観光してみた
ディファス国。
そこは白く輝く水と自然に溢れたファンタジーな街。
いや、実際に白い建物だらけですし、水路が張り巡らせられてますし、謎のオブジェが浮かんでいる噴水が至る所にありますし、街路樹が規則正しく植えられているので、今まで見てきた街並みで一番異世界ファンタジーしてますよ。
今までは中世時代にタイムスリップしていた感覚でしたね。悪く言えば古臭いというかなんというか。
とりあえず宿屋を決めてから観光しましょう。
「遠隔操作ナイフ、血飛沫ハンマー、ドラゴンランサー、高いな」
こじんまりとした家族経営系の宿屋になんとなく決めてから街を散策。
路上から武器屋を覗いて見ましたがお高い物ばかりで買えそうにありません。
今更マジックアイテムとか必要無いんですけどね。自分で作れますしおすし。
デザインセンスを磨いていると言えば聞こえは良いでしょうがパクる気まんまんです。
「次は、料理店とか衣料店とか行ってみますかね」
お腹がいっぱいだと動き辛くなりそうなので先に服を見に行きます。
「おぉ、これまたアバンギャルドな……」
獣人用の民族衣装というには前衛的過ぎる服が所狭しと並んでいました。
流石に買う気は起きませんので別のお店へ。
「お尻に穴が開いてる……あぁ、尻尾か。こっちは背中が、羽用かな?」
まともな服屋に入って一通り見て行きます。
うーん、それにしてもこの品揃いですと人間用の服は無さそうですね。
デザインだけ見させて貰ってあとは自分で作りましょう。
「いらっしゃいませお客様、何をお探しでしょうか? 良ければご試着も出来ますよ? これとかお客様にピッタリで良い感じですね! 今着ている服にも合わせられて良いと思います!」
「なん、だと……!?」
まさか、異世界にまで居るなんて思ってもいなかったぞ……!
ぐぁ、前世の記憶が!
親と一緒に行った服屋の店員の死んだ魚の様な目付きが脳裏に!
やめろ! 親と離れた瞬間を狙い澄ましたみたいなタイミングで俺に話しかけてくるんじゃない!
「あ」とか「う」とかしか言えずに「ご試着いかがですか?」と聞かれてその場でズボンを脱ぎ掛けた恥ずかしい記憶が蘇って来る!
「こちらなんかも……」
「スミマセン、またの機会にします」
そそくさと店を退散しました。
「嫌な、事件だったね……」
公園のベンチに座り、前世の自分を慰める様に自分の頭を撫で撫でしてあげます。
結局どっちも自分なのですぐにやめましたけど。
話しかけて来る店員怖い怖い病が発病してしまったので、今日はもう宿屋に戻っておとなしく休もうと思います。
「おや?」
宿屋に戻る道中に、前世では珍しくもなんともない楽器店を見つけました。
つまり異世界では初めて見る楽器店です。
そもそも楽器自体が存在している事に驚きました。
ロトルルの記憶の中でも音楽とは歌うか踊るかの二択だったので楽器という概念自体が存在しません。
「見たい!」
そう口に出した瞬間にはダッシュで楽器店へと入店していました。
「おぉ、ギターにピアノ、ドラム、フルート、こっちはバイオリンにトランペットまで、すごい!」
だがしかし、値段が馬鹿高い。
こんな値段じゃ、田舎街に出回る訳が無い。
安くても500万エルとか庶民にはとてもじゃ無いが手は出せない。
ならば私が作ってしまいましょう。そうしましょう。
鑑定スキルで楽器の構造を調べて、記憶保存魔法で調べた構造を忘れないようにします。
楽器店にある全ての楽器の構造を記憶してから宿屋に戻りました。
流石に長時間居座ってしまったのでギターのピックセット1万エルを購入して帰りましたよ。
5枚入りで1万エルとか、やっぱり高過ぎますね。




