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尊かった

「おかえりロトルル。早かったね」

「ただいまアルリナ。とりあえず抱き着くので頭撫で撫でしてください」

「う、うん?」


今の私には癒しが必要です。

困惑するアルリナに抱き着いて頭を撫でて貰いました。


「何かあった?」

「怖いお姉さんに搾り取られました……」

「へ、へぇ……それは怖かったね」

「はい……とても、とても怖かったです……」

「……よしよし、ロトルルはよく頑張りました」


あぁ……癒されるぅ……アルリナは精神のハイポーションだよ。


落ち着いたところで今後の予定について話します。


「この後の予定ですが、ハイポーションを根こそぎ買い取られてしまったので材料集めと各種ポーションの作成。その後はドラゲン島へ行く船を探して大航海時代の幕開けです」

「……もうちょっと何かしらの準備をした方が良いと思うよ?」

「海釣り用の釣り竿は必要ですね」

「それも良いけど、服とか食料とか必要最低限の物は集めておこうよ」

「ふむ、では買い出しに行きますか」

「うんうん。それが良いよ」

「もしかして新しい服が欲しいだけだったりします?」

「し、しないしない! 全然しないよ! ロトルルの使い回しばっかりで飽きたとか全然無いからね!」

「そうですかそうですか、ではアルリナには私の服を全てあげるので私は新しい服を買い揃える事にしましょうか」

「うぅ……ロトルルはいじわるだね」

「アルリナ、欲望には忠実になりましょう。建前とかプライドとかそんな物はゴミ箱に捨てちゃっていいです。せっかく助かった命なんですから好きな事を好きなだけ、やりたい放題しなきゃ損ですよ?」


一度死んだ身なので骨身に染みるどころか魂に染みているので今世ではやりたく無い事は死ぬまでやりません。

過ぎたるは猶及ばざるが如しという言葉があるのでやり過ぎ、やらな過ぎもダメですけど、その辺は弁えておきます。


「じゃ、じゃあ、可愛い服が欲しい!」

「服だけですか?」

「指輪とか首飾りとか綺麗なアクセサリーが欲しい!」

「他には?」

「ええと、ええとね、うーん? 今はそれぐらいしか思い付かないや」

「かわヨ……」

「え、なに?」

「いえいえなんでも、じゃあお店を見て回ってみて、他に欲しい物が見つかったらその時に決めましょう」

「了解です!」


朝食をぱぱっと済ませてから商店街へと向かいました。



「これと、これと、あとこれも、こっちも可愛い! ロトルル!」

「はいはい、おいくらですか?」

「全部で2万エルになります」


ストレージから現金を取り出して店員のお姉さんに渡して支払いを済ませます。


「次はあっちね!」

「はいはい」


商店街へ着いた瞬間アルリナのお買い物欲が爆発して手近の服屋へ直行すると次から次へと買い物カゴに気に入った服を詰め込んで行きました。

一着一着は安いとは言え10を超えた辺りで止めようかと思いましたが、アルリナの笑顔があまりにも眩しかったので後悔はありません。


購入した服をストレージに押し込み、次のお店へと向かいます。


「綺麗……100万エル!?」

「何のスキルも付与されていませんね……これぐらいなら私が作りましょうか?」

「いいの!?」

「悪人に狙われやすくなりますけどね?」

「うっ、じゃあやめとく」


アクセサリーショップに入り、キラキラと美しく輝く指輪やイヤリング、首飾りや腕輪などなどを見てうっとりするアルリナの顔を見て、うっとりする私の顔を店員さんが引き攣った笑顔で見ていたので次のお店へと向かいました。


「ロトルルの気分次第で長い船旅になるかもしれないから日用品とか色々買っておかないとね」

「釣った魚を入れる水槽とか」

「……わたしがしっかりしないと」


アルリナが保護者の顔になって必要そうな日用雑貨を買い集める中、私は何かに引き寄せられるような気がして、その何かに近付いて行き、私を引き寄せていると思われるアイテムは一切見ずに素通りしました。変なフラグが立ちそうだったので。


もし私が全耐性アップスキルを持っていなければ無意識の内にいい様に操られていたやもしれませんが、これから楽しい船旅が始まるって言うのにこんな所で時間を食いたくは無いです。持ってて良かった全耐性アップスキル! 一人に一つ全耐性アップスキル! 褒めたおかげか全耐性アップスキルが2にレベルアップしました!


