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化かされなかった

「……おはようございまーす」


 宿の主人に商人ギルドの場所を聞いてやって来ました。

 商人ギルドという事もあるのかお高そうな作りの無駄にでかい建物で子供の私じゃすごく入りづらい雰囲気を醸し出しています。


「おぅ、なんだ? ここはガキの来る所じゃないぜ?」

「ですよねぇ……さようならー……」

「このおバカ! 子供を怖がらせてんじゃ無いわよ!」

「イテッ!? ちょっとした冗談だよ。冗談」

「ごめんねぇ、このライオンさん、見た目ほど怖くないから安心してね?」

「オレ様は怖いライオンだぞ! ガオー!」

「ひぃっ!?」

「もういいからあんたは裏行ってなさいよ!」

「へーい」


 突然ライオンとトラの漫才が始まったと思ったらすぐに終わってしまいました。

 肉食系お笑いコンビかな?

 こういうのがトラジコメディーというのでしょうか? トラだけに。

 本来の意味はよく知りませんけど。


「何か用かしら?」

「えっと、ディファス国まで行く馬車をお願いしたくて」

「ディファス国ね。あなた一人かしら?」

「そうですけど」

「一人かぁ、10万エル、いや、8万エルってとこかな。人数が多ければその分安く出来るんだけどね」

「お金は持っているので、お願いします」

「そう、じゃあ、少し待っててね。準備してくるから」


 トラのお姉さんがそう言うとスタッフオンリーと書かれた扉の奥へ行きました。

 待ってる間は暇なのでギルド内を見渡してみると、綺麗な調度品の数々や、書類の束が詰まった大きな棚の列、それに木箱がたくさん並んでいます。


「お待たせしました。代金は先払いで、飲食代やテント用品は別料金となります。相乗りを待つ場合は人数によって割り引かせてもらいます」


 トラのお姉さんが鋭い目つきをしたキツネ顔のお兄さんを連れてやって来ました。人間寄りなのでケモノ感は薄いです。

 この人が御者をやってくれるのかな?


「分かりました。相乗りは待たなくて良いです」


 ストレージから8万エルを取り出してトラのお姉さんに渡します。


「確かに。それでは馬車まで案内させて頂きます。あとはよろしくね」

「お客様、こちらへどうぞ」


 キツネさんに案内されてついて行くと装飾品が豪華な馬車の前で止まりました。


「これ? 本当に? 豪華すぎません?」

「心配されずとも追加料金などは一切掛かりませんのでご安心を」

「はぁ、じゃあ、お願いします」


 言われるがままに乗り込んでみると中も豪華で、貴族やお金持ちしか乗っちゃダメなんじゃないかと更に不安になりました。

 もしかして貴族か何かがお忍びで一人旅していると勘違いさてれる可能性が微粒子レベルで存在している?


「それでは出発致しますのでごゆるりとお寛ぎくださいませ」


 あぁぁ、そうこうしている内に出発してしまいました……。

 本当に追加料金取られたりとかしませんよね? キツネに化かされてるとしか思えません。


 夕方には村へ無事に到着。

 同じ宿で一泊しました。

 翌日は寝坊する事も無く次の村に出発。


 その後も事務的な話と他愛無い世間話をしながら順調に旅を続けて、野宿する時に簡易的な小屋を建てるとキツネさんが細い目を見開いて驚いていたのが印象的だった以外は特に何事も無く、あっという間にディファス国まで辿り着いてしまいました。


「思ってた馬車旅と違う……」


 波瀾万丈とは言いませんがもっと、こう、何かあっても良さそうじゃ無いですか。

 盗賊やモンスターは一切仕事しませんでしたね。

 その方が良いのは分かってます。分かっていますけど、ねぇ?

 まぁ、モンスターの大群に襲われるよりは平和が一番って事で納得しましょう。


 キツネさん普通に良い人だったし、商人ギルドは信用と信頼しかありませんね。今後もよろしくお願いしたいと思います。


 無事にディファス国に辿り着けましたし、せっかくなので観光してからリコルス国に向かいましょうか。

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