


 アルリナ的には大満足なようなので今はこれで良いでしょう。リベンジはまたいずれ。


 首飾りをTシャツの内側に仕舞い、宿屋の主人にキッチンを借りて良いか聞きに行くと、「お嬢ちゃん達、料理が出来るなんて偉いね」と褒められてしまいました。


 アルリナはともかく、前世が引きこもりニートなオタク君の私はどういう気持ちで受け取れば良いか分からず苦笑いを浮かべてしまいました。


 キッチンに入りアルリナにも出来る簡単そうな料理、目玉焼きやステーキ、サラダなどの食材を取り出して、あとはアルリナ一人に任せます。


「よーし、やるぞー!」


 クッキングアイドルアルリナ! はっじまっるよー!



 料理スキルがレベル3もあるアルリナは、どこかの料理下手なヒロイン達とは比べるまでも無く完璧な料理の数々を作ってくれました。


 料理中のアルリナの後ろ姿を見てて、新妻と言う単語が思い浮かびましたが、少々子供っぽ過ぎる気もします。どちらかと言えば親のお手伝いでしょうか?


「私がママになるのか……」

「何か言った?」

「いえ、なんでも」

「そう?」


 私がママになるより、アルリナをママにしたい気もしますが、今のところは姉ポジションがしっくりきているので現状維持で良いと思います。


 我ながら中々にキモい妄想をしていると料理が出来上がったようなので美味しくいただくとしましょう。


「パクパクうまい! パクパクおかわり!」

「良かった。どんどん食べてね!」


 肉と野菜炒めに茹で卵のサラダを満腹になるまで楽しんだあとは、素直に就寝です。


「おやすみアルリナ」

「おやすみロトルル……お風呂は」

「ぐぅ……すぴー……ぐぅ……すぴー」

「もう!」

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