「スキルレベルが上がる程の経験値……こわっ!」


急に怖くなって来たのでさっさと買い物を済ませましょう。


「ありがとうございました!」


旅行鞄いっぱいの日用雑貨を20万エル(旅行鞄込み)で買い終わったので次のお店へと向かいます。


旅行鞄をストレージに仕舞うと、日用雑貨の詰まった旅行鞄というアイテム名で1スタック扱いでした。

アイテムボックス系スキルの裏技的な使い方を発見したので、裏技本でも書けばお金取れそうな気がします。


「次はペットショップに行ってみよう!」

「飼えませんよ?」

「見るだけ」

「ならよし」


テンション高めのアルリナの後を追ってペットショップにやって来ました。


猫や犬はもちろんネズミやフクロウ、リス、ヘビ、カメなどなどが所狭しと並んでいます。狭いカゴの中で。


動物虐待? 動物愛護法なんて人間の奴隷が普通にいるこの世界にはありませんよ?


「可愛い!」

「可哀想……」


「え?」

「え?」


おっと、いけない。前世の常識は今世の非常識。あまり深く考えないようにしましょう。


「猫ちゃん可愛いね。よしよし」

「にゃーん」

「猫が好きなんですか?」

「猫も好き!」

「動物が好きなんですね」

「えへへ、うん!」


あぁ、もう、なんですかその無邪気な笑顔は……私を尊死させる気ですか!


アルリナの気が済むまで猫を撫で終わると、その隣の猫を撫で始めてしまったので、これはしばらく時間が掛かるなと思い、店内を見て回る事にしました。


「へぇ、カブトムシも売ってるんだ……クワガタ、タマムシ、ウデムシはキモい、タランチュラっぽい何か、謎のでかい幼虫、アゲハチョウ、ガ、スズムシ、コオロギ……」


値札にはそれぞれ500エルと書かれています。

カブトムシとクワガタとスズムシとコオロギをオスとメス数匹ずつと餌を1年分買いましょうかね。

繁殖用の大きな虫カゴや腐葉土などはストレージに入っている物でなんとでもなるので買いません。


「ご購入ありがとうございましたー!」


大量の餌はストレージに仕舞い、虫カゴは布製の買い物袋に入れて貰いました。伸縮スキルが付与された布袋なのでこれだけでもお金が掛かりそうな物ですがサービス品らしいです。後で伸縮スキルを複製して服などに合成しましょう。


「猫ちゃんもふもふ」

「アルリナ、そろそろ帰りましょう」

「えー、もうちょっと……って何買ってるの!?」

「カブトムシとかコオロギとかです」

「飼えないって言ってたのに!」

「虫ぐらいなら飼えますよ」

「ずるい! ずるい! 私も飼う!」


その場で地団駄を踏むアルリナは見た目相応に可愛くて胸がきゅんきゅんします。

こちらの世界の13歳はもう少し大人っぽいはずですけど、アルリナはこのままで良いですね。一服盛るか……?


「虫をですか?」

「猫ちゃん……」

「船旅、というか旅に猫を連れて歩くのは可哀想ですよ?」

「そうだけど……あ、じゃあ犬!」

「犬ですか……」

「うん!」

「躾とか出来ますか?」

「うっ、出来るよ……?」

「そうですか。でも買ったばかりの躾の出来ていない犬を乗せてくれる船があるとは思えませんので、これから躾けるとしても……まぁ、一週間ほど滞在するとして、その間に躾られますか?」

「む、無理です……」

「虫なら飼っても良いですよ」

「要らないです……」

「では帰りましょう」


ションボリアルリナも可愛いですね。もしケモ耳が生えていたら垂れているはずです。想像してみるとすごく可愛いですね。生やしてみるか……?

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