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目覚めたら画面のヒロイン  作者: もえもん
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私がアイドル!?

「え、、誰これ、私!?」


思わず大きな声を出して驚いてしまった。鏡に写っているのは新井なみではなく、顔やスタイルも違った全くの別人だったからである。

目の前で起こっていることが信じられなくて顔や体を触ってみた。驚きを隠せず慌てている私を見て、


「本当に頭がおかしくなっちゃったのね、アンナ、。」

「と、とにかく、アンナの意識が戻ったことを先生に伝えないと!」


と言い、私の病室にいた小太りのおじさんと綺麗な女の人は病室を出て走って行ってしまった。


しばらくして男の先生が来て、私に名前は分かるか、職業は何だのと色々質問をしてきた。質問をされたが、私は普通の高校三年生の新井なみとして答えた。診断の結果、記憶喪失だと言われ、いつ記憶が戻るか分からないと言われた。しかし私は記憶喪失なんかではない。私に記憶はある。だが、それは新井なみというの別人としての記憶なのだ。先生の話を聞いていた2人は私の横で青ざめていた。


「記憶喪失だなんて…アンナ、本当に今までの記憶が無いの?」


私は一応「うん」と答えた。


「そんな、、今まで頑張ってきたのに…。やっと仕事が軌道に乗ってきたのに…」


「嘆いている暇はないですよ、沙耶さん。これからどうするかを考えていきましょう。」


そう言っておじさんは私に話しかけてきた。


「僕の名前は伊藤智洋。横にいる彼女は山西沙耶さん。僕は君の事務所の者で、彼女は君のマネージャーだ。君が車と衝突したと聞いて、急いでこの病院に来たんだよ。」


自己紹介を終えた後に伊藤さんは私に今までの経歴のことを話してくれた。とりあえず分かったことをまとめてみると、名前は赤井杏奈。18歳で、クリスタルというグループの一員でアンナという芸名でアイドル活動をしているらしい。

歌番組の収録のために移動車に乗り込もうとした時に、猛スピードで走ってきた車と衝突して、病院へ運ばれたのだった。彼女と私の共通点は年が一緒であることくらいだった。

実を言うと、アンナというアイドルは知っていた。最近人気の出てきたビジュアル系アイドルだった。


「あなたはやっと最近名前が知られるようになってきたところだったの。これからが頑張り時だったのに、記憶喪失だなんて…」


「とにかく、アンナ。君は記憶を取り戻せることを願いながら、これからもアイドルとして頑張って貰わなければならない。僕達も傍で支えるから一緒にもう一度頑張ろう。」


状況を把握するのに手一杯な上にそんなことを言われてどうしたらいいのか分からなかったが、2人から自分に訴えかける圧を感じたので、私は「分かった」と頷くしかなかった。


「じゃあ早速明日の朝に迎えに来るから。事務所には僕の方から報告しておくし、今日はゆっくり休んで。」


そう言って2人は病室を出て行ってしまったので、私は1人でぐるぐると回想していた。


(はぁ〜、まだ全然状況把握できないよ。これって転生…てことでいいんだよね。こんなこと現実でありえないと思ってた。お母さん心配してないかなぁ。それにアンナに転生って…。まあ密かにアイドルに憧れてたから嬉しいのは嬉しいんだけど。それに、アンナってグループで活動してたんだ。アンナのファンじゃなかったから全然この子のこと知らないし…。そういえば、最近アンナについてのニュース上がってた気がする。何の話題だったっけ。私が赤井杏奈になったってことは、赤井杏奈は新井なみになってるのかな?あーもうわかんない)


結局あの2人が帰ってからは訪問者が誰もいなかったので、その日は眠りについたのだった。




翌朝、伊藤さんが病院まで迎えに来てくれたので、私はそのまま事務所へ向かった。

急に背中をバシッと叩かれ振り返ると、金髪にミニスカートの女の人が立っていた。


「アンナじゃないのよ〜!記憶喪失って聞いたわよ〜大変だったわね。でも、これからが稼ぎ時なのにしっかりしてくれなくちゃ困るわ!」


「あ、社長!おはようございます!」


「あら伊藤さんじゃないの!おはよう。」


どうやら私の所属する事務所の社長らしい。派手な見た目なので若く見えるが、よくよく見ると目元にシワなどが寄っているので、50代後半といったところだろう。


「記憶がないってことだから私のことも忘れているのかしら?じゃあ手始めに自己紹介でもしようかしらね。

私の名前はぁ…!!佐藤美幸エリザベスよ!」


「は、、美幸エリザ…?」

「もう!だから、美幸エリザベスよ!呼び方はザベス社長でいいわ!」


日本人にはない自由奔放さに圧倒され私はすぐに反応することが出来なかった。


「は、はい、分かりました。ザベス社長…。」

「例のニュースも出て、今芸能界はしばらくあなた達の話題で持ち切りになると思うわ。しっかりね!」


そう言って社長は何人かの顔の怖いボディーガードを連れ、颯爽と車へ乗り込んでどこかへ行ってしまった。


「社長はアメリカ人と日本人のハーフで、1代でこの事務所をここまで大きくした人だよ!」と伊藤さんが後でこっそり教えてくれた。


「あ、あの、伊藤さん。さっき社長が言ってた私のニュースって何のこと…、」


そう私が言いかけた時事務所のドア付近で、3人ほどの若い女の子達が叫んでいるのが聞こえた。


「あいつを出して!!出しなさいよ!」

「私たちのジヒョンを返して!!」

「あいつに直接文句を言ってやらないと気が済まないわ!」


段々と騒ぎになってきたので警備員が出動する事態となり、私も駆け寄ろうとした時、


「アンナ!そっちへ行っちゃダメよ!控え室へすぐ入りなさい!」と、沙耶さんに言われたので私は言われるがままに、控え室へ入った。


控え室へ入ると自分と年がさほど変わらなさそうな女の子が4人とマネージャーらしき人が集まっていた。

少しずつアンナの情報を明かしていきます。

今話は説明って感じになりました(なってしまいました…)

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